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大阪高裁旧優生保護法違憲判決を受けて、更なる被害救済の実現を求める会長談話
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大阪高裁旧優生保護法違憲判決を受けて、更なる被害救済の実現を求める会長談話
2022年03月07日更新
2022年2月22日、大阪高等裁判所は、旧優生保護法の違憲性を前提に、国に対し、優生手術の被害者である控訴人らに対する損害賠償責任を認めました。全国で行われている旧優生保護法をめぐる一連の裁判の中で、初めて国に賠償責任を認めた、多くの被害者らの被害回復につながる画期的な判決です。
同判決は、旧優生保護法の人権侵害が強度であること、憲法の趣旨を踏まえた施策を推進すべき地位にあった国が、正反対に、優生政策によって障害者に対する差別・偏見を正当化・固定化、更に助長してきたこと、これらに起因し、被害者らに訴訟提起が困難な環境が存在したことを理由に画一的な除斥期間の適用を制限し、被害回復の途を開きました。
本判決は、優生手術による権利侵害が、単に身体的な侵襲にとどまらず、一方的に「不良」との認定をされ、非人道的かつ差別的な烙印を押されたともいうべき状態におかれたことにも及ぶ旨認定し、個人の尊厳が著しく損なわれたと断じています。優生手術の被害者の中には、いまだ、非人道的かつ差別的な烙印を押されたことにより、訴訟提起が困難な環境の渦中にいる方がいることが懸念されます。
国は、本判決が、国自らが被害者の被害回復を妨げてきたとして、国の責任を正面から認めたことを重く受け止め、上告せず、控訴人らへの早期の賠償の実現を果たすべきです。あわせて、本判決における損害額の評価や配偶者に損害を認めた点などに鑑み、被害回復として不十分である「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」の見直しに即時にとりかかるべきです。
当会は、旧優生保護法下及び国の優生政策によって、社会の中の障害者に対する差別・偏見が助長されたことで、司法に対し、被害回復を求めることができなかった、そして、現在もできないでいる優生手術の被害者の方々に対するあまねく被害回復の実現に向けて尽力し、差別・偏見のない共生社会の実現に努めることを改めて表明します。
2022年3月7日
神奈川県弁護士会
会長 二川 裕之
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