始めに三嶋副会長から同決意の制定趣旨が説明された。
同決意は司法制度改革審議会意見書を受けて2002年に決議された「市民の司法の実現に向けて横浜弁護士会をあげて取り組む決議」を引き継ぐものである。同決議から5年が経過し、法科大学院や法テラスが動き出し、被疑者国選制度などの新制度が実施されるなど、司法改革が実践されてきた。そのような時期に、改めて県民に対して当会が進むべき道を表明することが重要と考え、決意案を作成するに至った。また、本決意を提示することで、各市区町村から当会の具体的活動に対する理解を得ていきたい。 |
決意表明自体に疑問の声も
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理事者からの趣旨説明を受け、同決意に賛成する立場からは(1)市区町村には、当会の法律相談等の活動は認識しているが、公益活動には充分な理解が得られていない、今後、当会が何かをするにあたり、議員や市民の協力が必要なこともある、その時に当会の活動に対する理解を得ておくことは必要(2)弁護士会は市民のための団体であり、当会の活動を対外的にわかりやすく公表し、批判を受けることも重要(3)大量増員時代を迎え、会員の公益活動への関心が薄くなる恐れもあるため、会を挙げて決意することが重要(4)決意内容は、当会の多くの会員にとって一致した方向である(5)意見は様々あるだろうが、だから何もしないということではいけない、と決意の有意性を認める意見が出された。
他方で(1)決意というものは、各人が行うべきもの、当会の決意として表明すれば各会員や各委員会の活動が拘束される(2)弁護士会が何をしているかを示すのであれば活動内容報告を作れば済む(3)弁護士会は強制加入団体であって方向性を固定化するような議論はすべきでない、と決意表明自体に反対する意見も多く見受けられた。 |
人権に関する項目が軽視されているとの声も
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決意することに賛成する立場からも決議内容には様々な意見が述べられた。
(1)当会がどこへ向かうべきかという議論は必要であるが、当会が今抱えている問題、本当に打開すべきものは何かという議論をもっとすべきである(2)司法改革関連の項目と比べ、女性や高齢者等、重要な問題がひとまとめにされており、バランスを失している(3)人権、個人の尊厳に係る重要な項目を後半に記載すべきではない(4)一部の解説には統計データの記載しかなく、市民の理解を得るためには過去の当会の活動を紹介すべきである、と司法改革に関するものとそれ以外の項目間のバランスに関し、批判的意見が集中した。また、司法改革の流れを受けての決意であれば、それだけに特化すべきではないか、との意見も出された。
その他、当会が改憲を一切否定する立場と誤解されないような解説にして欲しいとの意見等、多様な論点が提示された。 |
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