横浜弁護士会新聞

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2002年12月号(1)

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平成14年度 弁護士フェスタ関連企画
 11月30日好評のうちに開催された平成14年度弁護士フェスタのプレ企画という位置づけで、10月18日、当会川崎支部において日独裁判官物語の上映及び裁判員制度等に関するパネルディスカッション、11月9日、当会相模原支部において合議裁判実現を求める相模原地域司法改革懇話会結成総会、・懇話会発足記念シンポジウムが開催された。(10月12日に小田原支部で開催された裁判員裁判劇「城下町恋の放火事件」については本紙11月号で既報、11月22日、当会館5階で開催された中坊公平弁護士・三谷太一郎成蹊大学教授・岡田尚弁護士を招いての「国民の司法参加を考える集い」については次号掲載予定)。
あなたも裁判官?
かわさき司法フォーラム
 川崎支部は、一〇月一八日(金)夕刻「かわさき司法フォーラム〜市民と考える裁判の未来」と銘打って市民向けの集会を初めて開催した。川崎区の「いさご会館」大ホールは一二〇人の参加で、盛況だった。
 内容は、「日独裁判官物語」の上映の後、コーディネーターに岩村智文日弁連刑事法制委員会委員長(当会川崎支部会員)、パネラーに裁判官ネットワークの仲戸川隆人判事(元川崎支部裁判官)、金子泰輔当会刑弁センター事務局長、小野毅当会司法改革実現本部事務局長を迎え「裁判の現状と未来」と題したパネルディスカッションを行った。
 OHPも使用して裁判所の事件の種類ごとの事件数・人員などの現状、刑事裁判の仕組、三審制と統制の仕組などの解説の後、仲戸川裁判官から現在の裁判官の生活、他のパネラーから見た現在の裁判官像が語られた。
 そして、コーディネーターが裁判員を六人とする案を採った場合、国民の二五人に一人が裁判員となる確率であり、誰もが裁判員になる現実的可能性があり、一般の国民・市民であるあなたが裁判員になるとしたら、どんな裁判でなければならないか、という視点から問題提起を行った。
 次いで、裁判員と裁判官の人数比はどの程度でなければならないか、裁判の準備期間はどの程度必要か、証拠開示はどの程度必要か、直接主義・口頭主義はどの程度徹底すべきか、そのために何が必要か、被疑者・被告人の身柄拘束の問題点、被疑者取調の透明性はどの程度確保されねばならないかなどにつき、それぞれ現状の裁判を説明した後に各パネラーの立場から活発な討論が行われた。
 最後には、金子刑弁センター事務局長から「現状の打開は困難であり、裁判員制度の導入には反対」である旨の発言、小野司法改革実現本部事務局長から「現状とは違う裁判制度に変えるためにこそ裁判員制度の導入が必要」との発言もあり、最後まで充実した内容であった。
 アンケートも数一〇枚集まったが、「分かりやすかった」、「裁判員制度導入のためにはどんなことが必要か分かった」など好評だった。何人かの市民から、受付で頑張ってくれた支部の事務員へ「本当に良かった。ありがとうございます。」とねぎらいの言葉もかけられた。
 川崎市の広報課の協力により市の各施設法律講座にチラシを置かせてもらった他、ホームページにも載せてもらい、また、法律関連士業、法律相談センターなどの参加もあり、マスコミも前日の報道から、翌日朝刊の報道まで好意的に報道された。
 一年で終わらせることなく、これからも継続的にこのような市民集会を開催し、力のある者のための「司法改革」ではなく、真に国民の中に入ってゆく司法改革を実現するために川崎支部がはばたく第一歩となったと確信した。
(かわさき司法フォーラム実行委員会責任者・
川崎支部幹事 藤田 温久)

相模原支部で合議裁判を 相模原地域司法改革懇話会発足
 横浜地裁相模原支部では、平成六年四月新規に発足して依頼、合議制による審理は行われていない。
 同支部が取り扱う地域は、相模原市、座間市、津久井郡四町で、現在の人口は八二万人を優に超える全国的にも有数の人口過密地域。三〇万人にも満たない地域でも合議制の審理を行っている裁判所が多数存在することを思うと、同支部管内の市民が不公平・不平等な取り扱いを受け、更には裁判を受ける権利という重大な権利侵害を受けていることが黙認されているに等しい。
 このような現状を打開するため、平成一四年一月二五日、「司法と市民を考える」市民集会を開き、成功を収めることができた。その後合議制の実現にとどまらず、市民の・市民による・市民のための、よりよく且つ利用しやすい司法のあり方を考えるための相模原地域司法改革懇話会を立ち上げようと、横浜弁護士会相模原支部が中心となって、相模原市、国会議員、大学関係者などで準備を進めてきた。
 そして、国会議員、自治体の長、議長、神奈川大学学長、桜美林大学学長、青山学院大学関係者、相模原商工会議所会頭など総勢三四名の賛同者を得て、本年一一月九日、多数の賛同者の出席の下に相模原地域司法改革懇話会の創立総会を開催することができた。
 この「懇話会」は、単に市民の司法参加の実現にとどまらず、市民が司法改革の主体となり、市民自らがよりよい司法を創りあげるというようなことも目標にしたもので、全国でも初めての試み。なお、この懇話会は二か月に一度程度開催する予定。
 この「懇話会」発足を記念して、同日、東京新聞論説委員の飯室勝彦氏の基調講演に続き、合議制実現に向けてと題して、シンポジウムを開催した。
 パネリストには、飯室氏の他、埼玉弁護士会越谷支部長の山越悟弁護士、神奈川大学の中山幸二教授、青山大学の神長勲教授、懇話会初代会長の横浜弁護士会相模原支部の谷口隆良弁護士の各氏が当たり、相模原支部長が司会進行を行った。越谷支部で、管内人口が一一〇万人を超えているにもかかわらず、さいたま地裁越谷支部では、合議制はおろか、少年事件も扱っていない現状が山越弁護士から報告され、相模原支部以上な悲惨さが白日化された。
 七五分あまりの討論ではあったが、大変熱の入った中身の濃いシンポであった。最後に、相模原支部にも合議制を実施するようにとの市民宣言を採択して終了した。
関連記事3面
 (相模原支部長 大谷 豊)

山ゆり
 一年というのは早いものでもう一二月ですね。平成一四年ももう今月で終わりです
 街中にはそろそろジングルベルやもみの木などのクリスマスソングが聞こえて始めてきました
 この時期になると、そろそろ年賀状の準備をしなくてはいけないとか、今年中に終えておかなければならない仕事は…とか気持ちばかりが焦ります(毎年時期を失して失礼ご迷惑をおかけします関係者の皆様にはこの場を借りてお詫び申し上げます)
 でも反対に、クリスマスソングが聞こえてくると、年甲斐もなく何となくウキウキするのも事実です。サンタクロースを信じなくなって久しいのですが
 プレゼントをくれるサンタクロースが、実は自分の親だと気づいたのはいつだったのでしょうか。ずいぶん小さな頃だったような気がします
 それに気づいてからでも、クリスマスが待ち遠しかったのは、家族や友人達とクリスマスには楽しく過ごせることがとても嬉しかったからです。プレゼントがもらえたり、クリスマスケーキが食べられたりするのが嬉しかったことはもちろんですが イラスト
 今の日本には、プレゼント(好景気)をくれるサンタクロースはいないようです。プレゼントがないのは寂しいですが、少し我慢してこの時代を楽しく過ごすことができればと思います
 そろそろ、まだ「サンタさん」を信じてプレゼントを待っている子どものために何が欲しいかリサーチしなくては。みなさんメリークリスマスアンドハッピーニューイヤー。
(渡辺 穰)

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