大村武雄会員、川島清嘉会員に続き当会から3人目の司法研修所教官(刑事弁護)に大木孝会員が就任した。 |
教官就任の動機は |
漠然とした形では弁護士登録の当初から司法研修所での後進指導に携わってみたいという夢はありました。 |
登録後、市民法律講座での講師や法科大学院での授業に従事する中で、分かり易い図解、分かり易い例え話が効果的であるという確信を得て、漠然とした夢が徐々に具体的なものへと変わってきました。 |
そんな中、周囲の方々からの薦めもあって、司法研修所教官の大任に就くことになりました。 |
教官としての執務状況は |
6月以降に実施される起案資料の作成にあたっていますが、1本の白表紙起案のためには教官室の合議が10数回にわたって重ねられ、講義テキストや模範弁論要旨を揉みに揉んでいくという作業が行われます。 |
特に刑事弁護教官室は新人教官に対するスパルタ式の教育が伝統で、合議の中で厳しい批判・検討に耐えるためには相当な準備が必要になります。 |
週に1日か2日は和光市の司法研修所か霞が関の日弁連会館で合議が行われ、9時過ぎまで議論を交わすこともしばしばあります。 |
今後の抱負は |
激しい議論が飛び交う刑事弁護教官室の合議ですが、雰囲気に慣れるにつれ、図解等を駆使した自分のスタイルが周りにも浸透し、「大木色が出てきたね」と言われるようになってきました。 |
当会からの12年ぶりの教官として「なんだ、わざわざ横浜から来て大したことないな」などと他の教官に言わせる訳にはいかないので、非常に気合は入っています。 |
できれば色々な意味で「伝説の教官」と言わせたいと思っています。 |
会員に対して一言 |
今回の教官就任にあたっては多数の先生方にご尽力いただき本当に感謝しています。 |
また、私を快く送り出してくれた事務所のスタッフにもこの場を借りてお礼を言いたいと思います。 |
私より期の若い会員も、私のように酒好きのチョイ不良(ワル)親父でも教官になれるということで、是非自信をもって司法研修所教官を含めご自身の目標に向って前進していただければと思っています。 |
法廷小説・映画がお好きとうかがっていますがお勧めの作品はありますか |
色々ありますが海外の作品には緊迫感あふれる良質なものが多数あります。 |
小説では「情況証拠」(スティーブ・マルティニ)がお勧めです。 |
また、映画ではやはり「12人の怒れる男」でしょうか。証拠構造を学ぶ最良の素材と言えますし、何と言っても「理」が皆を動かすというストーリー自体が刑事弁護に携わる者としてたまりません。 |
激務の中、快く取材に応じてくれた大木会員であった。後進の法律家の養成という創造的な作業にあたる喜びに満ちた表情が印象的であった。 |
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