8月21日、当会の地域司法計画委員会の委員が札幌を訪問し、札幌弁護士会の地域司法対策委員会と協議会を行った。当会からは、安藤肇副会長を始め13名、札幌弁護士会からは19名が参加した。地域司法計画運動を担う他会の委員会との意見交換を目的とするもので、今回が初めての企画である。 |
札幌弁護士会の地域司法対策委員会は、弁護士へのアクセス改善や裁判所の支部問題、公設事務所の開設準備等を職務としており、協議会の参加者も公設事務所に所属する委員を含め50期代後半から60期代の委員が多かった。 |
最初に、それぞれの管内の司法の状況や、これまでの委員会の取り組みについて報告をした。 |
当会からは、毎年、市町村議会議員との懇談会を重ね、昨年は「神奈川の司法10の提案2010」を作成し、県西支部で首都圏弁護士会支部サミットを開催したことや、今年度の関弁連大会で管内の司法基盤の整備を求める決議を検討していること等を報告した。 |
これに対し、札幌弁護士会からは、すずらん基金法律事務所(全道の弁護士が特別会費を負担して「すずらん基金」を創設し、道内の弁護士過疎地に派遣する弁護士を要請するために開設された公設事務所)の活動や、同基金を利用して昨年実施した全道一斉無料法律相談、夕張市等の旧産炭地での無料法律相談の企画等について報告があった。いずれも、自治体との緊密な協力関係の下で活動していることが印象的であった。 |
その後、地域司法の充実に向けた具体的な運動のあり方について意見交換した。 |
裁判官が常駐していない支部は全国で46か所あるが、そのうち10か所が道内にある。北海道弁護士会連合会では、昨年、「裁判官・検察官非常駐支部解消に向けた行動をとることの宣言」を採択しており、非常駐支部の問題については第一審強化方策札幌地方協議会(一審協)の議題としても提出しているとのことであった。 |
首都圏に属する当会と、司法過疎が問題となっている札幌弁護士会では、問題意識が異なる点もあるが、司法基盤が整備されていないと、いかに利用者が不便を被るかという実例を積み重ね、利用者の視点で改善を求めていくという運動の進め方では一致していることが確認できた。 |
夜は懇親会で盛り上がり、翌日は、札幌地家裁滝川支部を見学した。滝川支部は、裁判官が常駐しておらず、特急で30分の距離にある岩見沢支部から2人の裁判官が填補にきている。 |
その後、当地の法律事務所と法律相談センターを見学し、ついでに本場のジンギスカンも満喫して帰途についた。 |
(会員 浦田 修志) |