本年4月から関弁連理事長に就任した小林嗣政会員にその抱負をお聞きした |
―関東弁護士会連合会とはどのような団体でしょうか。 |
「関弁連」と略しますが、東京高裁管内の単位弁護士会が共同してその地域にふさわしい活動をするために弁護士法四四条で設けられた法定団体です。 |
構成は、東京三会及び横浜を含めた関東一○県の各弁護士会で、全国約一七、○○○名の弁護士のうち約一○、○○○名が所属しており、内訳は東京三会が約八、○○○名、他の一○県の弁護士会が約二、○○○名です。 |
主な事業ですが、関弁連管内の弁護士会と日弁連の連絡を密にして、司法の発展に寄与するために、東京高裁及び東京高検と司法協議会を開催し、また、各種委員会活動を行なっています。 |
重要問題を決定する理事会の構成ですが、東京三会の担当副会長及び他の一○県の会長が常務理事に、東京三会の会長が(平)理事になります。 |
―関弁連の抱える問題点を教えて下さい。 |
東京三会が日弁連と密接な関係を有しているため、他の所属単位会の意見が日弁連に反映しにくいきらいがあります。 |
原因は、東京三会の会長は日弁連副会長を兼任し、日弁連と同一会館内に事務局を持ち、地理的にも、人的・物的にもきわめて密接であること、会員数が圧倒的に多いこと、委員会活動が活発なため、実際上東京三会の意見が日弁連で大きな重みを持つこと等からだと思われます。 |
その結果、東京三会としては、意思反映機関としての関弁連に意味を認める必要が少なくなり、役員構成、委員会活動等の面で、関弁連軽視となるおそれがあります。 |
他方、他の弁護士会としては、東京三会の陰に隠れて十分な意思反映ができないという不満が出てきます。 |
そこで、他の弁護士会は、関東十県会という任意団体を作ったのですが、関弁連としては、以上のような現実を踏まえて、本来の使命の実現を模索しなければならない所に最大の難しさがあると考えています。 |
―関弁連として、使命実現のためにどのような工夫をしようと考えていますか。 |
従前から、関弁連の常務理事会では、日弁連の議題も併せて検討し、その意見が日弁連に反映できるように努力しています。 |
さらに、東京三会の会長が関弁連の常務理事を兼任していない現状を踏まえ、平成一一年度には東京三会の会長と十県会の会長による懇談会を四回開きました。 |
平成一二年度は、十県会の世話人会である当会の永井会長とも連携して、これをさらに進めたいと考えています。 |
―当会会員へのメッセージをお願いします。 |
単位会の委員会活動に積極的に参加し、会務に興味を持っていただきたい。日弁連への意思反映には、実務的基盤、人的繋がりが不可欠だからです。 |
私は、この一年出来る限り午後は、東京の弁護士会館一四階の事務局に常駐するつもりですので、是非気楽にお寄りいただきたい。そして、忌憚のない御意見を伺いたいと考えています。 |
この一年間少しでも関弁連の役割を前進させることが出来ればと思いますが、そのためには会員の方々の熱意と支持が不可欠です。何卒よろしくお願いします。 |