1月30日、横浜市開港記念会館と当会会館において恒例の弁護士フェスタが開催され、前回を上回る約550名の参加者でにぎわった。
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今回のフェスタでは、家庭内の紛争などに巻き込まれた市民に利用しやすい機関である家庭裁判所に焦点を当てた。
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劇「あなたの家庭は平和ですか? 〜行ってみよう家庭裁判所〜」 |
メイン会場の開港記念会館講堂では、テーマに沿う形で、家庭裁判所における紛争解決の流れを紹介した劇が2幕構成で上演された。 |
第1幕は、遺産全ての取得を主張する長男に不満を持つ他の相続人が遺産分割調停を申立てたという事案で、第2幕は、浪費癖の夫に耐えかねた妻が離婚調停を申立てたという事案であった。いずれの事案も、最初は感情的になっていた当事者が調停期日を経る中で、調停委員から説得を受け、次第に紛争が解決していく様子がリアルに演じられた。
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今回もまた当事者、調停委員、審判官の役に扮した会員や司法修習生の好演ぶりが目立ったが、とりわけ代襲相続人が待合室にいる母(非相続人)に尻を叩かれて権利を主張する場面や慌ただしく部屋を入退出する審判官の様子は会場の笑いを誘った。劇の合間には法律用語等の解説が入り、一般の方にも内容が十分に理解しやすいものとなった。今回の劇も大成功に終わった。
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パネルディスカッション |
劇の後には、「期待される家庭裁判所」をテーマに、本田正男会員の司会のもと、棚村政行早稲田大学大学院法務研究科教授をはじめとする5名のパネリストによるパネルディスカッションが行われた。
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近年、成年後見申立てやDV、児童虐待等の相談・通報の件数が増加傾向にあり、家事事件の変容が見られるとの指摘がなされた。 |
複雑化・多様化・困難化する家事事件に対して、欧米における家事事件処理を参考に、裁判官、調停官等の職責、役割分担と連携の在り方の見直し、担い手の専門性、組織上の位置付づけの明確化、成年後見事件等の専門裁判所化、弁護士会・民間非営利団体へのアウトソーシングと多機関連携の必要性が唱えられるなど、今後家庭裁判所が果たすべき役割について、充実した討論がなされた。
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