横浜弁護士会新聞

2009年7月号  −4− 目次

今年は勝利者続出!! 島 朗九段による指導対局会
 島朗九段による指導対局会が本年も5月9日に当会会館にて開催された。例年お招きしている初代竜王の実績のある島朗九段、タイトル挑戦の実績もある山田久美女流三段のお二人だけでなく、本年は平成19年度勝率1位の実績もある鈴木環那女流初段にもお越しいただいた。参加者は横浜地裁第1刑事部部長の鈴木秀行裁判官(なんと10年ぶりの参加とのこと!)を含めて8名、いずれも将棋愛好家ばかりで大きく盛り上がった。
 トッププロの1人である島九段に対しては、例年、勝利を挙げる会員は少ないが、本年は松下雄一郎会員が飛車落ちで巧みな指し回しから大きく作戦勝ちをしてそのまま押し切り、鈴木裁判官が角落ちで難局を見事な終盤力で制した。筆者も角落ちで1勝1敗(1敗のほうは惨敗だったが…)、松延成雄会員も時間切れで決着はつかなかったものの優勢の局面を迎えていた。その他の会員も女流棋士から角落ち等で勝利を挙げるなど奮闘していた。プロ棋士と角落ちで指すにはアマ名人クラスの実力が必要との声もあることからすれば、真剣勝負の場ではないこと、棋士は多面差しで考慮時間なく指していること等を差し引いても、本年の結果は大健闘といえよう。これも当会の将棋愛好家が、仕事を犠牲にしてまで(?)深夜のBS放送やタイトル戦のインターネット中継に見入ったり、通勤電車で詰将棋を解いたり、と日々、将棋に熱心に取り組んでいる成果ではないかと思う。
 夜も中華街にて懇親を深め、将棋三昧の1日を過ごすことができ、将棋愛好家としては至福のひとときであった。
 将棋はルールさえ憶えていれば見るだけでも楽しいものではあるが、やはり指すほうが楽しいと思う。指導対局会では棋力に応じたハンディをもらえるので、誰でも一流棋士と将棋を指す楽しみを享受することができる。その楽しみを享受する参加者がもっと増えることを願ってやまない。
(会員 種村 求)

白熱の対局 横浜弁護士会春季囲碁大会
 5月30日、当会会館にて、「平成21年度横浜弁護士会春季囲碁大会」が開催された。優勝者に贈られる高柳馨常議員会議長杯をめぐり、会員10名及び特別参加者1名が参加した。この大会は、幹事会の定めたランク表をもとにランク差に応じたハンデを課した上で個人戦4局を打ち、優勝者を決める。
 対戦の組合せは、基本的に実力が伯仲する者同士で行なうが、ランクが離れていても上手にはハンデが課せられるので、どの対局も白熱していた。勝敗の似た者同士が対局していった結果、優勝は、特別参加した筆者、2位は谷正昭会員、3位は奥山壽会員ということになった。今大会は、例年に増して大混戦であった。4局を終えた段階で4人が3勝1敗と並び、最終的には勝敗を点数計算する「スイス方式」により順位が確定した。
 対局を振り返ってみると、筆者は、木村和夫会員、柴野眞也会員、徳永勝会員、奥山壽会員の順で対局した。完敗した第3局目は、徳永勝会員の機敏な打ち回しに終始リードを広げられ打つ手がなかった。他方、その他の対局も勝利はしたものの最後まで気の抜けない難しい対局ばかりであった。今回の優勝は「棚からぼた餅」のようなもので、優勝杯に見合う実力を持てるよう努力していきたいと思う。
 また、大会では、対局中の緊迫した「手の読み合い」もさることながら、対局後の検討も楽しみのひとつである。相手が形勢をどう読んで打っていたのかが分かったり、山場だった場面を打ち直してみたりと、とても勉強になる。そして会員の方々との交流も一層深めることができる。
 次回は紅葉の季節に開催される。囲碁に興味のある方はぜひ大会にご参加ください。
(横浜弁護士会職員 三浦 隆志)

新人弁護士奮闘記 蔑ろにしてはいけない人の気持ちへの配慮
会員 中嶌 慶子
 弁護士登録から2年弱が経った。当初は事務所の電話に出るのさえ失言しないかとドキドキした。事務所には様々な事件が舞い込み、ボスの打合せに同席した。近い将来自分一人で事件にあたるときのため、多様な事件に瞬時に対応する術を吸収しようと必死に見た。登録後1年で弁護士会の法律相談も一人で担当できるようになった。当初は手持ちの個人事件はほとんどなく、一つの事件にじっくり時間をかけられた。しかし、徐々に勝手も分かり、必要以上に時間や労力をかけ過ぎなくなっていたのかもしれない。
 そんな中、当会の法律相談で「自分の息子が人妻と不倫し、その夫の逆鱗に触れ、途方にくれている」との相談が来た。父親は「息子に非があり反省する必要はあるが、可能な限り息子の将来を不利益にしたくない」と必死な様子だった。相手の男性は慰謝料を要求し父親は示談での解決を望んでいたため、法的な見通しを話すとともに、示談書の書き方や交渉の仕方を説明した。後日父親から「話がまとまり、示談書を書いたので見て欲しい」との連絡が来た。私は「以前法律相談で説明した以上のことは言えないので、その通りの内容であるなら再度の法律相談は必要ないです」と説明した。
 後日、父親から手紙が来た。法律相談でいかに勇気づけられ気持ちが楽になったかが綴られていた。最後に、本当は直接事務所に来て礼をと思ったが「忙しい時間をとってはいけないので」お礼の品を同封するとの一文があった。私はこの手紙がとても嬉しかった。と同時に、電話連絡があった際の自分の対応を深く反省した。相談時の父親の必死の姿を思い出し、不要でも相談に乗るべきだったと。
 法的な解決だけでなく、人とかかわる職業である以上人の気持ちへの配慮も蔑ろにしてはいけないと痛切に感じた。

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編集後記
 今年の総会は、例年になく、平穏な総会。議題のせいでしょうか?はたまた?おかげで編集は楽でした。
 月末ころからは夏休みになる人もいるでしょう。日ごろの仕事疲れを癒すいい機会かと。私は、幼い子どものおかげで夏休みは関係なくなってしまいました…。
デスク 澤田 久代  1面担当 工藤 昇  2面担当 早川 和孝
岡部 健一
     3面担当 中嶌 慶子  4面担当 三橋 潔
高橋 健二

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