議題
1 共済資金の件
2 横浜弁護士会会費の件
3 公設事務所設置の件 |
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共済資金積立金の処理 |
全額返還案に賛成意見が集中 |
昨年8月、共済制度が廃止されたことに伴い、共済資金積立金約2億5560万円の処理方法が問題となった。 |
当会執行部は、返還せず全て一般会計に組み入れる(A―1案)、返還せず全て会館建設名目等特定目的の積立金とする(A―2案)、旧共済規則における退会時のケースに準じて過去に支払った共済掛金の5割を返還し残りを一般会計に組み入れる(B案)、全額を返還する(C案)の4案を提示し、昨年9月に当会会員に対するアンケートを行ったところ、結果は、回答数205のうちA―1案5、A―2案48、B案77、C案75であった。 |
集会では、この結果を踏まえ、返還しないとする結論は難しいとの執行部の見解が示されると、会員からは、「全額を返還しないことの適法性には疑問がある」、「共済という目的が消滅したのであれば全額を返還するのが筋、流用を認めるべきではない」等、C案を支持する意見が多く寄せられた。 |
これに対し、「当会会館の改修費等と明確に資金使途を特定し、これに充てることは流用ではない」として、A―2案を支持する意見も出された。 |
アンケートで最も支持されたB案については、執行部から「約1億8000万円が会員に返還され、7000万円が一般会計に組み入れられる」との説明があったが、会員からは、「そもそも旧共済規則における退会時のケースに準じる根拠が不明である」等の問題点の指摘がなされるにとどまった。 |
返還方法の問題は残す |
C案をとった場合の返還方法については、「入会後年数の長い会員に対する返還金額が少ない」、「返還の際に過去に受領した共済金は考慮されるべき」等の問題点が指摘され、具体的な返還方法について問題を残す形となった。 |
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会費値下げ措置の要否 |
共済資金積立金は返還、会費は維持 |
共済制度の廃止に伴い、当会の会費月額2万3000円のうち3000円を表彰、慶弔及び共済の資金として徴収するとしていた改正前会則110条1項但書が削除された。 |
執行部からは、「この3000円はあくまで当会の一般会費の一部であり、一般会費と異なる固有の共済資金として徴収されていたものではないから、共済制度廃止に伴って会費の値下げ措置をとる必要は、会則の解釈からは生じない」、「会費を現状のまま維持かどうかは、当会の財政状況等の問題を総合的に考慮して判断すべき」との見解が示された。 |
そして、法律相談センターの収入の減少等により当会の収入も年々減少していること、会員数の増加に伴い会費収入が増加するとしてもその半面支出も多く見込まれること等、当会の財政状況は今後更に悪化する見通しであるから、会費を現行のまま維持することが提案された。 |
議論は紛糾せず |
会員からは、「実質的な値上げである」との批判も出たほかは、反対意見はなかった。会費の現状維持は、次回臨時総会の議案として提出される見通しである。 |
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都市型公設事務所の実現に向けて |
人材・情報の流動化が基本的発想 |
都市型公設事務所の設置に向けた当会の活動は、平成16年12月に「都市型公設事務所の設置・運営の支援に関する会規」が、平成17年1月に「公設事務所の設置・運営の支援等に関する規則」が制定されたものの、所長候補者が得られないこと等の理由により平成18年7月に停止した。 |
その後、当会公設事務所支援委員会が平成19年5月に同活動を再開させ、ひまわり公設事務所に派遣する人材の育成・派遣後の受け入れ先としての重要性に注目した新たな構想と、これに併せた支援の在り方についての研究・検討を行ってきた。 |
その結果、同委員会は、平成16年度に構想されていた事務所と異なる形態の都市型公設事務所の設立趣意書案を結実させた。 |
その基本構想は、(1)弁護士の養成、偏在地域への供給、循環を主たる目的とする(2)養成弁護士と被養成弁護士の2種の弁護士で構成し、所長は置かない(3)設置場所は横浜市中心部を第1目標とする(4)当会が貸与する都市型公設事務所開設準備金3000万円及び日弁連の偏在対策拠点事務所開設準備金1500万円を開設資金・運営資金に利用する、等を主な特徴とする。 |
設置に反対意見なし |
当会会員からは、「市・県から設置場所の提供を受けられるよう当会を挙げた支援をすべき」「3000万円は出資等の形態にして負担を軽減すべき」「人材育成の観点からロースクールとの連携をより具体的に打ち出すべき」といった意見が出されたが、都市型公設事務所設置に反対する意見はなかった。
基本構想に沿った形での都市型公設事務所設置議案が、次回臨時総会で提出される見通しである。 |