横浜弁護士会新聞

2011年4月号  −1− 目次 

国選弁護人の付添人就任努力義務 定まる
 2月24日、当会会館5階会議室において臨時総会が開催された。当会の支部会規の改正や、日本司法支援センターの調査依頼等に対する取扱い会規の改正その他の議案が審議され、全ての議案が賛成多数で可決・承認された。
第1号議案
横浜弁護士会支部会規一部改正の件
 増井副会長から提案理由が次のように説明された。当会の会員数が1200名を超え、各支部の会員数も増加する中で、会務負担が過大となっている支部役員のみならず、支部の各種業務・行事を担当する機関が必要とされている。そこで、支部に委員会を設置して、支部での会務負担の平準化を図る必要がある。
 さらに、増加する支部会員相互の懇親・交流を深めるためにも支部委員会の設置が有効であり、特に、若手会員の飛躍的増加に鑑み、研修委員会の設置が急務と考えられる。そこで、各支部の委員会活動について横浜弁護士会支部会規上の根拠を創設するとともに、支部と本会の各委員会間の調整のために、支部委員会設置細則の制定につき常議員会の承認を要件とする等の支部会規改正を行う。
 この議案は、全員一致の賛成により可決承認された。

第2号議案
日本司法支援センターの調査依頼等に対する取扱い会規一部改正の件
 浦田副会長から提案理由が次のように説明された。日本司法支援センター(法テラス)の契約弁護士が法テラスとの契約に違反した場合において、国選弁護人契約違反については、法テラスの行う措置の前提となる調査依頼等に関して当会が積極的に関与する制度がある。
 しかし、民事においては、調査依頼等は任意的なものとなっている。法テラスの行う措置が弁護士に対する重大な不利益処分となるため弁護士自治の観点から、さらに適正手続の担保の必要性から、民事においても当会が積極的に関与する制度を設ける必要がある。そこで、法テラスとの間で、かかる協定を締結する前提として、民事における契約違反等の場合に当会の担当委員会において調査を行い、その結果等を法テラス側に通知するという刑事の場合と並行的な手続を会規として制度化することとした。
 この議案は、全員一致の賛成により可決承認された。

第3号議案
刑事弁護人等の推薦等に関する会規一部改正の件
 栗山副会長から提案理由が次のように説明された。現行制度では、少年被疑事件における国選弁護人の選任の効力が家裁送致後に失われ、また、いわゆる逆送決定の場合にも同様の結果となる。
 しかし、そもそも一連の手続である上、付添人の活動期間が限定的であり、少年との信頼関係の構築が重要で継続的受任が必要であるところ、現行制度がその障害となっている。かような現状に鑑み、少年被疑事件の国選弁護人が原則として当然に付添人となるという会員の意識を醸成するため、国選弁護人の付添人就任等の努力義務を会規に規定することとした。
 この議案は、全員一致の賛成により可決承認された。

第4号議案
全面的国選付添人制度実現を求める決議の件
 栗山副会長から、少年審判での国選付添人制度が極めて限定的であり、日弁連が特別基金による付添援助制度を設け、会員の経済的負担により、これを補っている。しかし、付添人選任権の保障は本来国の責務であることから、社会に対して全面的国選付添人制度の必要性を訴えていくため、その実行を求める決議を提案するとの説明があった。
 この議案に対しては、出席会員から、付添人が選任されずに事件を重ねた少年について初めて付添人が選任され、その更生に効果があったという体験に基づく意見が表明され、全員一致の賛成により可決承認された。

 他に、委員会の人事案件があり、圧倒的賛成多数で可決承認された。

山ゆり
 チュニジアを発火点とした自由を求める民衆のうねりは北アフリカ諸国を飲み込み、今、中東諸国にも及ぼうとしている
革命という言葉がノスタルジーの領域に追いやられ、インターネットの海ではリアリティを失った個人が茫漠と漂流する日本
TVニュースから流れてくる「革命」の映像は、この日本で、まるで違う宇宙で起きている出来事のように感じられる
この国では、議会制民主主義が末期的な機能不全を起し、訳知り顔が『国民のために』離合集散を繰り返しているが、自由の獲得を標榜している政党も政治家も僕の知る限りでは存在しない
これだけ混迷を深めていても、自由を当然のように享受できることを、僕たちは幸せに思わなくてはならないのだろうチューリップ
ただ、先日226事件に関する文献を読んでいて、怖いくらいに現在が、昭和初期の日本と重なることに思い至った
長引く不況と政治の迷走の先に待っていたのは、軍国主義の熱狂と生命・自由を生け贄にしたあの暗い時代だった
僕たちの多くは、デモも流血も最早必要がないと思っている。それが幻想と呼ばれないよう歴史から真剣に学ばなければならない。
(山田 一誠)

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