横浜弁護士会新聞

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1999年10月号(1)

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県民集会 12月2日(木)午後6時〜関内ホール
21世紀のあるべき裁判 制度をテーマに
 本年度の県民集会を、一二月二日(木)午後六時から関内ホールで開催する。
 本年度は、法曹界をとりまく司法改革の大きな流れの中で県民とともに司法制度改革を考えることが重要であるとの認識のもとに、「あなたが変える日本の裁判〜司法改革はあなたが主役」というテーマでシンポジウムを行う。
 日弁連は『市民に身近で信頼される司法の実現』という観点から司法改革ビジョンを提案している。法曹一元、陪・参審制、法曹人口の増大及び法曹養成制度、被疑者国選弁護制度等について種々の観点からの検討をしたうえ、二一世紀の裁判制度を大きく改革しようとする方向性を示している。
 他方、内閣に設置された司法制度改革審議会では、司法制度全体について政財界や国民の各界の意見を取り入れた改革のための論議をすることが予定され、月二回という早いペースで会議を行い、二年以内に答申を出すとされている。このような短い期間での審議において十分な情報の提供と本質をふまえた論議がなされるかにつき、危惧の声もあり、審議の内容を多角的な観点からチェックする必要がある。当会においても十分に論議のうえ、問題点を指摘し、積極的に意見表明をしていかなければならないと考えられる。
 当会ではこのような状況の中で、司法制度改革の問題を、本年度取り組むべき最重要課題ととらえ、司法制度改革審議会対策特別委員会を設け、検討を続けている。
 本年五月には「日独裁判官物語」上映会を企画し、参加した市民からも好評を得た。また、司法改革に関連する問題につき、七月二一日に「法曹人口問題」、九月二九日に「法曹養成問題(ロースクール構想)」をテーマとして県民集会プレシンポを開催し活発な議論がなされた。更に、前記司法審対策特別委員会では、一〇月二日(土)午前一〇時から午後四時まで、法曹人口問題や法曹養成問題に関して「徹底討論」を企画した。
 このような会内での活発な論議をふまえて、本年度の県民集会は「あなたが変える日本の裁判〜司法改革はあなたが主役」をテーマとして、シンポジウムを開催することとなった。パネリストとして、神戸大学教授宮澤節生氏、弁護士梶田英雄氏(元裁判官)、弁護士田川和幸氏(弁護士任官経験者)、ジャーナリスト江川紹子氏らを予定しており、寸劇や会場からの発言を求めること等も考えられている。
 本年度のテーマは、二一世紀のわが国の裁判制度のあるべき姿を考えるという面と、我々弁護士の業務において少なからぬ変革をもたらすという面の重要な問題を含んでいる。本年度の県民集会に多数の県民の方々と会員が積極的に参加されるよう期待してやまない。
(副会長 齋藤 芳則) 

今年の人権賞は誰の手に?
 一二月二日の県民集会当日の午後六時より、第四回横浜弁護士会人権賞の贈呈式が行われる。
 人権賞は、人権侵害に対する救済活動や、人権思想の普及・確立のための活動に優れた功績を挙げた県下の個人・団体に授与するために、横浜弁護士会が一九九六年(平成八年)に設けた賞である。今年で四回目となる。
 過去の受賞者は、第一回が、川崎公害裁判で尽力された故深澤キク江氏、第二回が「かながわ・女のスペース“みずら”」及び「京浜協同劇団」、第三回が、「横浜ダルク・ケア・センター」及び「女の家“サーラー”」であった。
 今年は、九月一〇日の推薦締め切り日までに一一件の推薦があった。現在、推薦のあった個人・団体に関する資料を整理しており、間もなく選考委員に資料を送付する予定である。その上で、一一月四日に選考委員会が開かれ、受賞者の決定がなされる予定になっている。
(人権救済基金運営委員会 委員長 輿石 英雄) 

関東十県会夏期研修会 公証実務をめぐる諸問題をテーマに
 関東十県会夏期研修会が八月二八日、甲府富士屋ホテルにおいて開催された。毎夏恒例の研修会であるが、甲府盆地の残暑はことのほか厳しく、うだるような暑さだった。しかし、会場内は冷房も効き、「公証実務をめぐる諸問題」をテーマに有益な研修会であった。
 開催会である山梨県弁護士会は会員数五〇名の少数単位会であるが、会員の多くが一年以上前より準備を進めてきたとのことで、その成果は、当日の充実した研修会及び刊行本(後日、会員に配布)に表れていた。
 研修会では、遺言能力の有無の判断、「相続させる」との文言の意味といった典型的な問題から、尊厳死や定期借地権につき公正証書を作成する場合の留意点など時代を反映した問題、更には、成年後見制度その他新たな法律改正がなされた場合に公証人の職務はどのように変わるのかといった、今後の問題等九つの論点につき報告があった。当日は、公証実務のスペシャリストである倉田卓次・吉井直昭両弁護士をパネリストに迎え、各論点毎にコメントがあり、有意義な研修会であった。
 我々は、実務において公証制度をたびたび利用するが、その多くは遺言や消費貸借及び賃貸借であり、公証制度全般につき必ずしも熟知しているわけではない。ところが、研修会及び本書では、紛争の未然防止や証拠保全の視点、新民訴法における宣誓認証制度の活用方法、事実実験公正証書と特許権侵害訴訟との関連性なども紹介されており、今後の参考資料として大いに活用が期待されよう。
 研修会後の懇親会では、山梨名産のワインと地ビール、ほうとうが振るまわれ、帰りの電車を気にしながらも、歓談の輪がいくつも広がっていた(なお、当会から研修会には二二名の会員と修習生二名が参加した)。
(副会長 佐藤 修身) 

山ゆり
 ウィンドウズのパソコンにはマインスイーパーというゲームが入っている。爆弾の隠されているマス目を避けて、全てのマス目を開いてゆくというゲームである。爆弾の位置を推理しなければならないので、結構頭を使う。また、終了までの時間がスコアになるので迅速さを要求される。さらに、間違えたマスを開けてしまうと、爆弾が爆発したちまち終了となってしまうので集中力も必要だ。単純ながら奥が深いゲームだと思う
私はこのゲームに修習時代、病的にはまってしまった。一時は周囲が真剣に心配するくらいのめりこんだ。やればやるほど上達してスピードが上がって行くのが楽しく、友人とスコアを競い、朝から晩まで、腕がしびれ目がかすむまでマウスをクリックし続けた。未だに起案をしなければとパソコンを立ち上げながらも、行き詰まると知らず知らずにマインスイーパーに逃避してしまうことが多々ある。止めようと思って、容易に止められるものではないのである
膨大な時間を浪費して漫然とゲームばかりやってしまう自己嫌悪の中で、私は目先の快楽に流される人間の弱さを痛感した。幸いはまったのが無害なパソコンゲームだったから良かったものの、自分が置かれた環境いかんによっては、それは、ギャンブルや、ひょっとしたら薬物であったかもしれない。仕事上、問題行動について「何度も止めようと思いました。でも止められなかった。」と嘆く人に多く出会う。それは、姿を変えた自分だとも思う やきいも
ちなみに、私のマインスイーパーのハイスコアは、初級五秒、中級三五秒、上級一一六秒である。我ながら早い、と思うのだが…。
(浜田  薫) 

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