3月19日、「経営難を乗り切るためのポイント〜中小企業再建のための法務・税務対策〜」と題して、シンポジウムと中小企業を対象とする無料法律相談会が開催された。これは、昨年に引き続き、中小企業への支援を強化するといった目的で、日弁連と歩調を合わせ開催したものである。 |
シンポジウムは、横浜メディアビジネスセンターで行われ、基調講演とパネルディスカッションの2部構成となった。 |
基調講演では、当会の仁平信哉会員が、会社を再建するために考えるべき重要ポイントや事業再生ADR等任意整理をするための複数の手続についてのメリット・デメリットなどを法的側面から講義した。税理士の方からは、融資なども含めた再建策を考えるにあたって、税務の面から見た考慮すべきポイントを講義してもらった。 |
基調講演に続くパネルディスカッションでは、横浜市の融資担当者にも加わってもらい、具体的な問題を指摘しつつ、融資制度を効果的に使った再建策など議論がされた。中小企業の経営に携わる方にはもちろんのこと、弁護士にとっても、具体的な話が多く、非常に参考になった。 |
弁護士会館で行われた無料法律相談会では、一般相談に加え、多重債務で苦しむ事業者のための相談会も企画された。一般相談では、債権回収や事業再生、企業統治等に関する相談が寄せられ、事業者の業務も製造業・運送業・アパート経営・コンサルタント・工事業など多岐に渡った。30分という相談時間であったが、相談者は概ね満足したようだった。 |
アンケートの回答に「内容が具体的で役に立ったのに、来場者が少なくもったいない」とあったように、来場者は40数名と、多くはなかった。年度末の決算期にあたり、多忙であったことの影響もあるが、まだまだ中小企業にとって弁護士が身近とは言えない状況であることを示すものである。 |
中小企業との連携について、業務改革委員会で引き続き検討したい。 |
(会員 畔柳 秀勝) |
昨年8月に開催されたサマースクールが大変好評であったため、県下の中高生を対象とする新しい体験企画を開催することとなり、スプリングスクールが、4月2日開催され、23名の生徒が参加した。 |
生徒達は、入学式に続き、刑事手続に関する事前講義を受けた後、当会会員の法律事務所を訪問した。法律事務所訪問では、弁護士の仕事のやりがい等を聞くことができ、生徒達にとって、貴重な体験となったようである。 |
その後、模擬接見が行われた。これは、生徒に架空の事件の新聞記事を読んでもらった後、生徒が当番弁護士になり、当会の法教育委員会委員が被疑者となって、接見をしてもらうという企画である。 |
今回の企画の目的は、模擬接見を行った後、被疑者から聞き出した事柄のうち何が重要と感じたか、その事柄が被疑者にとって有利に働くのか、不利に働くのかを理由を含めて生徒に発表してもらい、生徒全員で検討してもらうことをにより、法的な考え方を身に付けてもらうことにあった。 |
生徒にその意図が伝わるか不安であったが、生徒は、事前に準備された事柄にとどまらず、詳細な事柄まで聞き出そうと熱心に接見を行い、検討の時間には積極的な発表・発言が相次ぎ、企画の目的は十分に達成できたと思われる。 |
最後に、卒業式が行われ、自分の名前が書かれた卒業証書を手渡されると、生徒達は、嬉しそうに受け取っていた。 |
生徒達のアンケートでは、「模擬接見は、緊迫した空気の中でのやりとりがすごく楽しかった」「またこういう機会があったら参加したい」等嬉しいコメントが多く寄せられた。 |
法教育委員会としては、今後も、法教育の普及のため、積極的に活動していきたい。 |
(法教育委員会委員 細貝 嘉満) |