横浜弁護士会新聞

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2003年11月号(4)

 
支部便り 小田原支部の巻
 小田原支部は本年一〇月新入会員を含め、会員数六一名となりました。小田原市の外、厚木、平塚、秦野市、二宮、大磯、湯河原町等に支部会員が事務所を構え、県西地域のリーガルサービスの発展に努めています。当支部は若手会員の増加に伴い支部の行動力が活発化しており、昨年度の支部として全国初の裁判員劇上演に続き、本年七月には日弁連作成の裁判員ビデオ上映会を小田原市内にて開催し一〇〇名を超える市民の参加を得ました。引き続き平塚、厚木、小田原の市民法律講座でもビデオ上映会を行うこととしています。また現状の裁判所支部の控室に支部を置くことに限界があり、支部事務所を新規に設置することを現在検討中です。神奈川県西部地域において弁護士活動をこれまで以上に市民の目にみえるようにどうするか、当支部会員共通の問題意識であり(そのためにも当会の会名を変更すべしとの意見が強い)、支部の会合ではこの点をめぐり、ベテラン、中堅、若手それぞれに意見を出し合い、討論し、その後酒場に流れ込むという当支部の活動状況です。

私の修習日記
自由業という名の不自由業
第57期司法修習生 井上裕也
 指導担当の中山先生にぴったりと貼り付く生活も、はや二か月が経ってしまった。事務所の机で調べ物をして、書面を作成して、時折裁判所に出掛けて…と、そんな生活を予想していた僕の思い込みは、最初の数日間であっという間に崩れ去った。ひっきりなしに掛かってくる電話、次から次にいらっしゃるお客様、ほんの数分の手続きのために東京やら小田原やらを飛び回る毎日。先生はいつ起案しているのだろう、こんなに事件を抱えてどうして頭がごちゃごちゃにならないのだろうと、不思議に思ったことをよく覚えている。
 そして、忙しさがピークに達したときに、先生の口から決まって飛び出す言葉がある。「弁護士ってのは、自由業という名の不自由業なんだよね」
 確かにそういうものかもしれない、と思う。それと同時に、不自由になればなるほど、それは依頼者に頼られている証拠で、喜ぶべきことなのかもしれないな、と思ったりもする。この台詞が飛び出すときの、心底うんざりしているような、でも実は誇らしげなような、何とも言えない複雑な先生の表情が印象的である。
 実務家として自分が働き出してから、同じ台詞を実感を持ってひとりごつようになったら、それは一人前になった証ということだろうか。その日が来るのが、楽しみでもあり、複雑でもある。
 最後に。中山先生は本当によく飲みに連れて行って下さる。ウーロンハイが適度に回ったころ、先生お得意の文化論が僕に投げかけられる。それに応えるだけの教養がないのが残念でならない。先生と渡り合えるだけの人物になること、それから、その日が来るまで先生が元気に活躍されること。前者を達成するにはまだ月日がかかりそうである。先生の御健康を願ってやまない。
(指導担当 中山秀行会員)

新人弁護士奮闘記 第55期 常磐 重雄
“熱が出る”
 最初の個人事件は、保釈請求事件だった。保釈相当との見通しを立てたが、何しろ人生初の私一人の名前で出す保釈請求だけに不安で仕方がない。さらに、裁判官との面接の際に保釈金の話が出なかったので、面接の帰り道、猛烈に不安になった。ちょうど昼時だったので、某鮮魚丼が美味いと評判の店で昼食をとったが味がせず、その後他の仕事も全く手につかなかった。書記官から保釈許可の連絡を受けたとき、ホッとして急に全身の力が抜けたことを覚えている。
 ところが、一気に気が緩んだからか、その後、みるみる熱が出て夜には三九度になった。熱にうなされながら、「弁護士は、人の権利を預かる仕事である」という事の重さを痛感し、布団の中で、こんな思いが今後も続くのかと大変不安になった。
 それから一年近くが経過し、今ではさすがに毎回結果を待つたびに熱が出るという事はなくなった。一つの結果に一喜一憂するよりも、二の矢、三の矢の策を考えるようになったからだと思う。
 もっとも、心の中が深い川のように静かに流れているかといえば、そうではなく、立つ波は小さくなったものの、やはり事件に一喜一憂する日々は続いているし、今後もしばらく続きそうではある。

アサヒビール神奈川工場を見学 修習生一泊旅行
 10月10日に57期C班修習生の見学旅行が行われた。アサヒビール神奈川工場にてビールの製造工程を見学した後、夜は吉池旅館で指導担当の弁護士も参加しての懇親会となった。

検察庁、優勝! 三庁対抗ソフトボール
 一〇月二五日、横浜スタジアムで恒例の三庁対抗ソフトボール大会が開催された。吉本徹也地裁所長の始球式で始まった大会は、検察庁の優勝で幕を閉じた。弁護士会は二位、裁判所は三位、修習生は四位であった。終了後の懇親会では、鈴木芳夫検事正による乾杯のあと、野球談義に花が咲いた。

いろいろな相談にお応えします。
横浜弁護士会総合法律相談センター
・相談方法  面接相談(電話で予約)
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・相談時間/ 9:45〜11:45
・相談料金/ 5,000円(30分以内)
※消費税別途

編集後記
 あっというまに今年も一一月です。歳を重ねるにつれて、月日の過ぎてゆくスピードが加速されますね。「老年さらに老いやすく、学もなりがたし」ですかね。
デスク 栗田誠之 一面担当 久保義人 二面担当 須山園子
三面担当 山田一誠 四面担当 浦田修志

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