横浜弁護士会新聞

2007年3月号  −2− 目次

DV事案について緊密に連携 横浜市女性福祉相談員との連絡会議
 当会では、このところ毎年度、横浜市各区の福祉保健センターから女性福祉相談員を招き、共通の課題であるDV事案への対処を巡って情報交換、意見交換を行っている。本年度は1月15日、弁護士会にて平成18年度の連絡会議を開催した。

 当日当会からは、芳野直子副会長の他、紛争解決センターから橋富雄副委員長、人権擁護委員会両性平等部会から部会長以下5名の弁護士が出席し、司法支援センターからは法テラス神奈川の佐藤昌樹副所長も参加した。

 報告内容として、当会からは、DV事件担当名簿の稼働状況について、平成17年度は、名簿登録の弁護士数が28名であるのに対し、行政からの申込件数が62件に上っていることなどが報告された。この報告を基に、名簿のさらなる充実に向けての方策や、名簿の使い方、事件の選別などを巡って意見が交換された。
 次いで、昨年10月にスタートしたばかりで、相談員の方々にも関心の高い法テラスの民事法律扶助事業について、佐藤法テラス神奈川副所長から適用の要件などの説明があり、質疑応答が行われた。書面による簡略化された審査になったことで、法律扶助協会当時よりも決定が早くなり、DV事件についても、保護命令申立事件などで一層迅速な対応が可能になったことが確認された。
 さらに、紛争解決センターの橋副委員長からは、新しく平成19年春から始まるADRの認証制度について説明が行われ、当会紛争解決センターを離婚事件にも活用していただきたい旨の発言があった。
 このように横浜市との間で緊密な関係を保っている一方で、弁護士からは、昨年12月28日に横須賀支部に申し立てた保護命令申立事件の番号が第1号であったことが報告されるなど、県下の法的サービスの提供の均一性を危ぶむ発言もあり、今後は県下の横浜市以外の市区町村における相談員との連携も視野に入れた拡大的な運用が期待される。
(会員 竹内 克己)

会館調査検討委員会について
 「会館調査検討委員会」(以下、「当委員会」と言います。)と言っても、会員のみなさんにはピンと来ないかも知れません。
 平成13年までの横浜弁護士会には、「総務委員会」という委員会が存在していました。「総務委員会」は、職員の採否や給与等の待遇問題、会の財政問題、人事問題など、他の委員会に属さないあらゆる重要事項を審議して執行部に意見具申をする機関であり、実質的には常議委員会に次いで重要な委員会とされていました。そして、会館に関する全ての問題も「総務委員会」で審議されていました。
 しかし、「総務委員会」は、担当する事項が重要であるにもかかわらず、その担当範囲が広すぎて機能不全に陥りそうになったため、平成13年をもって廃止され、現在の「事務局運営室」、「財務室」、「人事委員会」が創設されました。しかし、「総務委員会」で扱っていた会館に関する諸問題を扱う機関が設立されなかったため、以後は、会館の補修・改修問題や、将来の会館のあるべき姿などを検討する部門がなくなり、迫っていた屋上防水工事や外壁改修問題などの喫緊の課題にも適切に対処することができないという事態を招来しました。会館の屋上防水や外壁改修といった問題は、弁護士活動、弁護士会活動に重大な影響をもたらす問題であり、これを扱う機関がないというのは極めて大きな問題でした。このため、これを機に会館の諸問題を扱う委員会として、平成16年4月に創立されたのが当委員会なのです。
 会館の維持運営に関する問題は、ご都合主義的に処理をすることは許されません。日々生起する諸問題も長期的な視野、展望を見据えて実行しなくてはならない問題です。その意味で、単年度で終わる執行部任せにすることはできません。ここに当委員会の重要な存在意義があります。

当委員会の担当する課題は多くありますが、基本的には、

(1)常時発生する会館補修問題、

(2)会館の維持・管理・保全問題、

(3)将来の新会館建設と費用負担問題、

(4)支部会館の設備問題

などを検討し、執行部に意見具申をしていくことになります。

 これまでに検討をし、執行部において実施されてきた事項については、総会に提出済みの会務報告に委ねますが、一点だけは述べておきたいと思います。
 それは、「将来の弁護士会館はどうあるべきか」ということです。弁護士会を取り巻く環境は大きく変化をしています。これまで弁護士会が担ってきた「国選弁護」、「法律扶助業務」、「法律相談」などが「法テラス」に移行しただけでなく、弁護士大増員時代を控えて、毎年多くの会員が当会に入会をしてくることになります。こうした社会情勢を踏まえ、弁護士会館はどうあるべきかを真剣に考えなくてはなりません。
 これから幾通りものシュミレーションをしながら、自前の会館を持つ必要性の有無、新たな会館を持つ場合の場所や規模、そして経費負担のあり方などを検討していくことになりますが、その作業には近々に着手しなくてはならないと考えています。
 こうした会館問題が会員のみなさまにとっても極めて大事な問題であることは言うまでもありません。どうか、会員のみなさまの真剣なご意見も頂戴したいと思いますので、これからも宜しくお願いいたします。
会館調査検討委員会
委員長 箕山 洋二

常議員会のいま 弁護士会に見られている
会員 髙橋 瑞穗
 常議員会は、弁護士会全体の重要議題を審議する場であるが、一方個別の会員の問題についての議題もかなり取り上げられる。
 入会申込者入会許否の件については、ほとんど毎回審議され、そのたびに申込者の経歴等が回覧される。自分が入会した当時提出した資料も、これだけの人数の常議員の目に触れていたのかと思うと恥ずかしい気もする。さらに登録換希望者については、面接をした延命副会長が、会務への参加の意思、国選、当番への登録の意思などを報告し、ユーモアを交えて紹介をする。
 その他会員の会費免除の件、他機関からの推薦依頼の件などの議題もあるが、今年度は会費を滞納している元会員への督促の問題、刑事手続を受けている会員に対する対外的な対応の問題など、非常に生臭い問題も議題に上った。
 弁護士自治というからには個々の弁護士の自覚が重要であることは当然のことであるが、依頼者のみならず弁護士会にも見られているのだということを、肝に銘じておかなければならないと強く思った次第である。

コーヒーブレイク(3)
 弁護士会新聞の第1号に新入会員が紹介されている。その中に、私の紹介もある。私は、その年に広報委員になった。それから広報委員をやり続け、この3月号をもって広報委員にピリオドをうつ。
 私は、広報委員会には強い愛着を持っているが、他にも同じ気持ちを持っている会員は多いと思う。
 他の委員会にもその委員会に強いこだわりと誇りを持っている会員が、また多いと思う。
 私は、委員会活動を通じて、弁護士の楽しさ、苦しさ、業務の進め方、同業者との接し方など様々なことを覚えた。
 弁護士会は、委員会活動が一つの柱であり、その活動の成果が我々の業務にフィードバックされ、我々の業務を直接・間接に支えてくれている。
 ところで、広報委員会に関して言えば、将来的には弁護士会新聞という名称はともかく、これをA4版にして、実務に役立つ記事や新たに赴任してきた裁判官、検察官の詳しい自己紹介、また、それぞれの会員がどのような活動をしているか(趣味や自己紹介、最近の出来事でもよい)、詳しい記事をどんどん掲載して情報誌化してゆくのも一つの方向かもしれない。
 それが、会員数が激増することが予想される当会に、「当会」の伝統を残していくひとつの手段とも思える。
 この記事を書くために、弁護士会新聞第1号の自分の写真を見た。見た目の激変に、へこんだ。
広報委員会 
委員長 田中 隆三

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