常議員会議長 箕 山 洋 二 |
平成一四年度の常議員会議長の任務を無事終えることが出来たのは、常議員の皆様と森副議長の全面的なご協力のお蔭と、感謝しているところである。 |
今年度も、前年度開始した「常議員会速報」を継続し、全会員にファックスしてその時の最もホットな情報をお知らせすることとし、森副議長の獅子奮迅の活躍により、全回お知らせすることが出来た。小島周一会員の日弁連理事会速報と日弁連ニュースを併せて見ていただければ、司法改革論議の状況をご理解いただけたのではないかと思っている。 |
今年度は、日弁連に対する答申案の審議、臨時総会招集決定(特に、支部会規・会則の制定、倫理関連議案、会名変更等々、重要議案が目白押しであった)、人権委員会の勧告案件、会長声明等、大量の資料の事前検討なしには論議できない重大な議案が多く、白熱した議論が展開された。 |
特に指摘したいのは、意見が老若男女を問わず、活発に発言されたことであり、横浜弁護士会の良き伝統が息づいているなと実感させられた。 |
今回の経験を、是非次年度の会務運営に生かしていきたいと考えている。皆様の、今後も変わらぬご指導・ご鞭撻を願っている。 |
常議員会副議長 森 卓 爾 |
「常議員会レポート」はいかがでしたか。常議員会の直後に「常議員会速報」を発行し、翌月の弁護士会新聞に「常議員会レポート」を出して、常議員会の議論の内容と結果を出来る限り早く会員に伝えることを心がけてきた。これが副議長の重要な役割の一つ。しかしながら、振り返って見ると、活発な議論の内容と結果を短い文章の中にコンパクトにまとめるには筆力不足であり、充分に伝えられなかったのではないかと感じる。 |
今期の常議員会は、多才な論者が多く活発な議論が展開された。司法改革の流れの真っ只中にあり、関連する議案も多かった。また、「有事法制に反対する決議」案が常議員の提案により議案となり可決されるということがあった。 |
事前に送られてくる大部の資料を読み、常議員会に望んだが、副議長という立場から発言の機会が少なく、私にとってはちょっぴり残念でもあった常議員会であった。 |
ハノイ人民裁判所の法廷 |
法廷の様子は、一段高いところに裁判官と検察官の席が設けられており、下がったところに当事者席が裁判官と向き合う形で設けられていた。当事者は代理人をつけることも可能となっているが、利用する者はまだ少数で、代理人席も最近ようやく設けられたとのことだった。 |
訴訟手続としては、訴訟提起の段階、審理準備の段階、審理段階に区分されている。 |
訴状が却下されない限りは、審理準備段階に進むとのことだった。 |
ベトナムでは職権主義がとられているので、審理準備段階において、裁判所長から指名された担当裁判官が、関係証拠を収集する(証人の供述を聴取したり、鑑定を行ったり、現場検証など。なお、ここには当事者の立会権は保障されていない)。また、和解前置主義がとられているので、この準備段階において、担当裁判官は和解を試みる必要があり、和解が整えば事件は終結する。 |
審理段階では、まず人定質問がされ、裁判長から事件の概要などが読み上げられる。そして、準備段階での証拠収集が不足していた場合等には、裁判官は、法廷において、当事者や利害関係人等に対し、尋問をする(実際には、当事者等に対しては、ここで尋問をされることが多いとのことだった)。最後に、検察官が事件解決に関する意見を表明し、裁判官らの合議を経て、判決が言い渡される。 |
判決は即日なされるものが大半とのことだった。また、検察官が表明した意見にかなり左右されていると思うとのことでもあった(但し、後者の感想は、通訳をしてくれた現地の人の弁で、法律家の意見でないことを付言しておく)。 |
もっとも、判決が出ても、それを執行するにあたって、当該当事者の合意がいるとのことだから、やはり今後の法整備の必要性は高いようである。 |