横浜弁護士会新聞

2011年2月号  −3− 目次

常議員会のいま 常議員会の昔(と今)
会員  小島 周一(36期)
 私は昭和59年に当会に入会し、翌60年度に常議員になった。
 当時の常議員会を思い出して最初に浮かぶのは「指定席」だ。常議員会は弁護士会館の中会議室で行っていたのだけれど、正面に向かって右の一番前の席には必ず同じ先生が座り(その先生が少し遅れても、それまでその席は空いていた)、それが常議員会の「空気」となっていた。常議員会の議論にもその「空気」は影響を与えていて、大学まで体育会運動部にいた私は、なんとなく懐かしい感じがしたものだ。
 当時の常議員会は、弁護士会を中心に、いわゆる法曹の範囲内での議題がほとんどだったように記憶する。量も少なかった。何しろ弁護士会が主催する法律相談もなかったのだ。そういえば国選事件も、弁護士会を介して受任するというのではなく、裁判所に直接取りに行っていた。
 ひるがえって今は、会員の数は1000人を超し、会の活動範囲も広がって、議論しなければならない議題は質・量ともに格段に増えている。それらの議題毎に問題点を検討し、会としての適切な結論を出すためには、35名の常議員の経験・知識・意見が十分反映される必要があるとつくづく思う。「寄ってたかって考える」感じと言えばいいだろうか。
 その意味で、「指定席」などなく、若い期だろうと遠慮なく意見を言える今の常議員会は、とても健全だし、時代もそのような常議員会を求めたのだと思う。

新こちら記者クラブ 背景取材のヒントを
 真新しい住宅の窓からクリスマスツリーの灯りがこぼれ、楽しそうな親子の笑い声が聞こえた。
 駆け出しの頃の10年前に取材した資産家男性の殺人事件。犯人の不動産業者らは、男性と親族が所有していた土地の所有権を、盗んだ実印などを使って不正に移転登記して転売。男性に気づかれそうになったため、殺害して遺体を埋めた。遺体が発見されたときには、その土地にマンションや戸建て住宅が立ち並んでいた。
 男性の親族は所有権の返還訴訟を起こした。「この事件にはいろんな被害者がいます」。代理人の弁護士の言葉が印象に残っている。被害者の権利回復とあの親子の平穏な暮らしは両立しない。「私は取り戻す努力をしますが、相手となる弁護士たちも頑張るでしょう。結果的にそれぞれの痛みが少しでも軽減されればいいですね」。事件がもたらした影響の大きさを知り、現場を改めて歩いた。
 その後も様々な事件を取材するなかで、1つの事件が多くの人の生活に影響を及ぼす恐ろしさを実感してきた。一方で、日々取材に追われ、丁寧な取材をせずに事の重大さを十分に伝えきれなかったと後悔することも多い。
 人の思いに直接触れる弁護士の方々のお話は重要なことを気づかせてくれ、取材の手掛かりになる。お忙しいところに押しかけて申し訳ない気持ちになることも多いが、記者が伺ったときには何か取材のヒントを授けていただければ幸いである。
(日本経済新聞社編集局社会部 山岡 亮)

障害者の人権110番 相談数激減は「みまもりダイヤル」効果か
 昨年12月9日、「障害者の日」にちなみ、「障害者の人権110番」が、当会高齢者・障害者の権利に関する委員会により、当会会館において実施された。
 事前に新聞報道され、各市区町村の相談窓口や、各社会福祉協議会、障害者施設等にも相談案内のチラシを多数配布するなど、十分な広報活動を行っていたにも関わらず、例年になく相談数が少なく、待機していた相談担当者は全くの手持ち無沙汰となってしまった。
 これは、高齢者・障害者への弁護士アクセスを改善するために昨年10月から開始された常設無料電話相談事業である「みまもりダイヤル」が大変好評で、障害者の権利擁護に関する相談についても同ダイヤルが多数利用されているため、その影響で今回のような単発の障害者向け無料電話相談へのニーズが激減したものと思われる。障害者向けの常設無料相談窓口の開設は、当委員会にとって悲願であったのだから、その影響で今回の110番への相談件数が激減したということは、ある意味喜ぶべき事かもしれない。
 今後は、当会でも、「みまもりダイヤル」を始めとして、より中身のある障害者の権利擁護活動のため、障害者が弁護士にアクセスしやすい事業の展開を積極的に進めていくことになるであろう。
(高齢者・障害者の権利に関する委員会副委員長 内嶋 順一)

永井会員が優勝 法曹忘年ゴルフ大会
 年末恒例の忘年ゴルフ大会が、昨年12月15日磯子カンツリークラブにて開催された。言い訳のできない好天の下21名が参加し、熱戦が繰り広げられた。
 個人戦は新ペリア方式によるハンデ戦で争われ、永井朗会員がグロス88ネット71・2で見事優勝し、磯子カンツリー名物の豪華中華食材を獲得した。
 一方、期順に各組がチームとなり、各ホールのベストスコアを集計する期別対抗チーム戦では、26〜30期チーム(永井会員、清水規廣会員、佐藤克洋会員、田中治会員)が4バーディ4ボギーの通算イーブンパーという好スコアで若手の追撃を振り切り、文句なしの優勝を遂げ、これまた磯子名物の洋なしタルトを獲得した。
 また、ベストグロス賞は80ストロークで井上雅彦会員が獲得し、打倒井上を目標とする多くの会員の挑戦を退けて、当会エースとしての貫禄を見せつけた。
 横浜法曹ゴルフ会では、県内名門コースにおける毎月1回の月例会やトーナメントコースでの夏合宿などを通じて会員同士の交流を深めている。ご興味をもたれた方は是非、幹事(常磐重雄会員・三谷)宛ご連絡を。

*個人戦チーム戦二冠を達成した永井会員の話
 狙っていた洋なしタルトを持ち帰ることができてうれしい。最近は新ペリアでも優勝できることが増え、ゴルフは実力だけでなく運も必要だということが証明されたと思う。
(会員 三谷 淳)

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