横浜弁護士会新聞

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2003年11月号(3)

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ヤミ金被害者救済は弁護士全体の使命
 九月二六日、当会でヤミ金融一一〇番を行った。
 当日は、合計五五件の電話相談があり、ヤミ金事件の被害がいかに多いかを如実に物語っていた。また、マスコミ報道もあり、ヤミ金問題に対する関心の高さもうかがわせる内容だった。
 ところで、社会的にはこのような深刻なヤミ金問題に対し、弁護士会に求められるものは多いと思う。弁護士の側からすれば、決してヤミ金事件はやりたい事件ではないのかもしれない。しかし、弁護士の社会的使命から考えると、皆でやっていかなければならないのではないか。現在、ヤミ金事件担当者名簿の作成を準備しているが、今後多くの会員がヤミ金事件の受け皿になることを願っている。ぜひ、多くの会員の協力を願っている。
(小野仁司会員)

第4回 事務局の仕事 扶助課
 いつもお世話になっております、扶助課です。扶助課は正職員四名と交代勤務のパート職員四名で、常時六名態勢で法律扶助協会神奈川県支部の業務をしております。民事法律扶助事業としては、(1)代理援助(2)書類作成援助(3)法律相談援助を、また、神奈川県支部の自主事業としては、(1)刑事被疑者弁護(2)少年付添人(3)犯罪被害者(4)子どもへの虐待救済の援助事業を行っております。
 民事法律扶助事業で行なっている無料法律相談の予約は、相談内容によっても異なりますが、約一か月〜二か月待ちの状況です。これを解消するためには、相談日を増やすことが考えられますが、前提として、相談を担当していただく相談登録弁護士の確保が必要となり、多くの会員の先生方に、相談登録弁護士の登録をしていただければと思います。メリットと言えるか分かりませんが、相談実施場所は、法律事務所か弁護士会館を選択することが出来ます。
 無料法律相談の次の手続きは審査です。審査会では、弁護士費用の立替えが出来るかどうか検討します。援助開始の審査会は、本部(横浜)だけでなく、横須賀、川崎、相模原、小田原の各支部でも開催しております。各受付によって、申込方法や審査会場、開催日が異なり、審査会に同席する職員も各支部あるいは支所の職員が担当しております。
 もう一方の自主事業ですが、関係団体からの補助金と、刑事贖罪寄附などで運用しています。援助した費用は民事法律扶助事業の償還制と異なり、交付制となっております。ここ数年、援助件数が増加していることもあり、篤志による寄附をはじめ、被援助者等の関係者からの寄附も受付けております。
 これからも、扶助課職員一同頑張りますので、扶助事業にご協力くださいますようお願い致します。
(扶助課 鈴木ゆかり)

理事者室だより ご存知ですか 横浜弁護士会人権賞
副会長 小島 衛
 「横浜弁護士会人権賞」をご存知でしょうか。この賞は、主に神奈川県内で人権にかかわる活動をしておられる個人または団体に贈られるものです。賞の基金は、横浜市緑区で発生した米軍機墜落事故訴訟弁護団、故坂本堤弁護士の御遺族それに篤志家からの寄付などの尊い浄財から成り立っています。
 この賞は平成八年に設けられ、今回で八回目を迎えました。これまでの受賞者は、第一回は川崎公害裁判で尽力された故深沢キク江氏、第二回は、かながわ・女のスペース“みずら”及び京浜協同劇団、第三回は、横浜ダルク・ケアー・センター及び女性の家サーラー、第四回は、神奈川県インドシナ難民定住援助協会、第五回は、寿支援者交流会及び『がんばれッ日本国憲法』上演実行委員会、第六回は福光洋一氏及びかながわ市民オンブズマン、第七回は広田和子氏でした。一〇月一五日の選考委員会(委員はマスコミ、大学教授などの外部委員五名、当会会員三名)で受賞者を決定し、一一月二九日の弁護士フェスタで贈呈式を行うことになっています。
 今回は、最終的に、一六の個人・団体から応募していただくことが出来ました。応募して下さった方々の活動はいずれも人権活動に関係する重要な意味のある貴重なものです。途中までなかなか応募がなく選考会を開催できるか心配しましたが、今は、逆に、皆さんが立派な活動をしておられるのに受賞していただける人数が限られていることが申し訳なく、また、残念に思っています。これからも人権賞が人権擁護活動をされている方に対するささやかではありますが支えになれば幸いと思います。応募して下さった皆様、推薦者となって下さった皆様、本当に有難うございました。厚く御礼申し上げます。

第八回横浜弁護士会 人権賞決定
 平成一五年一〇月一五日、横浜エクセルホテル東急にて横浜弁護士会人権賞選考会が開催され、今回は、厚木基地爆音防止期成同盟と、中国残留孤児支援の菅原幸助氏が受賞しました。

常議員会レポート 第8回(平成15年10月9日)
〈第一号・二号議案〉
 人事案件である。
〈第三号議案〉
 入会申込者(二弁からの登録換)一名について入会が許可された。
 継続案件とされていた弁護士法第五条三号による入会申込者については、常議員会小委員会からの「日弁連への進達に疑義がある」との報告をうけ慎重審議された結果、「進達しない」との議決がなされた。これにより、当会の資格審査会において申込者の資格につき審議されることとなった。
〈第四号議案〉
 横浜弁護士会裁判官選考検討委員会設置規則(規則第一二三号)の一部改正が承認された。今回の改正は、委員会を構成する委員のうち八名については、本会の各支部の支部長四名及び各支部の役員の中から各支部が一名ずつ指名する四名をもって充てることを明示したもの。
〈第五号議案〉
 日弁連照会「(民事訴訟法及び民事執行法の改正に関する要綱中間試案)に対する取り組みについて」に対する当会回答につき、司法制度委員会と民事裁判手続運用委員会のそれぞれの委員会で検討された意見をもって回答することで承認された。今回の中間試案では、(1)インターネットを利用した民事訴訟手続きの申立について、(2)文書提出命令制度の見直しについて、(3)不動産競売手続きにおける最低競売価格制度についての見直し、などが主な項目としてあげられている。
〈第六号議案〉
 横浜弁護士会支部事務所賃貸借の件につき、賃貸人との交渉で条件が左右されるなど流動的な面があることから、どの程度の賃借面積にするのか、賃料、保証金の額などを含めて賃借条件については、迅速的確な判断を理事者に一任することで了解された。ちなみに、当該支部は相模原支部である。これが実現すれば、支部事務所及び法律相談センターの共存が計られ、市民にとって利用しやすい弁護士会となる。
〈緊急議案〉
(1)相模原支部より、ドラマ「裁判員 決めるのはあなた」の上映会につき、相模原地域司法改革懇話会と共催する件につき審議され許可された。
(1)利息制限法を逸脱する手形・小切手振出等の禁止を求める会長声明が承認された。声明では、利息制限法を逸脱する手形・小切手振出等を得て強制的に取り立てる高利業者に対し、刑罰をもって対処する立法を制定するように呼びかけ、かつ違法な目的のために公正証書が作成されないように関係監督官庁に指導監督をすることを提言するものとされている。
〈報告事項〉
(1)死刑確定者の死刑執行に関する会長談話を出したことの報告がなされた。
(2)「新司法試験実施に係る研究調査会中間報告書」に対する意見として、法科大学院検討特別委員会が「中間報告の意見は概ね妥当である」との意見を出したことの報告がなされた。
(3)国選弁護人推薦停止に関する調査結果につき報告がなされたが、被調査者が自ら国選弁護の登録を取り下げたので停止措置を執らずに終了したとのことである。
(4)支部協議会が開催されたことの報告。
(5)首都圏支部サミットが開催されることの報告。
(6)弁護士業務基本規程(日弁連委員会案)についての会内懇談会が開催されたことが報告された。
(7)裁判官アンケートの進捗状況について、順調にアンケートが提出されているとのこと、また再任の時期に係る裁判官がいるので、さらなるアンケートへの協力のお願いと報告がなされた。
(8)(財)法律扶助協会神奈川県支部との平成一五年度人件費等の負担に関する協定書を締結したことの報告がなされた。
常議員からズバリひとこと
 総合改革委員会において、会の意思決定機関の構成や機能について、再検討されており、常議員会の意味や決定権限についても目下検討中である。
 常議員会の内包する効率性・迅速性の問題は、確かに否定できないが、熱意ある会員が集まり、白熱した議論となることは、珍しいことではなく、当会の常議員会の質の高さを感じる。常議員会に参加してみて、これはまだまだ捨てたものではないと思うのである。
四八期  俊之

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