今般、子どもの権利委員会は、子どもの人権相談に関与するうえで必要となる基礎的な情報・スキル獲得に役立つことを目的として、3回連続で研修会を行った。 |
1回目は、6月3日に「いじめの実態・被害者の気持ち」というテーマで、いじめ問題に取り組んでいるNPO法人ジェントルハートプロジェクトの小森美登里氏、武田さち子氏を招き、学校でのいじめの実態の話を聞いた。 |
そして、子どもたちが、いじめによって深刻な状況に追い込まれることを踏まえ、被害者の側に立って保護する必要があることなど、子どもの人権相談において、いじめの事件が持ち込まれた場合に相談員が知っておくべき基礎的な情報を得ることができた。 |
2回目は、6月13日、「いじめ事件等に関する学校交渉のノウハウ」というテーマで、第二東京弁護士会色川雅子弁護士から、同氏所属の委員会が作成したビデオを見ながら、いじめの事件を題材に弁護士が関与して学校交渉を行う場合のノウハウや注意点などの解説を受けた。 |
いじめの被害にあった子どもへの対応の仕方から学校交渉における基本姿勢まで、詳細な説明があり、特に、学校は敵対する相手方ではなく、共に問題を考え解決していく存在であるということは、心に留めておかなければと思われた。 |
3回目は、6月29日に「学校問題に関与する上での基礎知識」というテーマで、それまでの1回目、2回目の上記研修を総括するような形での研修が行われた。これまで全く学校問題に弁護士として関与したことのない人にも、全体的なイメージを描くことができるようにという観点から、Q&Aが組み立てられ、各パネラーが質問に答える形で行われた。 |
Q&Aの後の出席者との質疑においても、実際の案件を通した質問があり、いじめ問題への対応の具体的示唆のほか、いじめ問題に内在する困難とその解決への可能なアプローチを共に考えるひとときとなった。 |
(会員 彌重 仁也) |