横浜弁護士会新聞

2007年8月号  −3− 目次


理事者室だより(4)
副会長 中村 俊規
現理事者ってこんな人たち
 副会長になって3か月が経ちました。現在の心境を一言で言うと、とにかく面白いです。次々に直面する課題を、会員や事務局職員の皆さんの力を借りながら、何とか処理していく疾走感。若い会員の皆さんにも、今後是非味わってもらいたいと思います。
 ところで、日々の面白さの一端は、執行部のメンバーの個性にも負っています。そこで今回は、袋叩きに遭うのを覚悟で、現理事者の「素顔」を紹介したいと思います。
 山本会長……よく怒る。すぐ怒る。怒らなくてもいいところでも怒る。怒るけれど、全く後を引かないので、怒っても気にならない。やはり会長となる人物は違う。人間活火山。
 竹森副会長……付き合いが良い。すこぶる良い。こんなに良くて、家庭は大丈夫なのか? どんなに遅くまで付き合っても、翌朝は元気。竹森さんは2人いると思う。
 藤田副会長……黙っていると恐い。とても恐い。でも笑うと可愛い。飼っている猫の話をするときは一層可愛い。不思議な人である。怪人二面相。
 三嶋副会長……この人が動くと、コーヒーは溢れ、電話は床に落ち、机の上がみるみる書類で埋っていく。動かないで欲しい。食べ終わった愛妻弁当の箱をこっそり洗う姿には哀愁を感じる。
 伊藤副会長……神経質そうに見えるが、図太い。一番図太い。事務所は相模原だが、毎日のように理事者室に現われては、ニヤニヤ笑いを残して消えてゆく。不思議の弁護士会のチェシャ猫。
 こんな人たちですが、今期1年、力を合わせて乗り切りたいと思っていますので、どうか宜しくお願いします。

こちら記者クラブ 裁判への関心に応えるために
 私が初めて裁判を取材したのは今から7年前のこと。裁判所に行ったのも生まれて初めてで、「入っていいのかな?」とドキドキしながら法廷のドアを開けたものだし、法廷でうやうやしく連呼されていた難しい用語のほとんどが聞き取れないか、そもそも言っていることが理解できなくても、裁判ってそういうものと変に納得してしまったのを覚えている。
 それからわずか数年で今はまさに「裁判傍聴ブーム」。横浜地裁でも興味と関心を持って法廷に通い詰めている人たちを目にすることが多い。世の中は裁判をテーマにした映画が作られてヒットしたり、深夜のテレビ番組で「裁判傍聴」をネタにしたコーナーが設けられたり、いろんな傍聴記をまとめた本が出版されたり……だ。しかもどれも結構おもしろい。どこまで制度を理解しているかは別として、「今後、裁判員に選ばれるかもしれない」というのは多くの人が知っているし、「裁判って意外におもしろい」というのが広まっているのは確か。その上、以前に比べて「ちょっと見てみよう」と思った人を飽きさせない裁判に実際変わってきている。検察官や裁判官がハキハキと易しい言葉を選んで話すようになったし、そもそも裁判所が主催して裁判手続きの解説までしてくれる「傍聴ツアー」まで登場している。この数年間の変化には驚かされる。
 そんな中、少しも変わらないのは私たちではないかと最近思っている。毎日のようにニュースに登場する裁判原稿のスタイルは私が最初に取材した7年前と全く同じ。裁判は記事としては大きく扱われることが多いけれど、読んでみて、聞いてみて、「おもしろい」「へぇ」と思わせるようなものが案外少ない。そして大抵わかりづらくて事件の概要や判決の中身が十分に理解できる、というのが少ない。それは限られた字数で何とか詰め込もうとするあまり、どうしても難しい言葉の羅列になりがちだからだ。そもそもなかなか「おもしろく」できない類のニュースだし、気を配るべきことが多いからどうしても金縛りにあったような原稿になってしまう。高まる裁判への興味と関心に応えるためにも、私たちも裁判報道の仕方に変化と工夫が必要だと感じてはいるが、これが結構難しい。もちろん変わってはいけない部分もたくさんあるのだけれど、もっとわかりやすくて「おもしろい」原稿が書けないか。そのためにはもっともっと取材力と原稿力が求められているのだと奮起する毎日だ。
(実はもう一人以前と変わらないのは弁護士だと、思っているのだけれど…)
NHK横浜放送局  若槻 真知

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