新62期 会員 鈴木 真 |
4冊のノートがある。弁護士になった当初から、日々学んだことやボスからの教えを漏らさず記録しているものだ。 |
そして、このノートには備忘録としての役割のほかに、もう一つ役割がある。私にとっての「仕事をする喜び」を記録する役割だ。 |
もともと私は会社に勤務していたが、組織が大きすぎて誰のために仕事をしているのか、やりがいを感じられなかった。自分を頼りにしてくれる依頼者のために働きたいと思い、職を辞して弁護士となった。そんな私にとって、依頼者の方々の言葉こそが仕事をする喜びなのだ。 |
そう。私のノートには、依頼者の方々からの手紙が綴じられている。 |
とある受刑者から来た手紙には「留置所に何度も足を運んでくれたのも、裁判の予行練習をやってくれたのも、先生が初めてでした。本当にありがたく、感謝しています」という言葉が。 |
また、とある民事事件の依頼者から届いた手紙には「お陰さまで疎遠だった兄弟達とも連絡を取り合う仲になり重ねて感謝致しております」との言葉が記されている。 |
今、こうして依頼者の方々に喜んでもらえること、そしてそれを意気に感じて仕事ができることに感謝して日々を過ごしている。 |
これから先、ノートが数十冊になり数百冊になったときも、依頼者の方々からの言葉を、仕事をする喜びと感じて仕事をしていたい。そして、ノートを再び開いた時、今と同じく弁護士という仕事を好きでいたいと思う。 |