10月29日、水地啓子会長ら執行部、及び谷口隆良委員長ら国際交流委員会のメンバーなど23名は、韓国の京畿(キョンギ)中央地方弁護士会(以前の名称は、水原地方弁護士会)を訪問した。当会と京畿中央地方弁護士会の交流会は8回目で、当会が韓国へ訪問するのは4回目となる。 |
8回目の交流会ということもあって、当会と京畿中央地方弁護士会の親交はとても深くなっており、同会のウィ・チュルハン会長及び同執行部から熱烈な歓迎を受けた。この熱烈な歓迎に対し、当会の水地会長は、流暢な韓国語による挨拶で応えた。
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当会は、京畿中央地方弁護士会の外、水原地方裁判所及び水原地方検察庁を訪問した。同裁判所では、日本の裁判員制度や法科大学院制度に関する意見交換が行われた。検察庁では、日本の裁判員制度に関する意見交換が行われたほか、検察庁から、韓国における「取調べの可視化」に関する説明を受け、取調べ状況を録画するシステムを見学した。 |
今回の訪問では、交流訪問記念セミナーが開催された。テーマは、「日韓両国の少年法」である。同セミナーにおいて、水原地方院のキム・チョンミン判事から「韓国の少年裁判制度」京畿中央地方弁護士会のイ・チョンホ弁護士から「韓国少年法上の保護者特別教育命令制度と青少年参加法廷」、当会子どもの権利委員会の山健一会員から「日本における少年法の現状と課題」を具体的なテーマとする発表が行われた。 |
その後、質疑応答及びディスカッションが行われた。言語や法制度の違いから、多少議論がかみ合わないところもあったが、日本の国選付添人制度を中心として、日本と韓国の弁護士の少年事件における関わり合いの違いなどについて、活発な意見交換が行われた。 |
次回のセミナーでは、今回残した課題をクリアし、より充実したセミナーの実現を目指したい。 |
上記セミナーに先立って当会一行は、韓国の少年院を見学した。韓国の少年院において印象的であったことは、(1)少年の更生のため刺青を消す施設があったこと、(2)IT先進国ということもあって、パソコン技能の習得に力を入れていたこと、(3)少年院で製作した映像等を他の少年院へ送るための放送局があったこと、(4)少年が技能訓練の一環として作ったロールケーキをお土産として頂いたことである。 |
日本とは異なった特質を有する制度を見学できたことは、とても貴重で、有意義な体験であった。 |
今後も、今まで築き上げてきた両弁護士会の親交を深めるだけでなく、セミナー等の意見交換を通じ、両弁護士会の更なる発展に役立つ交流にしていきたいと思う。 |
(会員 飯田 信也) |