横浜弁護士会新聞

2010年5月号  −1− 目次 

水地啓子新会長に聞く 若手会員の育成・支援体制を整え、生き生きとした弁護士会に!
〜会長ご就任おめでとうございます。現在の心境をお聞かせください。
 私自身は、今まで取り組んできた会務の延長のような気持ちですんなり立候補を決めたところもあったのですが、副会長たちから、真剣に悩み相当な覚悟を決めて就任したという話を聴くにつれ、大変な時期の会長就任であることを再認識し、とても緊張しています。
 
〜今年度の執行部はどのようなことに取り組もうとお考えですか。
 若手弁護士(特に新規登録弁護士)の育成・支援体制の充実に重点をおいて取り組みたいと考えています。
 私が当会に登録した頃、同期は15名前後でしたが、今では毎年100名近くの新人が入会しています。修習は1年間に短縮され、いわゆる即独、軒弁なども増えています。従来のように、事務所内や同期、先輩弁護士の自発的なサポートだけで若手を育成していくことは困難です。早期に若手会員の育成・支援体制を構築することが必要だと思います。
 
〜若手支援については、個々の取組みをしている委員会もあるようですが。
 確かに、これまでも、研修委員会、刑弁センター等々において、若手支援のための様々な取組みがなされています。会員サポート窓口では、新人弁護士からの個別事件相談にも応じることになりました。しかし、全体としてみれば、会員数1000人超の弁護士会の体制としては、まだまだ不充分だと思います。
 執行部としては、まずは、これら既存の様々な取組みを全体としてきちんと把握したうえで、一部の委員会や会員に任せっぱなしにするのではなく、「会」として、当会の規模に見合った、充実したサポート体制を整えていきたいと思っています。
 こうして、会を挙げて若手をしっかり支援し育てていくことが、ひいては、市民の皆様に良質な法的サービスを提供するということにもつながると考えています。
 
〜将来の弁護士・弁護士会像についてお聞かせください。
 個々の弁護士が自信を持って生き生きと職務を行ない、「弁護士になってよかった」と心から思える、そういう「弁護士」、そしてそれを揺るぎなく支える「弁護士会」であってほしいと思います。
 
〜趣味の話をお聞かせください。
 仲間とのおしゃべりでしょうか。色々な人に出会って色々なおしゃべりをすることはとても楽しいです。私には、本当に多種多様な「しゃべくり仲間」がいますよ。
 
〜なるほど、会長の驚異的な人脈の広さの秘密が垣間見えた気がします。
では、県民の皆さんにメッセージをどうぞ。
 例えば会長声明など、誰に頼まれているわけでもないのに何故出すのか不思議に思う方々もいらっしゃるかもしれませんが、弁護士会というのは、自発的に目を光らせ、人権を守ろうとしている団体です。ご理解ご協力よろしくお願いします。
 
〜最後に会員に対して一言お願いします。
 特に若手会員の皆さん、弁護士会を対自分としてとらえるのではなく、自分自身が弁護士会の一員であり担い手であるという自負を持って、積極的に当会に関わってください。
 興味のある委員会等には、自発的にどんどん顔を出してください。お待ちしています!
 (インタビュー 会員 大関 亮子)

若い力溢れる専門家集団として 平成22年度新理事者就任披露懇親会
 4月1日、ホテルニューグランド3階ペリー来航の間において、当会の新理事者就任披露懇親会が開催された。
 来賓紹介の後、登壇した昨年度の理事者を代表して岡部光平前会長から退任の挨拶がなされた。岡部前会長は、裁判員裁判制の始動、中国上海市律師協会友好協定、都市型公設事務所開設、民暴横浜大会などを挙げながら、「総司令&ゴレンジャー」として、元気に笑いを絶やさず活動した昨年度理事者の1年を振り返った。
 引き続き今年度の理事者が紹介され、登壇した新理事者を代表して水地啓子新会長から就任の挨拶がなされた。水地新会長は、神奈川県内に事務所を置く全弁護士によって構成される当会の会員が1129名となり、うち司法研修所修習期50期以降の会員が過半数を占めている当会の現状を確認した。そして、そのように大規模で若い力の溢れる専門家集団である当会が、各種法律相談、委員会活動等従前からの諸活動を滞りなく行うことはもとより、法科大学院、法テラス、裁判員裁判等一連の司法改革によって始動した諸制度及び都市型公設事務所、ひまわりほっとダイヤル等市民と弁護士を結ぶ新たな制度を支え、ニーズに合わせて発展、充実させる決意を述べた。次に、新規登録会員受け入れの問題に触れ、修習期間が短縮された新規登録会員に対する指導、サポート、研修体制を充実させる必要性を指摘した。最後に、昨今の当会において、会員相互の関係、会と会員との関係が希薄化しているとの認識を示し、会員数1100名を超えた当会には、その規模に応じた組織、体制を整える必要があることを指摘して挨拶を終えた。
 その後、吉戒修一横浜地方裁判所所長、成田喜達横浜家庭裁判所所長、当会会員でもある千葉景子法務大臣、大場茂美横浜市副市長らからそれぞれ祝辞をいただき、瀧澤佳雄横浜地方検察庁次席検事の乾杯の音頭で懇親会に入った。
 最後は新理事者全員が出席者を見送り、今年度の懇親会も盛況のうちに幕を閉じた。

新理事者就任披露 来賓の方々(順不同・敬称略)
 
横浜地方裁判所長 吉戒 修一
横浜家庭裁判所長 成田 喜達
横浜地方検察庁次席検事
神奈川県政策局長 吉川 伸治
横浜市副市長 大場 茂美
横浜市広報相談サービス部長 小池 恭一
葉山町長 森  英二
神奈川民事調停協会連合会会長 高橋 理一郎
神奈川家事調停協会連合会会長 大久保 博
日本司法支援センター神奈川地方事務所所長 須須木 永一
横浜弁護士会懲戒委員会委員・横浜国立大学法科大学名誉教授 田中 利幸
横浜弁護士会綱紀委員会委員・関東学院大学法科大学院実務法学専攻主任 村田 輝夫
横浜弁護士会綱紀委員会委員・神奈川大学大学院法務研究科教授 栗田 陸雄
横浜弁護士会資格審査会委員・横浜国立大学大学院国際経済法学系博士課程後期国際経済法学専攻長  政明
横浜検察審査協会会長 井上 淳順
神奈川県警察本部警察本部長 渡辺  巧
神奈川県司法書士会副会長 鈴木 英夫
神奈川県司法書士会副会長 守屋  敦
神奈川県行政書士会会長 田後 隆二
日本公認会計士協会神奈川県会副会長 須田  均
東京地方税理士会会長 朝倉 文彦
神奈川県社会保険労務士会会長 山本  暁
社団法人神奈川県不動産鑑定士協会理事 鈴木  修
神奈川県土地家屋調査士会会長 海野 敦郎
神奈川県土地家屋調査士会境界問題相談センターかながわ運営委員長 奥田 一高
社団法人神奈川県建築士会常任理事 大橋 勇造
社団法人神奈川県建築士事務所協会会長 上原 伸一
社団法人神奈川県社会福祉士会会長 本多 洋実
社団法人神奈川県社会福祉士会事務局長 中西 一郎
横浜商工会議所理事 古田 正一
財団法人中小企業災害補償共済福祉財団理事 後藤  修
財団法人中小企業災害補償共済福祉財団神奈川支局長 井上 雅男
神奈川県消費者団体連絡会事務局長 丸山 善弘
神奈川県臨床心理士会会長 高木 秀明
NPO法人神奈川被害者支援センター理事長 榊原 高尋
財団法人神奈川県暴力追放推進センター専務理事 松島 金五
横浜地方裁判所委員会委員 テレビ神奈川報道政策局報道部長 嶋田 充郎
横浜家庭裁判所委員会委員 テレビ神奈川役員待遇経理総務 石井 徹夫
横浜国立大学大学院国際経済法学系国際社会科学研究科長 池田 龍彦
横浜国立大学大学院国際経済法学系国際経済法学系委員長 柳  赫秀
横浜国立大学大学院国際経済法学系法曹実務専攻長 今村 与一
神奈川大学大学院法務研究科研究科委員長 丸山  茂
関東学院大学法科大学院法務研究科長 松原  哲
桐蔭横浜大学法科大学院専攻長 西本 靖宏
朝日新聞横浜総局総局長 長  典俊
朝日新聞横浜総局 太田 泉生
朝日新聞横浜総局 波戸 健一
毎日新聞社横浜支局長 丸山 雅也
読売新聞東京本社横浜支局支局長 佐伯 和宏
神奈川新聞社編集局長 篠原 慎一郎
東京新聞横浜支局支局長 加藤 行平
時事通信社横浜総局 遠藤 達也
株式会社テレビ神奈川代表取締役会長 牧内 良平
株式会社テレビ神奈川代表取締役社長 小宮 邦安
株式会社テレビ神奈川取締役 宇井 良太
日本放送協会横浜放送局局長 壱岐 哲平
民主党・かながわクラブ神奈川県議会議員団団長 田中  肇
公明党神奈川県議会議員団団長 藤井 深介
日本共産党神奈川県議会議員団県議会議員 河野 幸司
神奈川ネットワーク運動県議会議員・共同代表 山本 裕子
社会福祉法人横浜市社会福祉協議会会長 齋藤 史郎
神奈川県人権擁護委員連合会会長 坂田 清一
日本労働組合総連合会神奈川県連合会事務局長 柏木 教一
神奈川県労働組合総連合議長 水谷 正人
法務大臣 千葉 景子
衆議院議員 中林 美恵子
衆議院議員 菅  義偉
衆議院議員 岡本 英子
衆議院議員 池田 元久
衆議院議員 首藤 信彦
衆議院議員 笠  浩史
衆議院議員 城島 光力
衆議院議員 中塚 一宏
衆議院議員 橘  秀徳
衆議院議員 本村 賢太郎
衆議院議員 河野 太郎
衆議院議員 浅尾 慶一郎
衆議院議員 甘利  明
衆議院議員 齋藤  勁
衆議院議員 志位 和夫
衆議院議員 古屋 範子
衆議院議員 松本  純
衆議院議員 三村 和也
衆議院議員 山崎  誠
衆議院議員 横条 勝仁
参議院議員 金子 洋一
参議院議員 小泉 昭男
参議院議員 牧山 ひろえ
参議院議員 松  あきら
参議院議員 水戸 将史
参議院議員 浜田 昌良

山ゆり
 朝、家を出て、駅までの坂道を早足で上りきると、目指す電車は改札口から遠い方のホームへ今まさに到着しようとしている。急いで改札口を抜け、跨線橋をダッシュで渡るも、ホーム到着と同時に電車のドアは無情に閉まり、次の電車の到着時刻を確認する。よくある私の通勤風景だが、この時期、電車までの道のりが険しくなる
ここは某大学の最寄駅。少なくとも履修届提出期限のころまでは、毎朝大学生の通学の流れに逆らって改札口から遠い方のホームにたどり着かなければならない。改札口に向かう細い路地や跨線橋の階段は降りてきた大学生であふれ、友人と待ち合わせて登校するらしいグループが何組か改札口付近で到着電車を待っている
「あ、もう4月か」と、坂道を下りてくる大学生の群れを見上げながらの独り言。この数年、桜の花やウグイスの声よりも、新理事者就任披露パーティーと、朝、坂道を見上げて目に入る光景で春の訪れを感じている こいのぼり
以上、友人たちと横に広がってダラダラ歩いていたころを思い出し、若さを少し羨みながら、大学生の流れに逆らって改札口から遠い方のホームへ急ぐある中年弁護士の春のつぶやきでした。
(久保 義人)

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