本間 豊 会員 |
去る3月15日、当会5階会議室に多数の専門実務研究会参加予定者が集まって、横浜弁護士会専門実務研究会の合同設立会が開催されました。 |
すでに代表幹事、幹事あるいは連絡係が決まっている研究会は、知的財産法研究会、倒産法研究会、マンション法研究会、インターネット法律研究会、遺言・相続研究会、会社法研究会、金融取引法研究会、行政法研究会、独占禁止法研究会、不動産法研究会、家族法研究会、医療過誤研究会、刑事法研究会と多数にのぼっています。 |
会員にはFAXによる専門実務研究会情報によって連絡されていますように、各研究会は年間スケジュールを組んでおり、中には、早起きは三文の得とばかりに朝8時30分から勉強会を始めている研究会や、すでに講習会を実施するなど活発に活動を始めています。 最近特に、法律相談や顧客からの専門分野に対するニーズが多くなってきたこと、めまぐるしく変化する今日の社会では、専門分野に関する法的戦略が企業戦略などにとって不可欠なものとなりつつあること、発生した事件に対して専門的な弁護士による迅速な対応が要求されていることなど、専門実務に対する要請が強くなっています。このような強い期待や要望を会員の皆さんも感じていたからか、アッという間に各研究会が独自に、かつ活発に活動する状況となりました。 |
当会の規則上は誰でも各研究会に加入でき、10名以上の研究会会員のうち過半数が当会の会員であれば当会以外の関係者の入会も自由であり、会費を取るかどうかなどの細部についても各研究会の自主性に任せ、当会としては、言わば便宜をはかるなどの援助等は行うが、口は出さないという内容になっています。 |
東京弁護士会などのように、毎年の研究発表を一冊の本としてまとめることができればそれだけでも大きな成果です。そのような成果を土台にしてさらに多くの会員が専門的な知識を吸収し、その知識を実務に生かすことができれば、当会の会員のみならず、相談者や顧客にとっても大変有意義なことであると思われます。まだ始まったばかりなのに欲張ったことを言うと、将来的には専門実務研究会が先頭になって専門認定制度を創設していくことや、実務書の出版を定期的に行うことができるような研究会がいくつも出現することが可能になるのではなどと、勝手な青写真を描いてみたりしています。 |
前述の各研究会以外に、税法、筆界特定、労働審判制、自動車保険、あるいは国際取引法などについて研究会を開きたいとの希望を出す会員もいますので、当会の事務局に連絡してこれらの研究会についても参加者を募ってもらいたいものです。 |
今後ますます研究会の数が増え、かつ活発になることを期待しています。 |
塾長 木村 保夫 |
『刑弁塾』…どこか怪しげなネーミングはそれなりのインパクトがあったようで「刑弁塾って何やってるの?」とよく聞かれます。 |
「塾」といっても安直に刑事弁護のノウハウを教える進学塾のようなものではありません。被告人のために熱心に刑事弁護活動をするベテラン会員が、若い人とともに経験を語り、切磋琢磨していこうという勉強会です。昨年の4月から毎月1回、弁護士会館で午後6時からやっています。 |
第1部はテーマを決めて講師(基本的には会員)の話をもとにフリートーキング。これまで「闘う刑事弁護−公安刑事事件に学ぶ」・「鑑定医師などの専門家証人の尋問の仕方」・「減少する保釈請求−保釈を諦めてはいないか」・「接見禁止決定に抗告し、取消決定を獲得したケース」などについて研究してきました。今年の4月からはこうした毎回のテーマに加えて改正刑事訴訟法の連続講座が始まりました。 |
第2部は、今弁護している事件で悩んでいること、ちょっと聞きたいこと、助けて欲しいときの相談コーナーです。第1部の講師も含め、参加者みんなで相談にのります。場合によっては共同弁護人にもなります。予約なしの飛込み・割込みOK、相談内容も何でもありです。これまで若い人だけでなく、ベテランの先生が持ち込まれたテーマで大いに議論が盛り上がった事もあります。 |
そして第3部は、「朝まで語ろう刑事弁護」。近頃は、さすがに朝までにはなりませんが、「よき酒はよき刑事弁護人を育てる」なんて言いながら楽しくやってます。 |
刑弁塾の大きな特徴は「会員なしの会費なし」という点です。朝夕、公園に集まる愛犬家集団のようなものでしょうか。参加した方のメールアドレスを聞いて、開催の案内はしますが「おもしろそう」「行って相談してみよう」と思ったら来れば良いし、忙しいときは来なくてもよい。こちらも参加者の数など一向に気にしていません。これが普通の研究会や研修会と違うところかもしれません。それでも一度でも刑弁塾を訪れた人の数は既に50名以上、延べ人数では139名にもなりました。7月には神奈川大学法科大学院の学生約25名が見学に来る予定です。 |
こうして新聞にも載るし、刑弁塾って最近ちょっと有名? |