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会長声明・決議・意見書(2017年度)

藤沢簡易裁判所及び厚木簡易裁判所への家庭裁判所出張所の設置を求める会長声明

2018年03月14日更新

 横浜家庭裁判所(本庁及び支部全体)の家事事件総数の新受件数は,平成15年は4万1209件のところ,平成28年は7万0125件と増加の一途をたどっている。中でも,超高齢社会を背景とし,成年後見関係事件の新受件数(後見・保佐・補助開始の審判等の合計)は,平成15年は1645件のところ,平成28年は3193件と倍増している。

 神奈川県内においては,藤沢簡易裁判所管内(藤沢市・茅ケ崎市・大和市・海老名市・綾瀬市・高座郡)の人口は約117万人,厚木簡易裁判所管内(厚木市・伊勢原市・愛甲郡)の人口は約37万人に達し,今後も,管内で成年後見関係事件や離婚,相続に関する問題が継続して発生することが見込まれる。しかし,電車を利用した場合,徒歩時間も含めた藤沢市の中心部から横浜家庭裁判所本庁までの所要時間は約50分,厚木市の中心部から横浜家庭裁判所小田原支部までは約1時間を要することから,自動車を利用しない高齢者にとっては気軽に利用できる距離ではない。それぞれの管内にはさらに遠方の地域もあることを考えればなおさらである。平成28年に成立,施行された成年後見制度の利用の促進に関する法律において,家庭裁判所の体制の整備が求められていることに鑑みれば,このような問題の解消は喫緊の課題といえる。

 そこで,藤沢簡易裁判所,厚木簡易裁判所に家庭裁判所出張所を設置し,そこで成年後見関係事件の審判や離婚,相続の調停などを行えるようにし,本庁ないし小田原支部まで出向かなくても,身近な裁判所で家庭に関する問題を解決できるようにすべきである。

 家庭裁判所出張所が独立簡裁に併置されている例は全国で77か所あり,神奈川県内においても,平成6年に横浜家庭裁判所相模原支部が設置されるまでは,相模原出張所が存在し,市民に身近な場所で家庭に関する問題を解決する窓口になっていた。

 平成30年2月現在,藤沢簡易裁判所管内の法律事務所で業務を行う弁護士は95名に,厚木簡易裁判所管内の法律事務所で業務を行う弁護士は33名に達しており,当地の市民の需要に応えられる態勢は整いつつある。

 そして,藤沢市議会,茅ケ崎市議会は藤沢簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設するよう求める意見書を,厚木市議会,伊勢原市議会は厚木簡易裁判所に家庭裁判所出張所を併設するよう求める意見書をそれぞれ議決しており,当地の市民もこれを要求している。

 以上により,当会は,藤沢簡易裁判所及び厚木簡易裁判所にそれぞれ家庭裁判所出張所を設置するよう求めるものである。


2018年(平成30年)3月8日
神奈川県弁護士会      
会 長  延 命 政 之

 
 
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