横浜弁護士会新聞

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2004年10月号(3)

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理事者の独り言
十県会をご存知ですか
副会長 橋本 吉行
 この新聞が会員に配布されるころ、平成16年度理事者も任期の折り返し地点を迎えている時期ですが、これからがマラソンに譬えれば30キロ過ぎの正念場が待っているというところでしょうか。
 ところで、理事者になって今まで知らなかった弁護士会のことをたくさん教えられていますが、その一つに十県会があります。皆さんご存知でしたか。関弁連の中から東京三会を除いた十単位会が集まって昭和33年にできた会で、毎年3月に正副会長会議・拡大理事会、6月に拡大理事会・定時懇談会、8月に夏期研修会を開いています。
 それだけ?と思われるかもしれませんが、実は関弁連の活動(委員会・理事会、秋の定期大会・夏と冬にある地区懇談会等)の機会に理事者が出席し、その際、十県会に属する他会の執行部と顔を合わせ意見交換しているのです。
 そもそも東京三会主導の日弁連副会長人事への対抗というところから設立されたものであり、そういうお話をすると日弁連勢力図などといったこととは距離を置く当会の気風からは敬遠されそうですが、十県会の活動はいい意味での団体間の力学に通じていることが分かります。力でゴリ押しするのとは全く違い、東京三会を意識した力学的バランスを保とうとすることによって、各単位会の会務活動の車輪が前に動く仕掛けになっているというところでしょうか。
 今夏横浜で開催された夏期研修会の成功などはその好例です。
 ところで、理事者の仕事もハードで、毎週の理事者会も午後1時半に始めて大抵9時くらいまで続いています。最近理事者会には甘いおやつが必須アイテムだと気づきましたが、マラソンに補給所があるように、弁護士会館にも補給所があればいいなと思う今日この頃です。

建築請負・建築瑕疵の研究成果を発表 十県会 夏期研修会
 8月28日、横浜ロイヤルパークホテルで関東十県会夏期研修会が催された。この研修会は、毎年、十県会の各単位会が持ち回りで行っているものであり、今年は当会が担当。
 研修会のテーマが、昨今関心が高まっている建築関係訴訟であったためか、研修会には350名を超える参加者があった。
 この日のために、当会夏期研修会実行委員会は1年半に及ぶ調査・研究を続けて『建築請負・建築瑕疵の法律実務(建築紛争解決の手引)』を行政から出版しており、その各執筆による報告、質疑応答が行われた。
 報告は、建築訴訟上の要件事実の分析から、建築代金・建築瑕疵に関する問題、建築関係訴訟手続についてまで広きにわたった。
 最後に、次期研修会開催地である長野県弁護士会の土屋準会長からの挨拶があり、井上嘉久研修委員会実行委員長による閉会の辞で研修会は終了した。
 研修会終了後は、懇親会が開かれ、参加者同士の交流を深めた。

常議員会レポート 第7回(平成16年9月9日)
〈第1号議案〉
 日本司法支援センター神奈川県支部支部長の候補者として山下光会員を選任したほか、市民窓口担当員、各種行政関係委員の推薦など、人事委員会の審議を経て提案された人事案件14件について審議し、いずれも提案どおり承認した。
〈第2号議案〉
 57期司法修習生36名の入会を許可した。
〈第3号議案〉
 債権回収会社の取締役の推薦の基準や手続きなどに関する規則を制定した。
〈第4号議案〉
 当会が他の団体と活動を連携することに関する基準の制定について審議した。
 基準を作成することについては大方の賛同が得られたが、弁護士会の主体性を確保すること、弁護士会と当該団体との均衡が保てること等の連携条件について意見があり、さらに基準案の文言を整理することとして継続審議とした。
〈第7号議案〉
 神奈川県大規模災害対策士業連絡協議会の設立とその原始会員となることを承認した。
〈第9号議案〉
 11月10日の日弁連臨時総会で審議予定である弁護士職務基本規程について審議した。
 弁護士倫理の会規化の是非について、刑事弁護活動の足かせになる規定を設けるべきでないとする意見、倫理規定違反が懲戒事由となることは弁護士の独立を害するとする意見、自律機能を高めるためには会規化することが必要であるとの種々の意見等が出されたほか、刑事事件における真実義務等に関しても多くの意見があった。
 9月末頃までに日弁連から配布予定のより詳細な解説を各自検討したうえ、次回、さらに継続して審議することとした。
〈第10号議案〉
 神奈川県教委による県立学校に対する学校行事での国旗掲揚・国歌斉唱の実施状況に関する調査とその回答に関する、県立高校元生徒からの人権救済の申立について審議し、申立人に関する元校長の回答が、申立人の思想良心の自由及び子どもの意見表明権を侵害するものであると認定するとともに、県教委による調査内容自体が生徒や保護者の思想良心の自由、意見表明権を侵害する怖れが高いものであると認定して、いずれも改善を求める旨の勧告をすることとした。
〈第11号、12号及び緊急第3議案〉
 「日本司法支援センター神奈川県支部の設立に関する会長声明」及び「司法修習生の給費制の堅持を求める会長声明」を承認し、9月16日の弁護士報酬敗訴者負担制度に関する市民集会において採択予定の「合意による弁護士報酬敗訴者負担制度にも反対するアッピール」案を承認した。
〈第13号議案〉
 依頼者や相手方から連絡が取れない、預かり金の返済がない等の多数の苦情がある会員に対し、弁護士としての信頼を著しく失わせ、会の信用をも失墜させるものであるとして、会として綱紀委員会に調査を求めることとした。
〈その他〉
 その他、シンポジウムの後援、市民法律講座についての共催依頼、弁護士フェスタについての横浜市の後援明示、法律扶助協会神奈川県支部との職員費等の負担に関する協定の締結等について審議したほか、理事者の自治体首長並びに国会議員との懇談状況、裁判官評価アンケートの実施、主要行事予定等についての報告があった。
常議員からズバリひとこと
 常議員のうち期の順で古い方から4番目となった。初めて常議員になったのは、もう10年近く前であろうか。そのときに比べると、若手の発言が減っているのが気になる。最近ほとんど発言を聞いていない。既に40期以降の会員は300名を超えている。若手の意見を会に反映させるためにも、先輩に臆することなく、思っていることは堂々と述べてほしい。
(28期 高原 將光

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