横浜弁護士会新聞

2010年5月号  −4− 目次

コーヒーブレイク(8) 朝が早い理由
 競馬業界の朝は早い。競馬に興味がある方はご存じかと思うが、午前1時や2時から調教(馬のトレーニング)に向けた準備が始まる。私は競馬を始めて10年になるが、「馬は早起きなのかな」などとたいして理由を考えずにいた。その理由を知ったのは、私がとある競馬新聞社に入社してからだった。
 日本競馬創成期には、馬の調教は誰もが起きている日中に行われていた。競馬を知って間もない人々は、馬の調教の重要性など知る由もなく、ただレースだけを見ていたのである。
 ところが、ある日馬券を買う側の人間が調教を見たところ、本気で調教している馬とそうではない馬の差は歴然としており、その内容がレース結果に直結していることに気づいたという。この新聞の性質上詳細を述べることは出来ないが、馬主や調教師等にとって調教の内容を知られることは非常にまずいことだったのだ。それから、調教内容を見られないようにするために、見学者が来る度に調教時間を早くし続け、これ以上早くしても意味がないという現在の時間に落ち着いたのだという。
 それに比べて弁護士業界は朝が遅いようである。中には午前中に見かけることがない先生もいらっしゃるとか。競馬新聞時代の習慣からか、私は毎日早朝から仕事をしている。もちろん、私の場合はボスや事務所の人たちに知られてまずいことなど何もないのであるが。
会員 島 武広(元競馬新聞記者)

新人弁護士奮闘記 私が泣いていたら活を入れてください
新60期 会員 藤田 香織 
 弁護士になって早くも3年目に突入してしまいました。私はまだまだ何も出来ないひよっこで、いつまでたっても「新人」を抜け出して一人前になれる兆しはみえず、前途多難な日々を送っています。
 自分の事件処理が遅いためにたまってしまった仕事の山を前にして「泣いちゃおうかな〜」と思うことは数知れません。また、証人尋問や書面がうまく出来ず、もっとああやっておけば良かったという後悔から実際にえんえん泣きながら馬車道を歩いたこともあります。でも、どんなに大変なときでも、私は弁護士を辞めたいと思ったことはありません。事件が解決したときのクライアントの笑顔や、安心した表情を見ると、自分の責任の重大さを再確認すると共に、こちらまで幸せな気持ちになります。また、行き詰まったり苦しい時期には、横浜の同期や先輩方にいつでも助けていただいて、元気をいただいています。
 先輩の先生方とは、委員会でご一緒したり、事件を一緒に受任させていただいたり、ご飯を食べに連れて行っていただく中で本当に沢山のことを教えていただいています。先輩の役に立てるようにはなかなかなれないのですが、教えていただいた麻雀は、少し強くなりました。横浜の同期とは勉強会をしたり、飲み会をしたり、遊んだり、きょうだいのように仲良しです。元気がないといつでもさりげなく心配して元気づけてくれる、大事な仲間です。ボスは、私が方針に迷ったり、事件で行き詰まっていると、「どーんとやってみなさい。何かあったら私のせいにしたらいいんだから」と言って、力強く励まして下さいます。そして、ここ一番と言うときは必ずそっと助けて下さるのです。私の携帯電話には、お守り代わりに艶やかなボスの写真が保存されています。
 本当に良い職業、良い職場に恵まれました。教えていただいたことをたくさんたくさん吸収して、一刻も早く一人前の頼れる弁護士になって、ボスや先輩方の役に立てれば良いなと思う日々です。これからもいろいろがんばりますので、どこかで私が泣いていたら活を入れて慰めて下さい。

ロンドン滞在記 ミュージカルを見たあと、バレエをはしごできます!
会員 田場 眞理子
 一昨年から1年余り、事務所を休職させて頂き、海外転勤になった夫についてロンドンに住む機会に恵まれました。この間、私は語学学校に通うなどしていたのですが、英語力は大して伸びず、行く前は簡単な日常会話レベルだったのが、帰国する頃は容易な日常会話レベルでした。
 ですが、語学学校では各国の友人ができてとても楽しく、また、ネイティブが使う英語を学ぶことができました。辞書で調べたとおりにしゃべっても「そういう意味はない」「フォーマル過ぎて変」などと突っ込まれ、ネイティブに対して辞書は全く当てになりませんでした。また、アメリカ英語を話すと馬鹿にされることも叩き込まれました。
 さて、ロンドンには、いうまでもなく数多くの観光名所があります。特に印象的だったのは、バッキンガム宮殿と国会議事堂の内部見学でした。いずれもセキュリティチェックを受けて中に入るのですが、内部の贅を尽くした豪華さには圧倒されました。
 また、ナショナルギャラリー、大英博物館等の美術館、博物館はほとんど全て無料です。場所も便利な所に位置しており、友達との待ち合わせ前に20分だけ見学するなど、気軽に利用できます。
 さらに、ロンドンにはシアターが乱立し、ミュージカルを安く手軽に見に行くことができます。ある日などは、当日思い立って「ビリー・エリオット」という人気ミュージカルを見に行ったところ、バレエシーンに感動してその足でロイヤルオペラハウスに行き、バレエ白鳥の湖を見たことがありました。他にも、ロンドンにはいくつもの空港があり、多数の便が発着しています。夫がヨーロッパの各主要都市のオフィスへよく出張したので、私もついていきましたが、ロンドンからはどこに行くのにも便利でした。
 以上のような貴重な経験ができたのも、快く送り出して下さったボスと姉弁のおかげです。心から感謝申し上げます。

備えてあんしん ローゴヨーイ・ドン!

編集後記
 Twitterを始めました。たいした内容はつぶやいていませんが、仕事や趣味のネットワークが広がれば良いなと考えています。
デスク 岩田 武司  1面担当 久保 義人  2面担当 久保田 辰
     3面担当 池本 康次  4面担当 大関 亮子

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