2021年10月13日更新
2021(令和3)年7月19日
綾瀬市議会 議長 橘川 佳彦 殿
横浜市中区日本大通り9番地 神奈川県弁護士会 会 長 二川 裕之
第1 陳情の趣旨
「藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設すること、そのための人的物的体制を確保し、その予算措置を講じることを要望する。」旨の意見書を、貴議会より、最高裁判所、内閣総理大臣、財務大臣、法務大臣に提出していただきたく、陳情します。
第2 陳情の理由
超高齢社会を迎え、成年後見関係事件をはじめとする家事事件は増加の一途をたどっています。成年後見のほか、離婚や相続など、家庭に関する事件を取り扱う裁判所は家庭裁判所ですが、神奈川県には、横浜市中区に横浜家庭裁判所の本庁があり、川崎、小田原、横須賀、相模原に支部があります。そのほか、県内には、11ヶ所に簡易裁判所があり、綾瀬市の最寄りには藤沢簡易裁判所がありますが、簡易裁判所では家庭に関する事件を取り扱いません。そのため、綾瀬市民が家庭に関する問題を抱え、裁判所を利用しようとすると、本庁まで出向く必要があります。
綾瀬市でも、65歳以上の高齢者の占める割合が年々高くなっており、高齢化が進行しています。今後も、成年後見関係事件や相続に関する問題が継続して発生することが見込まれます。しかし、綾瀬市の最寄り駅の一つであるさがみ野駅から藤沢簡易裁判所までは約35分であるのに対し、横浜家庭裁判所本庁までは約45分を要し、自動車を利用しない高齢者にとっては気軽に利用できる距離ではありません。また、自動車を利用する場合も、地域差はあるものの綾瀬市役所から藤沢簡易裁判所までは一般道路使用で約35分であるのに対し、横浜家庭裁判所本庁までは、一般道路使用で約64分(高速道路を利用しても約48分)を要し、横浜家庭裁判所本庁より藤沢簡易裁判所の方が短時間で行くことができます。平成28年に施行された成年後見制度の利用の促進に関する法律においても、家庭裁判所の体制の整備が求められていることからすると、このような問題の解消は喫緊の課題と言えます。
現在、神奈川県内には家庭裁判所の出張所はありませんが、全国的にみると、家庭裁判所の出張所が簡易裁判所に併設されている例は77か所もあります。
そこで、藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設し、そこで成年後見関係事件の審判や離婚、相続の調停などを行えるようにし、本庁まで出向かなくても、身近な裁判所で家庭に関する問題を解決できるようにすべきです。藤沢簡易裁判所管内(藤沢市・茅ケ崎市・大和市・海老名市・綾瀬市・高座郡)の法律事務所で業務を行う弁護士は、令和3年6月末現在では111人に達しており、当地の市民の需要に応えられる態勢は整っております。
以上の理由から、地方自治法第99条の規定により、貴議会の意見書を最高裁判所及び関係大臣に提出していただきたく陳情します。
このページの先頭へ