横浜弁護士会新聞

2011年1月号  −4− 目次

全国大会 野球部優勝!
 昨年9月15日、名古屋ドームで開催された日弁連野球全国大会で、創部以来初の全国優勝を果たした横浜弁護士会野球部「マリナーズ」(名古屋ローヤーズとの同点優勝)。悲願達成を遂げた三浦修監督に、喜びの声を聞いた。

――初の全国優勝、おめでとうございます。まずは、初優勝の感慨をお聞かせください。 
 とにかく、嬉しいの一言に尽きます。会員の応援に感謝しています。

――監督就任後は、いろいろと御苦労があったと聞いています。
 岡部光平前監督の突然の辞任を受けて、4年前に就任しました。選手個々人の力は全国クラスなのに、チームとしてはなかなか結果が出せず悩みました。就任1年目は全国大会出場を逃し、2年目は横浜主催の全国大会でしたが一回戦敗退。昨年はようやく予選を突破したものの、東京相手に一回戦敗退と、全く結果を出せませんでした。

――1回戦負けから、翌年は全国優勝。その原動力は何だったと思われますか。
 ここ数年で、野球経験のある若手会員が多数加入して層が厚くなったことと、今期から就任した長谷山尚城新キャプテンがうまくチームをまとめてくれたおかげで、チーム一丸となった総合力を発揮できたことが大きかったと思います。

――今後も、マリナーズには、期待ができそうですね。
 経験者が増えているのは全国的な傾向で、群雄割拠の様相になっています。油断はできませんが、横浜は圧倒的に部員が多いという特色があり、また、伝統的に、楽しい雰囲気の中で練習に励んでいます。応援してくれる会員のためにも、ぜひ、今後も、頑張っていきたいと思います。
(聞き手 工藤 昇)
 
歴代監督のコメント
初代監督 稲木 俊介
 「私の目の黒いうちに、我が野球部が全国大会で優勝するとは夢にも思っていなかったので、優勝の報を聞いたときは大変驚きました。
 当会に野球部を創設したのは昭和56年で、創設当初は負けてばかりいるチームで、日弁連の全国大会ではいつも予選で敗退し、決勝大会には出られず、まして全国大会で優勝など、夢のまた夢でした。
 あの弱小チームが、よくぞこれまでに育ったものと、初代監督としては、感慨もひとしおといったところであります。

第2代監督 井上 嘉久
 昭和56年、日弁連野球公式戦で「レフトゴロ」を打った稲木先生が創設された横浜弁護士会野球部は、水地現会長が二塁手として出場するなど、全国優勝するということは、夢物語でありました。瀬古監督が熱情をもって部を運営し、山下事務所の小林早苗さんがマネージャーとなり、監督を支え、若手の代表格畑中投手が活躍を始めた頃から、チーム力が格段と強くなりました。三浦監督の優れた采配と一丸となった選手力によって、今回の栄冠を獲得できたことは、弱小時代の監督として、満腔の喜びであると同時に若干の羨望を感じます。

第3代監督 須須木永一
 「どっちが夢?!」優勝と言う言葉に出会った時、私の頭をよぎった思いです。土曜日の練習に姿を見せたのはわずか5、6人。自らの監督としての資質のなさを嘆き、それでも優勝という遠い夢を追っていた古き時代。
 そしてついに全国制覇を知った時、今度は昔の事が夢の様に蘇ってきました。野球部の基礎を築かれた稲木・井上監督、ここまで育てて下さった瀬古・岡部・三浦監督、マネージャーと選手の皆様に心から感謝いたします。

第4代監督 瀬古 宜春
 9人集めるのも大変だった野球部が、今では部員も50人を超え、弁護士会野球では常に飛びぬけた動員力を誇っています。そして、試合に出ると否とにかかわらず、これら多くの部員が部活を支えてくれています。この団結力こそ、わが野球部の誇りです。わが野球部は、勝つこと以上に、多くの人に楽しんでもらうことをモットーにしていますが、多くの部員の部活への参加と全国優勝が両立できたことは、この上ない喜びです。

第5代監督 岡部 光平
 名古屋ドームの決勝戦、絶対的に不利な序盤・中盤戦から、見事な追い上げで引き分けに持ち込んだ戦いぶりに、武者震いするほどの感動を覚えました。昭和57年入部し、自分のバットで決勝点をたたき出し優勝するんだと夢見てきた私としては、少し残念でしたが、素晴らしいチームの一員として素直に肩の荷が下りたと感じました。これからも選手個々人の能力をうまくかみ合わせて、常に優勝を狙えるチームとして活躍しましょう。

新人弁護士奮闘記 触れる「人間の機微」
新61期 会員 はま邉 和揮
 皆様こんにちは。新61期のはま邉(はまべ)和揮と申します。最近は、ロースクール時代に借りた奨学金の繰上返済に躍起の生活を送っていたところ、どういう訳か、「キャラが面白い」という出所不明の“密告”によって、この執筆依頼を頂きました(笑)。貴重な機会をありがとうございます。
 さて、私の弁護士人生も早いもので3年目を迎えようとしています。思い起こせば、1年目は右も左も分からず、「つらい。つらい」ばかり言っていました。けれども、つらいながらも、弁護士業務は非常に刺激的であり、時に楽しいものでした。とりわけ、依頼者と一緒に悩みながらも事実調査・法的調査を重ね、依頼者に幾つかの選択肢を提案し、依頼者の納得できる結果を導けるよう努めるという、この一連の過程がたまらなく楽しいのです。最近印象的だったのは、とある債務整理の案件で、残債務の返済額・方法につき任意の交渉に応じてくれない某社に対して、敢えてこちらから裁判を起こし、力技で和解に持ち込んだことです。自己破産を免れた依頼者に喜んで頂けました。また、刑事事件や少年事件でも、できる限り被告人や少年と話し合い、本人の納得できる処分を導くこと、これが大切だと思って、あちこち走り回っています(時々、後で本人が控訴したと聞いて、「うそーん」となることもありますが)。
 私の昔から好きな言葉の一つに、「人間の機微」という言葉があります。手元の広辞苑によれば、「機微」とは「容易には察せられないおもむき」とあります。弁護士という職業は間違いなく、この「人間の機微」に触れることのできる素晴らしい職業です。
 昨今、法曹を取り巻く環境が急速に変化し、法曹に対する社会の眼が厳しくなっているように感じます。微力ながら私にできることは、まずは目の前の案件を大切にし、一弁護士として腕を磨くことだと思います。それが大局的には法曹全体に対する信頼を勝ち得るのではないかと信じています。

備えてあんしんローゴヨーイ・ドン!

編集後記
 新年おめでとうございます。もうお正月ムードもすっかり抜け、しっかり仕事モードでしょうか?昔に比べるとお正月ムードに浸れる期間が短くなってきている感じがしています。これも世の流れなんでしょうか。今年も宜しくお願い申し上げます。
デスク 澤田 久代  1面担当 中嶌 慶子  2面担当 岡部 健一
高橋 健二
     3面担当 早川 和孝  4面担当 工藤  昇

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