2018年12月27日更新
本日、強盗殺人罪で死刑が確定していた2名について死刑が執行された。
2018年に入ってから死刑が執行されたのは合計15人目となり、法務省が執行の人数を公表し始めて以来、2008年と並び最多となった。
死刑は国家が人間の生命を奪う究極的な制度であり、刑事裁判が誤判の危険性をはらむことに鑑みれば、取り返しの付かない結果を招く危険性がある。ところが今回、死刑が執行された2名のうち1名は再審請求中であったにもかかわらず、死刑が執行された。しかも、現在の死刑執行については、いまなお多くの情報が非公開とされており、国民に情報が十分に届けられることもない。
他方、2017年12月末日現在、法律上または事実上の死刑廃止国は142か国に及び世界の3分の2以上を占めている。しかも、実際に死刑を執行した国はさらに少なく、同年の死刑執行国は日本を含め23か国のみである。
当会は、本年7月の死刑執行を受けて、同月11日に死刑執行に抗議する会長声明を、同月26日に会長談話を発出し、廃止に向けた情報の開示、全社会的な議論と検討の開始及びその間の死刑執行の停止を求めた。
しかし、今回の死刑執行は、かかる意見を顧みることなく繰り返しなされたものであり、極めて遺憾である。
当会は今回の死刑執行に改めて抗議し、政府が死刑の廃止に向けて広く情報を開示し、全社会的な議論と検討を開始することを求めるとともに、その間すべての死刑執行を停止することを重ねて求める。
2018年(平成30年)12月27日
神奈川県弁護士会 会長 芳野 直子
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