副会長 青木 孝 |
残すところ三か月である。もう終わりという気持ちとまだまだという気持ちが交差する。司法改革論議の真っ最中であり、これに対応しての時間も勿論多い。また、通常業務の処理や対外的な対応に費やす時間が多い。それだけ、弁護士会の機能が多岐にわたっていることの証左でもある。 |
しかも、市民窓口に寄せられる苦情が多い。弁護士は、依頼者との信頼が基本である。確かに、会員が本当に誠実に処理をしているのにそれでも苦情としてあがってきてしまうケースもある。市民からの苦情を聞きながら、弁護士の業務自体がトラブルの中に入り、渦中に身を投げ出す仕事なのだと痛感する。我が身も引き締めねばと何度も思うのだが。 |
副会長  |
新年です。平成一四年の事件番号をもらうつもりの訴状の起案がまだパソコンのなかでも、平成一五年です。昨年の今頃、先輩方から、副会長になれば人間として一皮も二皮もむけると励ましていただきましたが、実際には人間として一回りも二回りも大きくなりました(ああ、洋服がきつい)。紅一点ということで、他の副会長からお姫様扱いしてもらえるのではないかと思いましたが、実際には女王様扱いしてもらっています(鞭で打ったりしないから、そんなに怖がらないで)。あと残り四分の一の任期です。先輩方はこれからが大変だと言いますが、若い期の弁護士が委員会活動等で活躍している姿に接して、弁護士として誇りと元気をもらいましたので、もう一頑張りできると思います。 |
副会長 尾立 孝司 |
副会長になって、人を知る機会を与えてもらえたのは本当によかったと思います。理事者は様々な人と一緒に共同作業をすることがたいへん多い職務です。その中で、理事者同士の協議ばかりでなく、意見書、会長声明の作成、各イベントの打ち合わせなどを通じ、今まで気づかなかった知人の異才に驚かされました。よく知っていると思った仲間が、印象と異なり、準備周倒な極めて実践的な人であったとか、長年のゴルフ仲間であったこの人に、こんな文才があったなんて…、優秀だと聞いていたが、本当にこの人の分析能力には舌を巻くとか。そのことは、私にとって、自分自身に対する甘い評価を見直すいい機会でもありました。 |
ただ、少し重荷になることもありました。意見書等の作成や、イベントなどへの御協力、調停委員など外部委員の就任依頼では、多くの人に借りを作ってしまいました。最近では、知人縁者まで借り尽くしてしまって、途方に暮れる多重債務者のようでした。しかし、会則には載っていないようですが、副会長を退任すると、すべてそれらが免責され、新しい各担当副会長にすべての債務が引受される慣習法があると知り、私はホッとしてお正月のご挨拶ができます。 |
副会長 古川 武志 |
敗戦後、六〇年弱を経て、わたくし達は民主主義制度の下での経済・社会の変革という初めての歴史的経験を積みつつあります。 |
司法においても、今年は、刑事手続等様々な分野で、息つく間もなく次々と重要なことが決まっていきそうです。それを眼前にして、あるいは、わたくし達の間に失望と無力感が広がるかも知れません。 |
しかし、人が今日出来ることは、所詮、昨日の続きでしかありません。大きな船はゆっくりとしか方向を変えられないのです。 |
これから起きる一つひとつの事共の底に流れる歴史の通奏低音に耳を澄ませたいと思います。 |
副会長 田中 隆三 |
新年明けましておめでとうございます。私たち理事者は、あと、三か月で任期が満了します。エレベーターで一緒になった先生にこう言われました。「理事者というものは、任期の終わりになる頃になってくるとだんだん寂しくなってくるものだ」。 |
それで、「もうすぐ任期が満了だ」という気持ちになってきました。すると、たしかに、思いもしなかった一抹の寂しさがこみあげてくるのです。しかし、しかし、瞬く間に、予算作成をはじめ処理しなければならない仕事がまだまだ残っている現実を思い出し、一抹の寂しさは雲散霧消しました。ある人は、最後の三か月になってからが非常に長く、カレンダーの一日、一日に×をつけていく毎日だと言います。これからの三か月、なんとか平和に早く過ぎて、最後に寂しい思いを持ってみたいものだと考えています。 |
皆様にとって、今年一年が素晴らしい一年でありますようお祈り申し上げます。 |