2017年12月26日更新
今般,特定の団体が,神奈川県弁護士会所属弁護士全員を懲戒することを求める書面を,約1,000名からとりまとめ,神奈川県弁護士会に送付しました。
しかしながら,これらの書面は,日本弁護士連合会が会長声明を発したことを理由とするもので,弁護士法に基づき個々の弁護士の非行を糾す弁護士懲戒制度にはそぐわないものです。
このため,神奈川県弁護士会は,これらの書面を,この声明に対する反対のご意見としては承りますが,懲戒請求としては受理しないことといたしました。
弁護士は,弁護士法第1条に基づき,基本的人権を擁護し,社会正義を実現することを使命としており,訴訟や提言等を行うことで,ときには国家権力と対峙しなければなりません。もし国家権力が弁護士に対する懲戒権限を有すると,このような活動が萎縮し,基本的人権の擁護がままならなくなるおそれがあります。このため,弁護士会には自治権が認められ,弁護士に対する懲戒権限は,弁護士会が有しているのです。
市民のみなさまにおかれましては,このような弁護士懲戒制度の趣旨をご理解下さるようお願い申し上げます。また,神奈川県弁護士会といたしましては,懲戒権限を引き続き適正に行使する所存です。
2017(平成29)年12月26日 神奈川県弁護士会 会長 延命 政之
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