横浜弁護士会新聞

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20005年5月号(4)

 
私のホビー(38)
「中国漫才歴」15年の恋
中山 秀行 会員
 中国文化に恋情を抱いている私としては、20年前に中国を学び始めた頃から市井に暮らす普通の中国人の何気ない普通の生活や言葉に執着していた。それが漫才(中国では相声=シアンションという)を学び始めたきっかけである。
 H氏という相方も見つかった。北京方言が混じる科白は歯切れよく、むせ返るような北京の横丁の匂いに私達はのめり込んでいった。
 細かいことは省くが、私の中国における本拠地は鎮江。そこに揚州評話の名人王筱堂先生がいたこと、その先生から鎮江に行く度に指導を受けられたことも僥幸であった。
 王先生は4年程前に亡くなったが、習い始めて15年位の間に古典といえる候宝林の作品を中心に演目は10ばかり。鎮江へ行けば結婚式や食堂あるいは農村で演じさせてもらっては、それなりに笑いを取れるようになった。
 鎮江郊外の農村は南京へ進撃する日本侵略軍と中国側ゲリラとが激戦を交えた場所であり、当初はぎこちない雰囲気もあった。しかし今では農場の皆さんが集まり芸達者(これがプロ並みにうまい)が次々と壇上にあがって演芸合戦となる。
 喜んだ地元の人が芸人の着る長衫という服も作ってくれた。そういった私共に、ある時地元の江蘇テレビ局が取材に来たことがあった。放映されたかどうかは分からないまま帰国し、そのことも忘れて、また日本で煩瑣な日常を送っていた。
 しばらくして民裁教官だったK先生が名古屋高裁長官を退官されたのを御慰労申し上げ、東京で何人かが集まって献酬し合っていたところ、K先生がいきなり私に「中国で一体何で漫才なんかをやってんだ。この前名古屋のテレビに出ていたぞ」と言われてびっくりした。一瞬この先生退官してついにボケたかなと思ったが、考えてみたら鎮江と三重の津市は姉妹都市だし、江蘇と中京の地元テレビ局同士も交流があるのかも知れない。
 ただ、日本で放映されたのであれば、それは尚更恥ずかしいことである。(次号に続く)

新人弁護士奮闘記 56期 池本 康次 会員
記憶に残るのは失敗例
 弁護士となって約1年半、まだ新人として扱ってもらえるのかと思う反面、いつになったら新人を卒業できるのかと考えたりもする。少なくとも役所の法律相談で相談者と間違われているようでは、脱新人はまだまだ先の話だろう。
 1年半の中で、記憶に残るのはやはり成功例よりも失敗例である。成功例が記憶に残らないのは大して成功した試しがないからではないと信じたい。
 特に記憶に新しいのは、破産審尋のため富山地裁に行った時のこと、正確には行こうとした時のことである。
 その日、富山空港に着くはずの飛行機は雪のため小松空港に着陸した。富山空港上空を30分以上旋回した挙句にである。
 そういや高校時代に、肺に穴が空いたまま小松空港から飛行機に乗ったら胸に激痛が走り、死にかけたな、などと懐かしい思い出に浸る間もなく、慌てて電話で依頼者と裁判所に期日に間に合わないことを伝えた。
 結局、期日は延期せず、依頼者が一人で審尋に行くこととなった。表向きは依頼者が早く終わることを希望したからであるが、気を遣ってもらったのかも知れない。
 せめて自分に出来ることをと、予定より長く機内で読めた実務書から得た知識を駆使し、出来る限りの指導はしたものの、本来の役割のほんの一部も果たせなかった。
 にも関わらず、依頼者はなぜかえらく感謝してくれ、帰り際にはお土産までいただいてしまい、そんな気遣いに却って申し訳なさを強め、高校時代に引き続き北陸で胸を痛めることとなった。それと同時に依頼者が、いかに弁護士を信頼し、期待しているかを感じさせられた。そして、その信頼は、これまで多くの先輩方が長年にわたって積み重ね、築き上げてきた成果に他ならない。新人だからなどと甘えた気持ちを持たず、自分も一人の弁護士として、少しでも依頼者の信頼や期待に応えるべく、努力していかなければならないと改めて考えさせられた一件であった。

接戦につぐ接戦の厳しい戦い 横浜弁護士会会長杯争奪テニス大会
 快晴に恵まれた3月26日、毎年恒例の「横浜弁護士会会長杯争奪テニス大会」が開催された。参加ペアは16組である。各人のレベルに合わせてA〜Cクラスに分け、トーナメント形式で8ゲーム先取の試合が行われた。
 各クラスともに実力伯仲、接戦に継ぐ接戦で、フルゲームまで決着がつかない試合も数試合あり、体力面、精神面を通じて厳しい戦いが繰り広げられた。その中で、見事栄冠を勝ち取ったのは、Aクラスは飯田直久会員・横山宗祐会員ペア、Bクラスは佐藤裕会員・立川会員のご子息ペア、Cクラスは第二東京弁護士会所属の原正雄弁護士・横山会員の奥様貴代氏ペア。殊にAクラス優勝の飯田会員は、ペアの横山会員との相性も良く、経験に裏打ちされた堅実なプレーで確実にポイントを獲得し、長年、当会テニス部主催の大会に参加している中で、悲願のAクラス初優勝。大会後の懇親会での満足げな表情に充実感がうかがえた(写真に注目!)。
見事栄冠を勝ち取った各会員
  (会員 榎本進一郎)

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横浜弁護士会総合法律相談センター
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編集後記
 中国では月の最初の牛の日を端午と言うそうで、「午」の音通が「五」と同じであることから、五月五日を端午の節句としたとか。古来、邪気を払うために菖蒲を軒に挿して、ちまきを食べて身を守ったそうで、菖蒲が尚武と通じることから男の子の節句となったとか。これ本当の話。浦田さんが今回限りで抜けます。本当に長い間ご苦労様でした。ちょっと不安で寂しいかな。
デスク 栗田 誠之 1面担当 山田 一誠 2面担当 久保 義人
3面担当 浦田 修志 4面担当 國村 武司

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