横浜弁護士会新聞

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2005年6月号(2)

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あなたも参加しませんか 専門実務研究会好調なスタート
本間 豊 会員
 去る3月15日、当会5階会議室に多数の専門実務研究会参加予定者が集まって、横浜弁護士会専門実務研究会の合同設立会が開催されました。
 すでに代表幹事、幹事あるいは連絡係が決まっている研究会は、知的財産法研究会、倒産法研究会、マンション法研究会、インターネット法律研究会、遺言・相続研究会、会社法研究会、金融取引法研究会、行政法研究会、独占禁止法研究会、不動産法研究会、家族法研究会、医療過誤研究会、刑事法研究会と多数にのぼっています。
 会員にはFAXによる専門実務研究会情報によって連絡されていますように、各研究会は年間スケジュールを組んでおり、中には、早起きは三文の得とばかりに朝8時30分から勉強会を始めている研究会や、すでに講習会を実施するなど活発に活動を始めています。 最近特に、法律相談や顧客からの専門分野に対するニーズが多くなってきたこと、めまぐるしく変化する今日の社会では、専門分野に関する法的戦略が企業戦略などにとって不可欠なものとなりつつあること、発生した事件に対して専門的な弁護士による迅速な対応が要求されていることなど、専門実務に対する要請が強くなっています。このような強い期待や要望を会員の皆さんも感じていたからか、アッという間に各研究会が独自に、かつ活発に活動する状況となりました。
 当会の規則上は誰でも各研究会に加入でき、10名以上の研究会会員のうち過半数が当会の会員であれば当会以外の関係者の入会も自由であり、会費を取るかどうかなどの細部についても各研究会の自主性に任せ、当会としては、言わば便宜をはかるなどの援助等は行うが、口は出さないという内容になっています。
 東京弁護士会などのように、毎年の研究発表を一冊の本としてまとめることができればそれだけでも大きな成果です。そのような成果を土台にしてさらに多くの会員が専門的な知識を吸収し、その知識を実務に生かすことができれば、当会の会員のみならず、相談者や顧客にとっても大変有意義なことであると思われます。まだ始まったばかりなのに欲張ったことを言うと、将来的には専門実務研究会が先頭になって専門認定制度を創設していくことや、実務書の出版を定期的に行うことができるような研究会がいくつも出現することが可能になるのではなどと、勝手な青写真を描いてみたりしています。
 前述の各研究会以外に、税法、筆界特定、労働審判制、自動車保険、あるいは国際取引法などについて研究会を開きたいとの希望を出す会員もいますので、当会の事務局に連絡してこれらの研究会についても参加者を募ってもらいたいものです。
 今後ますます研究会の数が増え、かつ活発になることを期待しています。

米沢の公設事務所へ 大いに決意を語る
 山形県米沢市は、朝日・蔵王・飯豊・吾妻と四方を百名山に囲まれた山間の都市である。歴史的には上杉家の城下町として、法律家の間では民法学者我妻榮の生誕地としても知られている。同市の人口は約9万人であるが、地裁支部管内全体では約25万人の住民がいながら弁護士は2人(1人は刑事事件・クレサラ事件をしていない)だけで、深刻な弁護士不足に喘いでいる。
 私が過疎地弁護に関心を持ったのは、平成14年に開催された日弁連のシンポジウムがきっかけである。このシンポでは、悪質な事件屋が横行する地域について報告がなされ、また、何よりも弁護士に相談する機会すら乏しい地域の状況に、私は衝撃を覚えた。
 以来、機会があれば休日に弁護士過疎地域を旅行するようになり、今回の米沢の公設事務所応募に至ったのである。とは言え、実際の応募に際しては、敢えて横浜を離れる不安や、行くならば暖かい海!との誘惑、これまで地道な努力をしてきた弁護士がいる地域に「公設」を開設する事への遠慮等もあった。
 しかし、米沢支部では管内人口に比して極端に弁護士が少ない。弁護士の存在すら知らない市民もいるし、「相談したくてもできない」との声は多い。司法書士を破産管財人にとの話もある。何もしなければ弁護士増加の見通しも立たず、公設事務所の必要性は高い。また、このような地域の法的活性を促し、市民に弁護士を身近に感じてもらうための活動に、やり甲斐も感じて応募を決意した。
 さて、実際の開所準備は遠方のため、また私にとっても地元業者にとっても?法律事務所の開設など初めてであるため、思いのほか大変である。ただ、それだけに手作り感は満点で、楽しみも大きい。任期は3年間。横弁の名に恥じぬよう、色々なアイディアで地域・市民のため頑張りたい。そして、私の活動が、弁護士へのアクセス障害解消の一助となれば幸いである。

『刑弁塾って何?』 朝まで語ろう刑事弁護
塾長 木村 保夫
 『刑弁塾』…どこか怪しげなネーミングはそれなりのインパクトがあったようで「刑弁塾って何やってるの?」とよく聞かれます。
 「塾」といっても安直に刑事弁護のノウハウを教える進学塾のようなものではありません。被告人のために熱心に刑事弁護活動をするベテラン会員が、若い人とともに経験を語り、切磋琢磨していこうという勉強会です。昨年の4月から毎月1回、弁護士会館で午後6時からやっています。
 第1部はテーマを決めて講師(基本的には会員)の話をもとにフリートーキング。これまで「闘う刑事弁護−公安刑事事件に学ぶ」・「鑑定医師などの専門家証人の尋問の仕方」・「減少する保釈請求−保釈を諦めてはいないか」・「接見禁止決定に抗告し、取消決定を獲得したケース」などについて研究してきました。今年の4月からはこうした毎回のテーマに加えて改正刑事訴訟法の連続講座が始まりました。
 第2部は、今弁護している事件で悩んでいること、ちょっと聞きたいこと、助けて欲しいときの相談コーナーです。第1部の講師も含め、参加者みんなで相談にのります。場合によっては共同弁護人にもなります。予約なしの飛込み・割込みOK、相談内容も何でもありです。これまで若い人だけでなく、ベテランの先生が持ち込まれたテーマで大いに議論が盛り上がった事もあります。
 そして第3部は、「朝まで語ろう刑事弁護」。近頃は、さすがに朝までにはなりませんが、「よき酒はよき刑事弁護人を育てる」なんて言いながら楽しくやってます。
 刑弁塾の大きな特徴は「会員なしの会費なし」という点です。朝夕、公園に集まる愛犬家集団のようなものでしょうか。参加した方のメールアドレスを聞いて、開催の案内はしますが「おもしろそう」「行って相談してみよう」と思ったら来れば良いし、忙しいときは来なくてもよい。こちらも参加者の数など一向に気にしていません。これが普通の研究会や研修会と違うところかもしれません。それでも一度でも刑弁塾を訪れた人の数は既に50名以上、延べ人数では139名にもなりました。7月には神奈川大学法科大学院の学生約25名が見学に来る予定です。
 こうして新聞にも載るし、刑弁塾って最近ちょっと有名?

日弁連の年金制度紹介 いつまでもあると思うな職と金
 基礎年金は65歳から月額6万6208円(40年完納の場合)が支給されます。
 しかし、当基金の上乗せ終身年金に加入すると、例えば月10万円の保障付終身年金を受け取るための月額掛金は35歳男性の場合、5万5600円です。
 また、掛金は年81万6000円まで全額が所得からの控除対象になります。現在の加入者は、のべ約9000人で、今後も安定した運営が期待されます。
 終身年金プランは、自由に設計できます。未加入の先生方は、是非御加入下さい。
 詳細は、TEL03(3581)3739までお問い合わせ下さい。
 プランは、日本弁護士国民年金基金ホームページ(http://www.bknk.or.jp/)上で自動設計できます。

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