横浜弁護士会新聞

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2000年5月号(3)

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本年4月から関弁連理事長に就任した小林嗣政会員にその抱負をお聞きした
―関東弁護士会連合会とはどのような団体でしょうか。
 「関弁連」と略しますが、東京高裁管内の単位弁護士会が共同してその地域にふさわしい活動をするために弁護士法四四条で設けられた法定団体です。
 構成は、東京三会及び横浜を含めた関東一○県の各弁護士会で、全国約一七、○○○名の弁護士のうち約一○、○○○名が所属しており、内訳は東京三会が約八、○○○名、他の一○県の弁護士会が約二、○○○名です。
 主な事業ですが、関弁連管内の弁護士会と日弁連の連絡を密にして、司法の発展に寄与するために、東京高裁及び東京高検と司法協議会を開催し、また、各種委員会活動を行なっています。
 重要問題を決定する理事会の構成ですが、東京三会の担当副会長及び他の一○県の会長が常務理事に、東京三会の会長が(平)理事になります。
―関弁連の抱える問題点を教えて下さい。
 東京三会が日弁連と密接な関係を有しているため、他の所属単位会の意見が日弁連に反映しにくいきらいがあります。
 原因は、東京三会の会長は日弁連副会長を兼任し、日弁連と同一会館内に事務局を持ち、地理的にも、人的・物的にもきわめて密接であること、会員数が圧倒的に多いこと、委員会活動が活発なため、実際上東京三会の意見が日弁連で大きな重みを持つこと等からだと思われます。
 その結果、東京三会としては、意思反映機関としての関弁連に意味を認める必要が少なくなり、役員構成、委員会活動等の面で、関弁連軽視となるおそれがあります。
 他方、他の弁護士会としては、東京三会の陰に隠れて十分な意思反映ができないという不満が出てきます。
 そこで、他の弁護士会は、関東十県会という任意団体を作ったのですが、関弁連としては、以上のような現実を踏まえて、本来の使命の実現を模索しなければならない所に最大の難しさがあると考えています。
―関弁連として、使命実現のためにどのような工夫をしようと考えていますか。
 従前から、関弁連の常務理事会では、日弁連の議題も併せて検討し、その意見が日弁連に反映できるように努力しています。
 さらに、東京三会の会長が関弁連の常務理事を兼任していない現状を踏まえ、平成一一年度には東京三会の会長と十県会の会長による懇談会を四回開きました。
 平成一二年度は、十県会の世話人会である当会の永井会長とも連携して、これをさらに進めたいと考えています。
―当会会員へのメッセージをお願いします。
 単位会の委員会活動に積極的に参加し、会務に興味を持っていただきたい。日弁連への意思反映には、実務的基盤、人的繋がりが不可欠だからです。
 私は、この一年出来る限り午後は、東京の弁護士会館一四階の事務局に常駐するつもりですので、是非気楽にお寄りいただきたい。そして、忌憚のない御意見を伺いたいと考えています。
 この一年間少しでも関弁連の役割を前進させることが出来ればと思いますが、そのためには会員の方々の熱意と支持が不可欠です。何卒よろしくお願いします。

離婚事件の依頼者の気持 少しはわかるかな?
51期  新井 聡子
 昨年の四月から山本安志法律事務所で働いております。
 仕事を始めて、はや一年が経ちました。失敗談は相当あり、裁判所に原告と被告とが混乱した準備書面を提出して再提出を命じられたり、管轄のない裁判所に訴状を提出してみたりと、皆さんには考えられないようなことをしでかしてきましたが、幸いなことに、依頼者の方に致命的な影響を与えるような失敗はせずに過ごすことができました(と思います)。依頼者に恵まれたこともあり、というよりボス弁が問題のない事件を私にやらせてくれているということですが、もう弁護士なんか辞めたい、と思うような事態には遭遇しないで、なんとか毎日元気に仕事に励んでおります。
 さて、私事で恐縮ですが、昨年結婚いたしました。何の意味もなく益もなくけんかをするなど、言葉では言い尽くせぬ夫婦の理不尽さを身をもって体験し、離婚事件の依頼者の気持ちも少しはわかるようになったかな?と思っています。離婚事件の依頼者(夫)の母親に、「○○さん(依頼者の妻)は、仕事を理由に、食事は外食、掃除も適当、洗濯なんかうちの息子がしてるんですよ!私は息子がかわいそうで、かわいそうで」などと涙ながらに訴えられたときには、かなりどきっとしましたが。
 仕事においても、生活全般においても、まだまだ悪戦苦闘が続きそうですが、こつこつ頑張ります。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

常議員会レポート
司法改革問題に関する当会の意見まとまる
《第一二回》第一二回常議員会は出席者一五名を得て開催された。

第1号議案  緊急斡旋弁護士制度についての承認の件

   議案としては撤回し、報告事項とされた。

第2号議案  横浜弁護士会事務職員ベースアップ実施の件

   新しい就業規則に基づく初の昇給で、理事者からの詳細な説明の上、承認可決された。
第3・4号議案
横浜弁護士会各種委員会委員等選任の件、日弁連・関弁連関係各種委員会委員等候補者推薦の件
   人事委員会の推薦を受け、異議なく承認された。
第5号議案  裁判所・行政関係各種委員会委員等候補者推薦の件
   人事委員会の推薦を受け、異議なく承認された。
第6号議案  法律事務所法人化に関する日弁連中間報告に対する当会の意見の件
   議案としては撤回され、常議員の意見を広くもとめることにし、活発な討論がなされた。その中では、重要な議案であり、関連委員会の意見を広く集め、早急に会としての意見として纏めるべきであるとの意見が強かった。次年度における早急な意見集約が望まれるところである。
第7号議案
日弁連定期総会及び臨時総会に関する会則等の諸規定の見直しについての意見照会の件
   理事者がこれまでの経緯を説明し、承認の方針である旨表明があり、審議の結果、賛成するということで承認された。
第8号議案  司法改革問題に関する当会の意見の件
   理事者より委員会において検討された意見書が提示され、法曹人口問題・法律事務独占問題・ロースクール構想問題等についての意見書を検討し、文案の訂正については、理事者が委員会の意見を聞いた上で訂正することとし、理事者一任ということで承認可決された。非常に重要な議案であり、今後の議論の基本となるところなので、是非一読されたい。
第9号議案  人権救済申立に対する要望書の件(継続)
   承認可決された。なお、送付先については理事者一任となった。
第10号議案 弁護士業務広告の原則自由化に関する当会の意見の件
   議案としては撤回され、常議員の意見を聞きたいとのことで、活発な議論がなされた。なお、平成一○年度の常議員会に於いて承認の議決があったことが報告された。
第11号議案 臨時総会提出議案承認の件
   退任する綱紀委員の補充に関するもので、承認可決された。
[報告事項]
前回議論された入会申込者が、申し込みを取り下げた旨報告された。
 
《第一三回》第一三回常議員会は出席者二○名を得て開催された。

第1乃至3号議案
横浜弁護士会各種委員会委員等選任、日弁連・関弁連関係各種委員会委員等候補者推薦、裁判所・行政関係各種委員会委員等候補者推薦の件

   いずれも、人事委員会の推薦を受け、異議なく承認された。

第4号議案 会館補修資金免除の件

   会費免除となる会員の分割会館補修資金の未払い分に対する免除で、承認可決された。
第5号議案 国旗国歌法に関する会長声明の件
   承認可決された。これは前回の会長声明後の教育委員会等の具体的指導やアンケート調査等の動きに対し、なされたものである。
第6号議案 入会申込者の入会許否の件
   一名の登録換と、二一名の修習終了予定者についてのもので、修習終了予定者については、修習終了を条件としていずれも承認された。
第7乃至9号議案 本部・支部・パート職員給与定期昇給の件
   担当理事から詳細な説明がなされ、いずれも承認された。
第10号議案 法律相談センター電飾看板新設の件
   関内駅の電飾看板設置について審議された。設置料が一三万円、年間使用料が一○○万円との説明があった(別途消費税)。経費支出の固定化や費用対効果等についての質問も出たが、審議の結果、承認された。
緊急議案第1号 役員交際費等の支出基準承認の件
   承認された。
緊急議案第2号 司法制度改革審議会対策特別委員会委員選任の件
   人事委員会の推薦を受け、異議なく承認された。
   今回をもって、平成一一年度常議員会の全日程は無事終了致しました。
(副議長  箕山 洋二) 

常議員からズバリひとこと
 三月常議員会では、事務所法人化、法曹人口、弁護士法七二条などの当会意見書が審議された。ともあれ任期が満了した。私自身欠席は一四回中四回で成績は若干よろしくない。発言は全体で五〜六回した程度であった。議長のさい配で議事はスムーズで、それほど大きな紛糾はなかった今期であるが、怒濤のような改革論議の中で追いついていくのも大変だというのが勉強不足の私の弁である。ただ、そういう会員も比較的多いのではないか。
(三八期 中村 宏) 

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