私は4年半のイソ弁生活の後、1年9か月をパリで過ごし、内1年は語学学校で、残りの9か月はパンテオンのすぐ近くにあるパリ第二大学にて、諸外国の仲間とともに、主に仏民法の債権法について学びました。この間、仏の法制度を学んで感じたことは、当たり前のことですが、法制度は各国の歴史や文化、お国柄を反映しているということでした。 |
私にとっての仏人の特性と言えば「議論好き!」に他なりません。パリを旅された方は目にしたことがあるかもしれませんが、地下鉄に乗り込み乗客にお金を無心するホームレスの人も、まずは自己の窮状を言葉でもって切々と訴えますし、普段は言葉少ない仏人でも、ある主題について意見を求められれば、寡黙さは影を潜め自分の意見を熱く論じます。 |
彼らは、言葉で自分の意見を主張することを非常に重んじており、それ故に、仏語にハンデを負う外国人は、時に自分の意見を上手く伝えられず、まともな扱いを受けられず非常に悔しい思いなんぞもします(これも外国暮しの貴重な体験ではありますが)。 |
私は、仏滞在中に2回、パリの裁判所で刑事裁判を傍聴しました。 |
仏の刑事手続きは参審制であり、それ故か口頭主義が非常に貫徹されています。傍聴時の私の印象は、「証人も被告人もとにかくよくしゃべる」というものでした。弁護人が、「なぜあなたはそんなことをしたのか?」などと問えば、その後は被告人の独壇場。ここは劇場かと思うほど、そもそもの事件の発端から核心に至るまでを被告人は語り続け、皆は拝聴します。もちろん、裁判官も「一問一答」などと無粋なことは言いません。 |
今後、日本も裁判員裁判が始まることにより、被告人自らが裁判員等にアピールする時代になるかもしれません。しかし、仏の口頭主義重視は、制度由来というよりもやはり彼ら自身の特性によるもの、即ち、自分にとって大切なことは人任せにせず自分の言葉で伝えたい!という彼らの要求の表れに私には思えました。 |
私は、未だ仏の法制度のごく一端をかじったにすぎませんが、いつかは仏の法律家と日仏の法制度についてより深く議論を交わしたいと願っています。そして、議論好きの彼らに対抗するには、何はともあれ仏語の勉強を!というわけで、執務の合間に仏語の勉強を続けるのが当面の課題となっています。 |
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大学(ParisU)(左)とLa Panthéon |
(会員 高藤 杏花) |
1月18日、杉田ゴルフ場テニスコートにおいて、横浜法曹テニスクラブ初打会が開催された。横浜法曹テニスクラブは今年で創立30周年を迎え、記念すべき年の幕開けとなった。 |
今年の初打会には、当会会員及びその家族のほか、裁判官、他会所属弁護士、修習生等を含めた総勢84名が参加し、日頃の練習の成果を競い合った。 |
試合形式は、ダブルスのトーナメント方式。テニスのレベルに応じてA、B、Cの各クラスに分かれて行われた。 |
当日は好天に恵まれ、肌寒いながらもテニス日和となった。真剣勝負あり、笑いもあり。普段、法廷や仕事場で見せるものとは一味違う顔で、皆がテニスを楽しんだ。 |
熱戦の結果、Aクラスは、全国法曹テニス大会で優勝経験を有する石川貴教弁護士(東弁)、横山宗祐弁護士(東弁)ペアが昨年に引き続き優勝し、連覇を果たした。また、Bクラスは、前田康行会員、戸張雄哉会員ペアが優勝し、Cクラスは櫛笥正晴会員、佐藤光輝会員ペアが優勝した。 |
大会後は、テニスコートに隣接するレストランで懇親会兼表彰式が行われた。各クラスの優勝者、準優勝者、ベスト4に残った参加者に賞品が贈呈され、各々が試合の反省点や今年の抱負等をスピーチするなど、和気あいあいとした雰囲気の中、親睦が深められた。 |
なお、筆者は、江義典会員とペアを組んでBクラスで出場し、1回戦6−3、2回戦6−4と勝ち進んだが、準決勝で優勝ペアに2−6で敗れた。準決勝では足がつるなど、日頃の運動不足を露呈する結果となり、忸怩たる思いである。今年は、まずメタボを解消し、基礎体力をつけるところから始めなければと痛感させられた1日であった。 |
(会員 藤田 章弘) |