横浜弁護士会新聞

2010年5月号  −2− 目次

住まいも都内に 高橋理一郎日弁連副会長に聞く
〜日弁連副会長に就任されるにあたって現在のご感想は?
 大変な時期に責任ある仕事を引き受けてしまったなというのが正直なところですが、逆に言えば大変やりがいのある仕事です。1年間集中して取り組みたいと考えています。
 
〜日弁連副会長の仕事とはどういうものですか。
 日弁連執行部の政策を実行するため、担当委員会などに出席して執行部とのパイプ役になることや対外的な折衝を行うことが主な仕事です。正副会長会議が週1・2回、理事会が月2回、そのほか担当委員会などにこまめに出席する必要があります。
 
〜本当に激務ですね。ご自身の事件を行う時間はあるのですか。
 ほとんど毎日朝から晩まで霞ヶ関に通っていますので、自分の事務所で執務を取る時間がほとんどないのが実情です。通勤の便を考えて住まいも都内に移しました。
 
〜そこまでするのですか!ところで日弁連ではどのような分野を担当されていますか。
 弁護士業務改革関連、中小企業法律支援センター、法的サービス企画推進センター、日弁連リーガルアクセスセンターなどです。
 
〜特に力を入れていきたい分野はありますか。
 やはりもともと私自身が取り組んでいる「弁護士の業務基盤の拡充」ですね。弁護士の職域を広げることは、アクセスを拡充することでもあります。アクセスというと「裁判所へのアクセス」の議論に集中しがちですが、私としてはもっと広く「法の支配へのアクセス」と考えています。
 
〜主流派ではないといわれる宇都宮会長の元での執務という点ではいかがですか。
 特に問題はないですよ(笑)。副会長としては会長を補佐するのが仕事です。ただ、会長の理念には賛成できるものでも、細かい各論の部分では意見が相違する点もあります。
 
〜過払請求事件における弁護士の報酬トラブルが問題になっていますが、どう思いますか。
 業界全体が停滞するなかで若手に将来に対する不安感があるのだろうと思います。そのためにも業務基盤の拡充は重要ではないかと思います。
 
〜「夢も希望もある業界」であれば刹那的な利益追求には走らないだろうと…。
そういうことですね(笑)
 
〜最後に横浜弁護士会会員に対してのメッセージをお願いします。
 日弁連は、弁護士の将来にとって重要な役割を担っています。会員一人一人が積極的に弁護士の将来の問題を自分のものととらえ、日弁連の意思形成に積極的に関わって欲しいと思います。
 (インタビュー 会員 岩田 武司)

常議員会 正・副議長就任挨拶
大規模会の会内合意形成に向けて
議 長 小野 毅
 2009年度の高柳馨議長の後を受けて本年度の常議員議長に選任されました。修習は37期です。
 横浜弁護士会も、つい1年あまり前に1000名を超えたと言っていたら、既に1100名を超え、今年度中に1200名になると言われています。私が弁護士になった頃は約500名程度で、顔と名前がほぼ一致していたものですが、今では新しい会員の名前を覚えるまもなく、新しい会員が入会している状況です。それに伴い、ベテランの会員と若手の会員との意識の違いも、そこはかとなく見えてきているような気がします。
 このような中で、会内合意を形成する常議員会の重要性は増すばかりです。ベテランの方はもちろんのこと、若手の方からも意見を出していただき、活発な議論の上で、適切妥当な結論が出るように微力尽くしていきたいと思います。
 どうぞ1年間、宜しくお願いいたします。
激動の今、充実した議論を
副議長 宮澤 廣幸
 41期です。われわれの期では順番に常議員を出しておりますが、今年は私の番でした。今回で3回目になります。常議員会は重要な意思決定機関であることは自明であるし、41期の代表なのであるから真面目に務めなければならない、俺は「皆勤賞」だった…などと口うるさい仲間の声が聞こえてきそうであったので、今回は「サボ」らないようにしなければと思い始めていたところ、結局、「サボ」れないこととなりました。
 春の日弁連会長選挙は大騒動でしたが、われわれを取り巻く状況はまさに激動といった様相です。問題は山積しています。「人権の擁護と社会正義の実現」が現在ほど求められているときはないかも知れません。常議員会には優秀な会員が多く集い、水地執行部のリードのもと、ときに対立しながらも充実した議論を交わすことになります。「こんなはずではなかった」ということにはならないと勝手に期待しております。そのために、小野議長を少しでも補佐して、議論のしやすい議事進行を心がけたいと思います。1年間宜しくお願いします。

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