当会人権擁護委員会外国人部会は、6月25日、「初心者向け外国人事件の基礎知識」と題して研修会を開催した。
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一口に外国人事件と言っても、当事者が外国に関わりがあれば全て外国人事件である。そこで、この研修会では大きくテーマを2つに分け、前半「入管法の基礎知識」を飯田学史会員が、後半「渉外家事事件入門」を駒井知会会員が講義した。両会員は、積極的に外国人事件に取り組んでいる当部会のホープである。
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前半では、外国人はどのような資格で日本に在留し「管理」されているのか、またその違反者に対する手続の概要はどうなっているのか、についての説明があった。弁護士が入管事件に関わるきっかけとして一番多いのは、おそらく当番弁護士である。その際に適切なアドバイスをすることの大切さと、また可能な場合には、その先の在留特別許可取得の手続へ進んでいくための必要な知識の確認ができた。
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後半は、渉外家事事件における基本的な考え方についての講義であった。神奈川県にも多くの外国人が居住しており、事件の当事者が外国人であることは珍しくない。また、入管事件においても家族関係が非常に重要な要素となる。そのような家事事件における国際裁判管轄と準拠法に関する基本的な知識を教わることができた。
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最後に、資力のない外国人依頼者のためにどのような制度が用意されているのか、法テラス神奈川副所長である佐藤昌樹会員から説明があった。
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全体として、非常に密度の濃い内容を詰め込んだため、時間不足気味だったのが残念である。引き続き、有意義な研修会を企画していきたい。
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(会員 石井 眞紀子) |