横浜弁護士会新聞

2008年2月号  −1− 目次


公益活動等ポイント制導入へ  12・4臨時総会で可決
 昨年12月4日に行われた当会の臨時総会で、公益活動及び委員会活動等の参加の公平化を図るための分担金制度が可決された。  
 この制度は平成21年度からの施行が予定されており、公益活動及び委員会活動等への参加が必要とされるポイント数に達しなかった会員には不足の程度に応じた分担金納付が義務づけられることとなる。
 負担の公平化を目指して
 この制度は、予め対象となる公益活動及び委員会活動等を定めた上で、それらの活動の参加にポイント数を設定し、年度毎に各会員の履行状況に基づいてポイントを算定するもの。
 年度における必要ポイント数に達しなかった会員には、不足の程度に応じた公益活動・委員会活動等分担金を当会に支払う義務が課される。
 同分担金の納付を怠った会員に対しては、当会会長から納付勧告が行われ、それでも支払わない場合には、当会会館に当該会員の氏名が公表されることとなる。
 なお、議案を提出した理事者からは、この制度は、公益活動等に参加しない会員に対する「罰金」としての制度ではなく、負担の公平化を目指すものであると説明された。
 臨時総会では、この制度の導入の可否を巡り、賛否両論が噴出した。
 公益活動等の重要性を踏まえつつ両論
 賛成派は、各会員が自主的に公益活動等に参加することが望ましいことを前提としつつも、平成17年度の調査で公益活動等を免除されていない会員のうち12・6%が全く公益活動等に参加していない現実が明らかになったことを受けて、弁護士の大幅な増加の時代には理念のみで全会員が平等に公益活動等に参加すると考えるのは楽観的すぎるとし、増大する公益活動等を全会員が平等に担うためには公益活動等に参加できない会員が分担金の形で増大する経費の一部を担うことが望ましいと主張した。また、増大する経費を「会費値上げ」という形で全会員から徴収するよりも、公益活動等に参加しない会員からの分担金で賄う方が公平であるとも主張された。
 これに対し、反対派は、こちらも公益活動等の重要性については賛成派と同様の認識であったものの、分担金を「罰金」と捉え、罰金を免れるために国選弁護や委員会活動等をやるようなことでは質の高い活動が期待できないことや、分担金の支払いを「免罪符」のように考える会員が出てきてしまうとかえって公益活動等が後退してしまうことなどを危惧した。また、思想信条に基づいて会務活動に参加しないという会員に対して分担金を課することが適当かという疑問も挙げられた。
 約8割の賛成で可決
 反対派からの疑問については、同じく最高12万円の分担金制度を既に導入している第二東京弁護士会では制度導入により一定の効果があったことが報告されるなどし、約8割の賛成で可決された。

横浜弁護士会10の決意可決 市民のための司法実現へ
 臨時総会では、「横浜弁護士会10の決意」も上程され、修正動議が出るなど激論が交わされたが、最終的には原案どおり可決された。
 司法改革実施段階における当会の基本方針を
 当会では、平成14年2月の臨時総会で市民の司法の実現に向けて当会を挙げて取り組むことを決議したが、それから5年以上が経過し、法科大学院や被疑者国選制度などが実際に始まるなど、司法改革は実施段階に入っている。そうしたことを踏まえ、プロジェクトチームでの検討や昨年9月26日の会員集会での議論などが行われ、今回の臨時総会に上程された。  
 解説部分に異論出るも可決
 議論は、賛成派、決意自体への反対派、決意を示すことには賛成しつつも解説部分へ反対する立場の3通りに分かれた。    
 賛成派は、市民から弁護士へのアクセス障害が依然として問題となる中で当会の方針を示すことが求められていること、実施段階にある司法改革が市民に十分に理解されていないことなどを理由に、当会が基本方針を示すことの必要性を唱えた。      
 反対派は、現状はまだ司法改革について検証すべき段階にあり多様な議論がある事柄について会として一定の立場を打ち出すべきでないなどと主張した。      
 これらの意見に対し、当会が決意を示す必要性については賛成派の意見を支持しつつも、解説部分については内容・表現等をさらに推敲する必要があるとして、原案の前文と解説部分を審議の対象とせず1〜10の決意の部分のみを決議すべきとの修正動議が出された。修正案提案者は、総会決議が当会執行部を拘束することに基づいて執行部の責任で解説部分を練り直すべきと唱えた。      
 この修正案にも約3割の賛成票が集まったが、平成14年の決議以降5年以上が経過し新しい決議が必要であることや、会内合意の手続を踏み議論を尽くした上で上程された議案であることなどから、最終的には約3分の2の賛成で原案のとおり可決された。
 「横浜弁護士会10の決意」は、資力の乏しい方も含めたすべての県民への司法サービスの充実、被疑者・被告人の権利擁護、司法過疎への取組み、法科大学院への支援、充実した法教育の実現、人権擁護活動の強化などを中心とした10項目とその解説部分とを一体として、当会の基本姿勢を市民に示すとともに、当会執行部及び各委員会に対してこの決意に沿って誠実に行動することを求めるものである。

山ゆり
 米所といえば新潟!と誰でもすぐに思い浮かぶが、地球温暖化で産地が北上し、北海道の米が生産高・品質ともに伸びているらしい。新潟では気温上昇に適した品種の改良に必死だそうだ。松茸も中国地方から東北地方へ産地が北上。ここ数年毎年大量発生してニュースになる巨大クラゲや、沖縄の珊瑚の白化も温暖化による海水温の上昇が原因だ
 1年前の話になるが、元F1ドライバーの片山右京氏が、天ぷら油の廃油から生成したバイオ燃料でパリ・ダカールラリーを走破した。今注目のバイオ燃料は、既に一般車のレベルでは軽油と何ら遜色ないクォリティに達しているとのこと
 天ぷら油のような植物油も燃やせば当然二酸化炭素が発生するが、その代わりに原料の植物の成長過程で吸収してくれる。また、軽油に比べて黒煙や硫黄酸化物などの排出量が少ない。天ぷら油のリサイクルにもつながる 恵方巻き
 各家庭や業者が使用済み天ぷら油を学校や公民館などに持ち寄るといったようなシステムを一度作ってしまえば、日本に巨大な「天ぷら油田」が誕生するかもしれない
 その前に、夜早く寝て電気を消すことも小さな温暖化対策か。じゃあ今日の仕事はここまでにしよう…。 
(喜多 英博)

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