8月8日、霞ヶ関の弁護士会館及び東京地裁において、日弁連の主催により「第3回高校生模擬裁判選手権関東大会」が開かれた。参加校は全国から8校、神奈川県からは湘南白百合学園高校と公文国際学園高校の2校が出場した。 |
「高校生模擬裁判選手権」では、各校が弁護側と検察側とに分かれ、1つの刑事事件を素材にして、対戦校と「法廷でのやりとり」を競う。高校生には、冒頭陳述、証人尋問、被告人質問、論告、弁論、さらにはプレゼンテーションの方法も含め、その全てを考えてもらうため、準備には相当の時間と労力を要する。 |
過去2回の「模擬裁判選手権」は、いずれも湘南白百合が優勝しており、同校は3連覇の期待がかかった中での大会となった。一方、公文国際は、「第1回大会」の「準優勝」が最高順位であることから、今年こそはと、優勝を狙っていた。そのため、大会に向けての準備にも熱が入っていた。 |
迎えた大会当日、各校午前1試合、午後1試合が行われた。湘南白百合の対戦校は、午前は山梨学院大付属(山梨)、午後は早大学院本庄(埼玉)。公文国際の対戦校は、午前は桐朋(東京)、午後は日本学園(東京)であった。 |
試合を観戦した法教育委員会の委員によれば、公文国際の生徒たちは、入念な準備の成果を見せ、対戦校を圧倒する勢いであった。また、湘南白百合も、「さすがは湘南白百合」と、審査員を唸らせるほどの出来映えであった。 |
各校とも、死力の限りを尽くして、午前午後の長い戦いを終えた。 |
生徒たちが全力を尽くしたことで、「もはや結果なんかどうでもいい」と思いながらも、やはり「結果」は気になるところ。そして迎えた結果発表では、湘南白百合の優勝、公文国際の準優勝となった。湘南白百合は3連覇、公文国際も2年ぶりの準優勝、神奈川県勢2校による1位2位独占という、当会にとっても最良の結果となった。 |
大会後の生徒達のコメントはとても清々しく、公文国際の生徒は、優勝を逃した悔しさを胸にしまって「後輩たちに優勝を託したい」と気丈に笑った。湘南白百合の生徒は、周りの人たちへ感謝の言葉を述べ、3連覇のプレッシャーから解放されたためか、涙を流していた。 |
青春の一場面に立会いたいという先生には、来年の大会を観戦することを、是非お勧めしたい。 |
(法教育委員会委員 冬木 健太郎) |