より広い範囲での国選付添人制度 |
11月1日から、家庭裁判所での少年審判において、裁判所の裁量により、少年に国選付添人が選任されることになる。対象となる事件は、故意の犯罪で被害者が死亡した事案(殺人、傷害致死など)、および、死刑、無期、もしくは短期2年以上の懲役・禁錮にあたる罪(強盗、強姦など)である。従来は、非行事実に争いがあり、検察官が審判に関与する場合に限って国選付添人が選任されていたが、全国的にみてもその数はごくわずかであり、横浜家庭裁判所管内では1件もなかった。それが、今回の法改正では、「適切な処遇選択」と「身体拘束中の少年に対する援助」という見地から、検察官の関与とは無関係に、より広い範囲での国選付添人選任が認められることとなったものである。 |
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年間の想定事件数は、本庁50件、各支部10数件程度の見通し |
横浜家庭裁判所管内における対象事件数は、本庁で年間約50件、各支部ではそれぞれ年間数件から10数件程度と見込まれている。少年による重大事件は、少年人口の総数とともに年々減少傾向にあるものの、集団事件の発生により一気に対象事件数が増加する事態も想定される。弁護士会としては、十分な対応態勢を整えることが求められている。 |
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国選付添人の積極的な受任を! |
国選付添人制度の対象事件は、被疑者国選弁護の対象(短期1年以上)であるから、まずは、被疑者段階で国選弁護人に選任された弁護士が、審判段階でも国選付添人に選任されることが最も重要である。さらに、対象事件で弁護人が選任されていなかった少年については、観護措置決定がなされた後、弁護士会で作成した名簿に基づき、迅速かつ適正に国選付添人候補者の指名・通知が行われる必要がある。 |
国選付添人候補者の指名・通知は、日本司法支援センターの業務である。会員各位には、センターとの国選付添人契約を締結のうえ(個別事案を受任する際でも契約締結は可能)、積極的に指名に応じていただきたい。特に、少年の被疑者国選弁護人に選任された場合には、家裁送致後も国選付添人として活動を継続していただくよう、お願いする次第である。 |
子どもの権利委員会 委員長 山 健一 |