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会長声明・決議・意見書(2022年度)

相模原市で差別感情を煽る言動が繰り返されていることについて憂慮し、これを規制するための同市における条例制定を支持する会長声明

2022年05月20日更新

相模原市では、相模原市人権尊重のまちづくり条例(仮称)制定に向けて、相模原市人権施策審議会において議論が継続されています。ところが、同審議会における外国籍委員の発言を受けて、特定の民族に対する差別感情を煽るような街頭スピーチが繰り返されています。

表現の自由の重要性は言うまでもなく、また、街頭における言論の自由も保障されなければなりませんが、特定の人種や民族に対する差別を煽ることはあってはなりません。

さらに、上記の街頭スピーチは、同審議会委員に外国籍委員が含まれていること自体が問題であるとも非難していますが、そもそも、同審議会の委員は、(1)学識経験のある者、(2)市の住民、(3)関係団体から推薦された者のうちから市長が委嘱するとされており、外国籍委員を除外する法令の定めはありません。また、同審議会は、人権施策の推進に関する重要な事項について、市長の諮問に応じて調査審議し、その結果を答申し、または意見を建議する目的で設置されています。そして、外国人をめぐる問題が重要な人権課題であることからすれば、委員に外国籍委員が含まれていることは何ら問題ないばかりか、むしろ外国籍を含む市民の意見を十分に反映するという観点からも有意義なことです。したがって、上記の街頭スピーチの言い分には理由がありません。

当会は、2021年3月25日、「川崎市でヘイトスピーチ等が止まないことを憂慮し、川崎市に対し、条例に基づくより一層の取り組みを求め、相模原市における条例制定を支持する会長声明」を公表しましたが、今なお相模原市で差別感情を煽る言動が繰り返されていることについて深く憂慮するとともに、あらためて、相模原市がヘイトスピーチを規制するための条例を制定しようとしていることについて高く評価いたします。

当会は、「一人ひとりが、かけがえのない個人として尊重され、お互いの人権を認め合う共生社会の実現」という相模原市人権施策推進指針に賛同し、今後も、相模原市と協力し、差別のない社会に向けて積極的に取り組んでまいります。

 

2022年5月19日

神奈川県弁護士会

会長 髙岡 俊之

 

 
 
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