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会長声明・決議・意見書(2021年度)

新型コロナウイルスのワクチン接種について、接種しない人への差別等を防ぎ、副反応についての十分な情報の公表を求める会長声明

2021年11月12日更新

当会は、政府に対し、新型コロナウイルスのワクチン接種について、個人の自己決定権が最大限尊重されるよう配慮した広報や対策を行うことにより、ワクチンを接種しない人への差別等を防ぐこと、および、ワクチン接種による副反応について十分な情報をよりわかりやすく積極的に公表することを求めます。

  1.  現在、政府は、新型コロナウイルスワクチン接種を強く推進しています。
     しかしながら、本来接種するかどうかは任意であり、個々人の自己決定に委ねられるべきものです。このことは、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案に対する附帯決議でも「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること」「新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじめ、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと」とされているところです。
  2.  しかし、本年5月14日・同月15日および10月1日・同月2日に日弁連が実施した「新型コロナウイルスワクチン予防接種に係る人権・差別問題ホットライン」には、ワクチンを接種しないことによって、職場や学校などにおいて、不利益な取り扱いを受けたとの相談が多く寄せられました。
     また、政府は、今後、社会経済活動の正常化に向けた取り組みとして「ワクチン接種証明書」を国内でも積極的に活用していくことを検討していますが、その運用次第ではワクチン接種をしない人・できない人に対する不利益な取り扱いがさらに拡大する懸念もあります。
     したがって、ワクチン接種については、個人の自己決定権が最大限尊重されるよう配慮した広報や対策を行うことにより、ワクチンを接種しない人への差別等を防ぐ必要があります。
  3.  また、予防接種では、副反応が生じる可能性があり、実際これまで行われてきた他の予防接種においても、重篤な被害が生じた例がありました。特に現在承認されている新型コロナウイルスワクチンは、「特例承認」によるものであり、承認時において長期安定性等に係る情報は限られています。
     このようなことからすれば、政府は、個人の生命・身体の安全や自己決定権の尊重という観点から、新型コロナウイルスワクチンの副反応について、十分な情報をよりわかりやすく積極的に公表する必要があります。
  4.  以上を踏まえ、当会は政府に対し頭書のとおり、求めます。

 

2021年11月11日

神奈川県弁護士会

会長 二川 裕之

 

 
 
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