台風一過の9月7日夕刻、大桟橋を眼下に見下ろす地上38階の横浜ランドマークタワー法律事務所にお邪魔して、黒田和夫会員と公私共にそのパートナーである黒田陽子会員にお話を伺った。 |
黒田和夫会員、黒田陽子会員、高田涼聖会員、小倉孝之会員らが中心となって平成14年4月に弁護士6名体制でスタートした同事務所は、この9月から弁護士9名での執務体制となっている。当会としては大規模な事務所であるが、弁護士全員が一つの執務室に机を並べている。誰が何をしているかを弁護士相互が把握できること、新人弁護士にとっては先輩弁護士達の仕事のやり方を見たり、議論を聞いたりしながら実務のノウハウを学ぶことができることを重視した執務体制とのことである。 |
この弁護士執務室と事務局とは壁で仕切られ、相互に様子を視認できない構造になっている。そこで、通常の事務連絡等はネットワークを構成する事務所内のパソコン間でのメールが活用されている。このメールを受信したパソコン画面上にはそのメールが最優先に表示されるので、在席していれば直ちに応答できるという仕組みである。スケジュール管理についても、各自のパソコンの予定表と全体の予定表が連動して、事務所全体のスケジュールが一覧できるように工夫されている。 |
弁護士が事務局に事務を指示する場合、弁護士は各自のパソコン内の指示書に必要事項を書き込んで印刷し、それを必要資料とともに回覧板のような板に挟んで事務局の所定の場所に置く。事務局では、手の空いた者から順次その板を受け取って事務を処理し、その事務を指示した弁護士のパソコン内の指示書に進行状況等を書き込んで報告する。従って、特定の事件ないし弁護士を担当する事務員は存在しないが、弁護士はいつでも当該事務の進行状況を確認できる。 |
これらは一例であり、紙幅の関係上、今回紹介できなかった種々の工夫が随所になされている。このようにして、弁護士の人数が増えることにより等比的に増える人的関係(リレーション)をスムーズに効率的に処理するためにOA化を進めているとのことである。そして、そのアイデアを出したり、システムを構築したりするのは黒田和夫会員ご自身とのこと。鉄道模型を制作されるという機械好きな同会員の頭の中にはまだまだたくさんのアイデアが出番を待っているようである。 |