横浜弁護士会新聞

2008年5月号  −2− 目次


シンポジウム報告 あなたの会社の後継者対策は万全ですか? 中小企業が抱える事業継承問題対策
 3月7日、関東学院大学関内メディアセンターにて、中小企業経営者を対象として「中小企業が抱える事業承継問題対策〜あなたの会社の後継者対策は万全ですか?〜」と題して、岩田武司会員の総合司会でシンポジウムを開催した。
 シンポジウムは2部構成で行われ、前半の基調講演では、高橋理一郎会員が、中小企業問題に関するこれまでの日弁連や当会の取組みや、近時の事業承継に関する立法について概説したほか、なぜ中小企業において事業承継対策が必要であるのか、また事業承継において法務・税務面でどういったことが問題になるのかについて講演を行った。
 後半のパネルディスカッションでは、飯田直久会員が司会となり、事業承継に関係する各分野を代表して中小企業基盤整備機構から事業承継コーディーネーターの小松久男氏、横浜商工会議所から会社経営者の坂倉徹氏、税理士会から佐久間和子氏、当会から澤田久代会員がパネリストとなり、事業承継の現状と問題点、事業承継を円滑に行うための方策、事業承継における法務・税務面での専門家のサポートの在り方等について、活発に意見交換を行った。
 今回のイベントは、日弁連の中小企業全国一斉無料相談会・シンポジウムの一環として行われたもので、当会では初めての試みであったが、約80名の参加者で会場はほぼ満席となり、まずまずの成功であった。これは、後援を頂いた神奈川県商工労働部、横浜市経済観光局をはじめとする中小企業関連の団体や税理士会ほか他士業の団体の協力のおかげである。
 日弁連が公表した「中小企業の弁護士ニーズ全国調査報告書」によれば、中小企業経営者は、弁護士は敷居が高いあるいは費用が高いといった印象を強く抱いており、これが中小企業経営者の弁護士へのアクセス障害となっている。このような障害を克服するのは決して容易なことではないが、今後当会は、関係諸団体との交流・連携・協力を深めて中小企業支援の体制を築いていくとともに、専門実務研究会等を中心に企業法務に対応できる弁護士の養成に邁進していく予定である。中小企業支援活動への当会会員の主体的・積極的な参加を期待したい。
(会員 花井 貴浩)

常議員会 正・副議長就任挨拶

自由闊達な議事運営を心がけて
議長 星野 秀紀
 横浜弁護士会会則第四章(機関)第三節に、第63条から77条まで常議員会の規定があります。これらの規定を見ますと、常議員会は議長が招集するのは当然としても、招集は会長・副会長に通知しなければならないとか、会長・副会長は常議員会に出席して意見を述べることができるだとか、常議員会の議決に対し会長に異議ある時は会長は総会を招集してその決議の取消を求めることができるとか、執行部との対立を前提とするかのような規定が並んでいます。
 ところが現実は、執行部とことさら対立することはなく、かといって執行部に迎合するということでもなく、適当な距離を保って、会員の意見を代弁して、執行部を助け、かつ、お目付役となるという役割なのだろうと理解しています。
 今期常議員は27期を筆頭に59期まで、33期以下は各期に1人以上の常議員がいるという配置になっています。全支部からも出ています。派閥がない横浜弁護士会は、同期や支部の意見を積み上げて会員の意見集約とするという面があります。この意味で、それぞれの常議員は、同期や支部会員を代表するつもりで常議員会に出席し、意見を述べていただきたいと願っています。
 とりわけ若い期の常議員の皆さんには、わからないことはわからない、反対は反対、と質問・意見を自由に述べてもらいたいと思います。先輩常議員の言うことなど気にしないでください。各会員、各常議員は全く平等です。
 たまたま私は、会長が古くからの友人であり、副会長の一人は同じ事務所ですが、馴れ合いに陥ることなく、しっかりと常議員議長を務めさせていただきます。副議長の飯田さんも気心が知れた仲で、熱心に補佐してくれるはずです。
 私自身、もうこんな常議員会議長職に就くような年齢になったのだと感慨無量ですが、初めて常議員になったときの緊張感に立ち返って、自由闊達な議事運営を心がける所存です。
活発な議論の土台作りを
副議長 飯田 直久
 常議員は、記憶では今回で4度目になります。今期の常議員の面々を見ると、期順でいってもベストテン内、とうとう副議長を出す期までになってしまったかというのが実感です。常議員会の雰囲気はというと、私が初めて常議員になった頃は、特に若手は余り発言せず、最後は「慣例」にしたがって無難なところに収まるというのが“慣例”だったように思います。それに比べると、最近は、ベテランから若手まで、活発に意見が出るようになりました。今回も、口角泡を飛ばすというのは大袈裟ですが、手続を巡って議論が白熱しました。
 今年度には、当会の会員数も確実に1000名を超えると言われ、裁判員制度の実施が間近に迫り、司法改革も最終段階に近づいてきています。これからも、「慣例」では解決できない多様で新しい問題が出てくると思います。その解決の為にも、活発な議論、円滑な議事進行が必要となってくるでしょう。いつもにこにこしている星野議長の“癒し”の雰囲気にも乗せられながら、少しでもその舵取りのお手伝いが出来ればと思っています。
 また、遅筆な私としては、常議員会速報ついては、甚だ不安一杯なのですが、会員への重要な情報伝達の一つと考えています。速報性を重んじ、締め切りに間に合うように精一杯頑張りたいと思いますので、1年間よろしくお願い致します。

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