会員 湯沢 誠 |
日頃何気なく読んでいる横浜弁護士会新聞であるが、今回このコーナーの原稿を依頼されたため、改めてその意義、役割を考えてみた。 |
まず、想定されている読者は誰なのか。当会の弁護士なのかあるいは弁護士以外の読者なのか。もし、弁護士以外だとすれば、具体的にはどういう人達か。そのことによって記事の書き方なども考える必要があろう。記事をよく読んでみると、結論としては弁護士と弁護士会周辺の人達なのであろう。 |
弁護士には弁護士会の重要な議論や情報を伝え、また弁護士会周辺の人達たとえば隣接業界、自治体、経済界、労働界、大学関係者などの方々(具体的にいうと新理事者披露会に来られるような人達)には弁護士会の行っているさまざまな活動を理解していただき、あるいは弁護士会に対してより親しみを持っていただくということであろう。 |
前置きはそれくらいにして、以下、2007年10月号から2008年9月号までの新聞に対する批評である。 |
常議員会という言葉が再三登場するが、弁護士以外の読者に理解できるのか。毎号でなくてもいいと思うが、たまには文章のどこかに「弁護士会の意思決定機関である」という頭書を入れて欲しいと思う。その点では関東十県会の記事(8月号)にその説明があったのが良かった。関東十県会については若い弁護士の中にもその存在や位置付けを知らない人が多いのではないか。 |
2月号の米沢ひまわり基金法律事務所に勤務する弁護士の募集記事のタイトルが「御鷹ぽっぽとシーサーもお待ちしております」となっていたが、意味がわからなかったのは私だけであろうか。 |
07年6月号の「新聞批評」欄で松井宏之会員が新聞記事の見出しが重要であると論じていたが、同感である。ついでに同会員は写真の重要性も論じておられたが、ときおり、理事者を撮影した写真であるにもかかわらず、ピンボケのものがあった。新聞記事における写真の効用を考えるとき、今後注意していただきたいと思う。 |
全般的な感想としては、昔の記事と比較して相当興味を持てる内容になっていると思う。いつの間にか常議員会ニュースがなくなっていた。これも良かったと思う。基本的に弁護士のみを対象とする記事と思われるし、スペースの点からしても会員向けの常議員会速報で十分事足りるからである。正直言って記事の内容もあまり面白くなかった。以上が辛口の部である。 |
以下は甘口の部である。毎号誤字がまずないのは立派であると思う。 |
「山ゆり」にも感心している。時事的な話題を取り上げながら、法律的な視点を交えたまとめになっている内容が多いが、展開が巧で、毎号文章力に感心するばかりである。「私の独立した頃」、「私の事件ファイル」なども私の楽しみにしているコーナーである。 |