横浜弁護士会新聞

2008年7月号  −1− 目次


共済制度廃止を決議 通常総会開催
 5月20日、当会会館において通常総会が開催され、共済制度廃止、被疑者取調べの全過程の録画・録音を求める決議をめぐり白熱した議論が展開された。
 
会長所信表明
 武井共夫会長は5名の副会長を紹介し、以下のとおり本年度の所信を表明した。
 
会員数1000人超の単位弁護士会時代を迎えるにあたって
 本年度中に当会会員数が1000人を超えることがほぼ確実となる。そこで、法律相談事業の一層の周知・広報を図るなど、会としてもより一層県民に対して弁護士会に関する情報発信を行い、県民の期待に応える弁護士会を目指す。また、会内の規則の整備を図り、会員にとっても有意義な弁護士会であり続けたい。
 
裁判員裁判制度導入に際しての弁護士会の役割
 裁判員裁判制度が導入されることで、裁判制度全体に対して国民の関心が高まっている。そこで、会員の知識・準備の徹底を図るとともに、会として県民に対して一層の広報活動を行う等して遺漏のない体制を作る。
 
被疑者国選制度拡充への対応
 必要的弁護事件についても被疑者国選制度が拡充することに備えて、会をあげて体制を強化する必要がある。特に会員個人の負担の多い会内支部に対しては、会をあげてフォローするための会内合意の獲得を目指す。
 
法曹人口の拡大化への対応
 新司法試験合格者が実務家となり、就職難が深刻な問題となりつつある。この問題に対してプロジェクトチームを立ち上げるなどして、会全体での対処が必要である。
 
関弁連大会の準備
 今年度は神奈川県で、6月28日に関東十県会50周年記念行事が、9月26日には関弁連定期大会が行われるので、是非成功させたい。
 
 議長には木村良二会員、副議長には延命政之会員がそれぞれ指名された。
 
新入会員・退会者報告
 104名の新規入会と、33名の退会があった結果、当会の現在会員数は964名(外国法特別会員2名除く)と8法人になり、本年中に総会員数が設立以来初めて1000人を超えることがほぼ確実な情勢となった。
 
平成19年度会務報告
 竹森裕子前副会長から、平成19年度の会務報告がなされ、公益活動・委員会活動等分担金制度の創設、裁判員制度実施に向けての準備状況、ADR(裁判外紛争解決手続)推進法に基づく認証の取得等について報告がなされた。
 その後、支部・調査室・財務室・事務局運営室、各委員会から平成19年度の実績報告や、今後の方針等について報告があった。

議事
平成20年度予算案等
 第1〜3号議案として、平成19年度収支決算承認の件、平成20年度予算議決の件及び平成21年度4・5月分暫定予算議決の件がそれぞれ審議され、全会一致で原案どおり可決された。
共済制度廃止の件
 第4号〜第5号議案として、改正保険業法施行(平成18年4月1日)に伴いこれまで運営されてきた当会共済制度の廃止が審議された。
 出席会員からの意見として、共済制度の廃止に伴い必然的に生ずる(1)共済資金として既に積立てられた2億4500万円の処理(2)これまで会費の一部が共済積立金として計上されていたことから、会費を値下げすべきかどうかという問題が未解決のまま制度自体を先行的に廃止すべきではないという厳しい指摘や、まずは共済制度自体を維持していける可能性を十分検討すべきとの意見が出され、議論が交わされたものの、最終的には賛成多数により原案どおり可決された。
委員会通則改正の件
 第6号議案として、委員会通則第8条(定数上限制)及び第10条(任期上限制)の削除が審議された。
 意欲のある会員が興味のある委員会へ参加することをより容易にする必要性や、公益活動ポイント制導入との関連性等の説明がなされ、原案どおり全会一致で可決された。
住宅紛争審査会設置会規の件
 第7号議案として品確法の改正及び履行確保法の制定にあわせ、当会の設置会規における委員会名称の変更等が審議され、原案どおり全会一致で可決された。
被疑者取調べの全過程の録画・録音を求める決議の件
 第8号議案として被疑者取調べの全過程の録画・録音を求める決議の件が審議された。
 出席会員から、原案のままでは「取調の可視化」さえ行えばえん罪事件が防止可能との印象を受けるが、えん罪防止には「取調に対する弁護士立会権」等他の制度導入も不可欠であって取調の録画・録音もその一部に過ぎず、その確保は最低限の目標に過ぎないという視点を強調すべき等の意見が出され、複数の出席会員の同意を得た。
 そこで、上記意見を参考に原案を一部修正(修正は執行部、正副議長に一任)するということで、賛成多数により可決された。
綱紀委員会、懲戒委員会及び資格審査委員会委員等の選任の件
 第9号議案として表記の件が審議され、全会一致で可決された。

山ゆり
 私は、毎朝30分程座って電車通勤できるため、睡魔に襲われない限り、新聞を読むよう心がけている
 最近思わず吹き出しそうになった記事に「日本・ニュージーランド、家畜げっぷの抑制で協力」があった。羊のげっぷに含まれるメタンガスが温室効果ガスの一つであり、人口より家畜数が多いとされる家畜大国のニュージーランドでは羊のげっぷが国全体の温室効果ガスの半分を占め、その削減が切実な問題とあった
 人の生活から出る二酸化炭素が地球の温暖化に大きな影響を与えており、その削減が急務であることは認識していたが、家畜のげっぷまで制限しようと真顔で考えているのかとおかしく思えた。ただ、何年か前に牛にも同様の話があったようで、少し調べただけでも10年程前の記事に抑制のため研究しているとあり、近年の記事には帯広畜産大学が牛のげっぷのメタンガスを抑制する飼料の配合を発見したとあった 花火
 急激に進んでいる地球の温暖化により生じるとされる驚異を阻止するには多様な対策が必要であることを知り、部屋の明かりを煌々と点けたままベッドに倒れ込む自分の生活を改めて反省した。
(中嶌  慶子)

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