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〈第50期〉茆原正道
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この一年間は、沢山の弁護団事件や研究会等に参加し、多数の国選事件や少年事件、扶助事件などやってきました。テニスや将棋などにも合間見ては参加して、いろんな人にお目にかかって、充実していたと思います。金や年のことは考えず、金は後から付いてくる、年は後から取ってくる、という感じで…。
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国選事件では、八回も接見した前科一三犯の猛者被告人が五回目の接見で泣きだし、これからは立ち直ると約束したので、「今まで大事にされなかったのだなあ。」と、やはり弁護士は天職だったとハリキッたのでした。
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ところがそれからは随分我儘な被告人に引っ張り回され続け。
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イラン人が「不安で一杯。面会来て」と電報を打ってきたので、無理して行くと「私の彼女急に来なくなった。事故に遭ったか心配。金なんか彼女に全部あげてもいいと思っている。是非見てきて欲しい。」と。オっ！何と美しい愛情だと思い、暑い日にアパート訪ねて、留守なので手紙置いてくると、彼女から速達が。「彼を愛してます。私は蝶となり、空気となってイランに飛んで行きます。」と。そこで、彼に伝えると「それは嘘。私の金を持ち逃げした。あなた告訴状書いて欲しい。私捕まってるから何も出来ない。警察訴えて彼女捕まえて欲しい。金取り戻して！」てなことで、すっかり振り回されたり…。
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酒で失敗して反省したはずの被告人から、執行猶予付いた瞬間、手紙が。「先生、今度飲みに行きましょう。」
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執行猶予付いても本国に送還される前の外国人については、日本で働いた時の未払給料があれば、取り立ててあげましたが、日本人の経営者が誠実に払ってくれたのはちょっと意外でした。「私、もっと、一日多く働いたの。」とわめいて泣き散らす被告人もいたりして、大変だったりしましたが、タダで動いている分なのに…。
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最近、関心があるというか、やらねばと思っていることは、被害者救済の見地から、賠償能力もなく、余りひどい結果に対しては、犯罪被害者給付金支給法の手続きへの橋渡しをすることです。
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「もっと私の請けた事件を一緒にしてくれるはずだったのに。」という妻の不満を横目に、この一年間、とにかく忙しく、元気に走り回ってきましたが、これもひとえに横浜弁護士会の諸先輩に暖かく迎えられ、導かれてのことだった、と振り返って感謝の気持で一杯です。これからもどうぞよろしくお願いします。
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会員 小林 嗣政
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右財団の事業目的として、寄付行為第四条は「この法人は、法及び司法制度の研究並びにこれらの研究に対する助成、法律実務に携わる者の研修等を行うことにより、法及び司法制度の研究の深化並びに法律実務の改善を図り、もって法の支配の確立に寄与することを目的とする。」と規定し、法律実務に携わる者の研修・研究等を目的としています。
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かねて日弁連は、右の様な研究機関設置の必要性を考えてきましたが、竣工予定であった弁護士会館の記念事業として、右研究機関の実現に向け準備を進めることとし、平成六年二月理事会で設立のための準備委員会設置の承認を受け、同準備委員会での検討を経て、平成一〇年四月財団設置に至った次第です。
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法律実務研究機関としては、裁判所に司法研修所、法務省に法務総合研究所、税理士会に日本税務研究センターがあり、夫々有意義な役割を果たしているところですが、日弁連が中心となり隣接業界（学者・税理士・司法書士・弁理士・企業家等）にも呼びかけ、長期継続的視野に立った研究や情報の蓄積、更には高度専門的な研修等のセンターの存在が切望されるところです。
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昨年漸く右目的に添った財団が設立され、全国九ケ所における一般研修、二ケ所での専門家研修、一〇のグループに対する研究委託、ホームページの開設、機関誌ＪＬＦニュース（ＪＡＰＡＮ ＬＡＷ ＦＯＵＮＤＡＴＩＯＮ）三号までの発行等、この一年間一生懸命の活動をしてきました。理事長に就任した新堂幸司先生は、財団の事業に殊の外熱心で、日弁連関連行事には出来る限り出席し財団充実のための宣伝に努めております。
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財団の行う研修と日弁連研修委員会の研修との競合についてはどうかとの意見もありましたが、やはり長期継続的な展望に立ち、隣接業界の参加を得た研修・研究活動と情報蒐集のためには、独自のセンターが必要であることが理解され、順次加入者が増え、第二年度である本年は隣接業界への呼びかけに力を入れることとなっています。
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当会では本年初め研修委員会内に、財団のための部会を設置しましたが、将来は財団の支部となるべく予定しております。
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財団の現状は発足したてでもあり、皆様方に充分なご理解を得難いところもありますが、私の希望としては、この財団は私達が育てるものであり、やがて私達や後輩のためにかけがえのない貴重な存在となってもらいたいと考えております。
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右のような経緯をご理解のうえ、未加入の方は是非ご加入下さるようお願いする次第です。
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