秋の連休初日の9月18日、当会主催の敬老の日イベント「落語で知ろう、弁護士に聞こう、成年後見」が行われた。これは、日弁連に高齢社会対策本部が設置されるなど成年後見制度の普及と弁護士が関与することへの期待の高まりを受け、法律相談センター運営委員会、弁護士業務改革委員会、高齢者・障害者の権利に関する委員会を中心に企画されたものである。
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何よりも来場者の皆様に身近な内容になるよう検討を重ねた結果、落語家桂ひな太郎師匠の「成年後見落語」、延命政之会員の「成年後見制度解説」、先着20名様限定「無料法律相談」という異色の組み合わせで、魅力溢れる企画が実現の運びとなった。
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当日は穏やかな秋晴れに恵まれ、会場の関内ホール(小ホール)には、開場時刻のはるか前に法律相談を希望する来場者があるなど、期待と関心の高さがうかがわれた。
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開演定刻になり、まず水地啓子会長が開会の挨拶に立った。水地会長から、実はこのイベントが、単に敬老の日の記念イベントに止まるものではなく、当会が10月4日にスタートさせる新規事業「みまもりダイヤル」(高齢者・障がい者問題に特化した無料電話法律相談)のお披露目を兼ねたものであることが紹介された。
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次いで、来賓の高野範城日弁連高齢社会対策本部長代行から、高齢化社会の実情や日弁連の成年後見制度に対する取り組み、今後のこの分野にかける弁護士会の意気込みなど力強い挨拶があった。
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そして、お待ちかねのひな太郎師匠による創作落語「成年後見じいさん」が披露された。師匠ご自身の体験談や身近な話題を枕に、ユーモラスな高齢者を描いた創作落語に会場からはたびたび笑いの波が起こり、来場者は成年後見制度を身近に感じた様子であった。
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延命会員も冒頭から「私の話を聞くと抜群の長寿(延命)効果があります。」などと冗談を交えつつ、成年後見制度だけでなく、ホームロイヤーや「みまもりダイヤル」を紹介する充実した講演を行った。閉会後に会場で行われた無料法律相談会では、さっそく任意後見の相談もあったとのことである。
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成年後見の分野への弁護士のニーズは非常に高いものがあるが、どのように弁護士相談につなげるかが分からないとの声があるのも事実である。今回のイベントと「みまもりダイヤル」の開始がアクセス障害解消の契機になるはずである。
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(会員 松木 崇) |