固定残業代って有り？

まず、労働基準法上、時間外労働や休日労働、深夜労働があった場合には、会社は、労働者に対し、法定の計算方法により算出される金額以上の割増賃金を支払わなければならないこととされています。労働基準法は、あくまで法定の計算方法によって算出された額以上の割増賃金を支払うことを義務付けるにとどまり、特定の支払方法を取ることまでは義務付けていませんので、毎月定額の残業代（固定残業代）を支給すること自体は直ちに違法とはなりません。

もっとも、固定残業代として支給した額が法定の計算方法によって算出される割増賃金額を下回る場合，その差額を割増賃金として支給しなければなりません。

また、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを判別することができず、時間外、休日、深夜労働の対価として支払われていると認められない場合は、そもそも固定残業代を割増賃金として支給したものとはいえず、固定残業代に当たる部分が通常の労働時間の賃金として扱われることがあります。

ご質問のケースの場合、営業手当が固定残業代として支給されているかどうかが、質問者様と会社との間の労働契約上不明確なので、時間外労働等の対価として支給されているとはいえない可能性があります。

会社との協議が調わない場合は、最大３回の期日で迅速に労働問題を解決する労働審判などの法的制度の活用も検討する必要があります。特に残業代請求は論点が多岐に亘ることもありますので、どのように解決すべきか弁護士にご相談されることをお勧めいたします。