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平成17年は日弁連の綱紀委員をしていた為、秋口から暮れにかけて、当会の綱紀、懲戒問題に関する日弁連の書面に何回も接した。「今度当会から日弁連の副会長になる人は大変だ」漠然とそう思っていた。 |
ところが、1月20日の夜、箕山先生から電話があり「何とか日弁連の副会長を受けてくれ」「私はそんなこと考えたこともないし、会長経験もないので無理ですよ」。次の日、清水先生から電話。「僕だって会長はやってないけど日弁連の副会長は務まった。電話でダメなら小田原まで説得に行く」。次は須須木先生から。「日弁連の副会長はその時は大変だが、終わってみればこんなに良い経験は外にはない」お二人共「騙されたと思って引き受けろ」。当会の重鎮とも言うべき何人もの先生から電話を貰った。 |
事務所の大木・剱持・古田・小室の同僚弁護士に相談。「多数の先生方に薦められて、それでも腰が引けたのでは、却って男が廃る」。私に白羽の矢が向けられた諸般の事情も理解した。会員メーリングリストで「今回は横弁は日弁副会長を辞退すべきだ」との意見も読んだ。そうは思わなかった。「掛けてしまった迷惑や失ってしまった信用は、取り戻すべきが本筋だ」「尊敬する須須木、清水両先生が私を騙すはずがない」。それで「ハイ、わかりました」という返事となった。 |
でも、不安は付き纏った。私程度の者に務まるだろうか。2月中旬から1日おき位のペースで日弁連へ通い、正副会長会や理事会の傍聴、引継ぎの勉強会、副会長として担当する委員会の傍聴等、やるべきことの多さと資料の多さに圧倒されながらも、日弁連の組織の偉大さが判って来た。少しずつではあるが「判らないことは教われば良い」「時間と労力を惜しまなければ、なんとかなる」そんな気がして来た。 |
平山会長はもとより、事務総長、他の12人の副会長、いずれも人格、力量、会務経験等素晴らしい人ばかり。これらの人と1年間仕事ができれば、きっと自分にも大きな糧になるにちがいない。 |
私は、ホームランを打てたり、ファインプレーができたりするタイプではない。でも、犠牲フライや送りバントが必要な時は必ず来る。日弁連でも私の持ち味を活かせる場面がきっとある。そう信じて、私も、当会選出の歴代日弁連副会長に倣い、1年間常駐する覚悟で全力で頑張って来ます。 |
本間 豊会員 |
行政法専門実務研究会は、これからの時代を見据えた研究会である。行政法関係は、なんだかよく判らない、面倒くさそう、あるいは特殊専門的なことが好きな人の分野ではないか、などと思っている人が多かったのではないかと思われる。しかし、ここ数年の規制緩和という大きな流れの中で、今後行政法関係訴訟が飛躍的に多くなり、かつ極めて身近なものになってくることは疑いない。 |
例えば、地方分権に伴う弁護士の役割の飛躍的な拡大である。従来は自治体の事務の7割が国からの機関委任事務であり、また法令の解釈は国からの通達に無条件に従ってきた地方自治体が、地方分権により、国の関与をまったく受けず、独自に政策立案し、自ら法令を解釈する必要に迫られている。しかし、横浜市のような大都市においてさえ、独自に政策を立案し、独自に法令を解釈したり、あるいは立法する体制が十分とはいえない状況にある。県内の自治体には法務担当部署を置いていない自治体も多い。 |
また、納税者の権利擁護を担うために、弁護士に対して、積極的に租税訴訟へ取り組む姿勢が求め続けられている。日弁連は、さかんに、租税訴訟に関心を抱き、相当程度の知識を有する弁護士の増加を目指し、平成13年頃から租税訴訟研修を開催してきている。 |
行政訴訟法も大きな改正を行っている。行政に対する司法審査の機能を強化して国民の権利利益の救済を実効的に保障する観点から、取消訴訟の原告適格の拡大、従来は解釈に委ねられてきた義務付け訴訟あるいは差し止め訴訟の法定化、さらには行政訴訟を利用しやすく、分かり安くするための仕組みを法定化しているのである。 |
行政法専門実務研究会は、このような時代の動きに合わせ、昨年度は、横浜市の法制課及びまちづくり調整局の担当者から、具体的な行政事件の実態などのお話をうかがう会の開催、改正行政訴訟法の内容の検討など2か月に1回の割合で勉強会を実施してきた。 |
今年度は、5月25日からの住民訴訟関係の勉強会をはじめとして、訴訟経験者による講習、あるいは具体的な事件の検討などを積極的に実施する予定である。 |
ともあれ肩のこらない勉強会を目指しているので、気楽に顔を出していただきたい。お問い合わせは、本間豊会員(045−662−0103)まで。 |