週3〜4回は日弁連へ |
日弁連消費者問題対策委員長 石戸谷 豊 会員 |
当会でも著名な消費者問題の大家であり、なおかつ特に金融取引に関しての著作も多い石戸谷 豊会員に、委員長をつとめておられる日弁連消費者問題対策委員会についてインタビューした。 |
委員会の概要についてお聞かせください。 |
日弁連消費者問題対策委員会は、会員一〇〇名と幹事六〇名から成る大所帯です。ちなみに、幹事とは特定の専門分野に造詣の深い会員を特別に委嘱して特定テーマを担当してもらっているものです。当委員会は、全部で一二の部会((1)消費者契約法、(2)金融サービス法、(3)統一消費者信用法、(4)消費者倒産法、(5)独禁法、(6)土地・住宅、(7)宗教と消費者、(8)PL・情報公開、(9)消費者教育・ネットワーク、(10)電子商取引・通信ネットワーク、(11)ニュース・出版、(12)司法改革問題プロジェクトチーム)に分かれています。部会といっても、それだけで一つの委員会を構成できるほど幅広い分野を取り扱っていますので、正直、まとめるのもたいへんです。 |
委員長になられての感想は? |
私が委員長になったのは本年六月からです。任期は二年というのが慣行のようです。委員長を引き受けた当初は、全国から選びぬかれた消費者問題のエキスパートばかりだから何とかなるだろうという甘い見通しでしたが、実際、委員長に就任してみると、消費者保護基本法や司法改革がらみの重要な法改正問題が目白押しで、普段の時期の二〜三倍の量をこなすという感じになり、しまったと思ったのが率直な感想です。 |
日弁連にはどのくらいの頻度で通われていますか? |
全体の委員会は、二か月に一回、各部会に副委員長が各一名いて、正・副委員長会議を毎月一回、その間各部会の会議などは適時行われています。私自身は、日弁連内部の関連の会議、政府の各種審議会や研究会、それと消費者団体の会議にも参加しなければならないため、週に三〜四回くらいは東京に行くことが多く、忙しい時には一日に二往復することもあります。 |
委員会では、今、どの分野に一番力を注がれていますか? |
重要な問題が目白押しで、たいへん難しい質問ですが、やはり消費者保護基本法の改正問題でしょうか。大きな論点をたくさん抱えているにもかかわらず、年内に中間報告、来年五月に最終答申と、タイムスケジュール的に非常に厳しいもので、各部会がさまざまな論点を分担して意見書の作成をしているところです。それと、最近では仲裁の問題でしょうか。仲裁法の改正の議論の過程の最後になって突然、消費者問題においても仲裁を導入しようとの議論が出てきたため、非常に急いで意見書を作成しました。日弁連だけでなく、全国の消費者委員会がこの八月・九月は総力をあげて取り組んでくれまして、たいへんお世話になりました。 |
委員長としての抱負をお聞かせください。 |
特にありませんね。毎日がいわば崖っぷちでして、ゆっくりと抱負を考えている暇がないというか、早く後任を見つけて委員長の大役からおりたいです(笑)。
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石戸谷会員は、随所に見られる豪快な笑いが印象的であった。石戸谷会員を始め多くの当会会員が日弁連で活躍し、日弁連において当会の発言力も高まるとともに重要な役割を期待されているところ、その期待に応えようと奮闘している様子と苦労の一端を石戸谷会員の熱心なお話から窺い知ることができた。 |
(インタビューアー 二川 裕之) |