20005年4月号(4) |
「中 国」 |
中山 秀行 会員 |
編集部から頼まれた時、「中国」が私のホビーになるだろうかと訝しく思った。むしろ一方的な恋愛感情と云った方が近いかもしれない。中国には22年の間に都合40回以上行っている。パスポートも何回か更新しているが途中が分からないので正確には何回行ったか不明である。ここ1年以上身体的不都合があって行けないが、年間2・3回は行っていた。行き先は3・4回北京へ行ったことを除けば、ほとんどが揚子江中流域のいわゆる江南地方である。とりわけ鎮江という町は私の生まれ育った町と同じくらい詳しいと思う。周囲からはなぜそんなに中国に行くのかと聞かれる。恋愛なのだと答えると、中国にいい相手でもいるのだろうと突っ込むやつがいるからそうだと答える。どこがどう好きだとは言えない。もとより観光旅行をするわけではない。鎮江に行けば行きつけのそば屋でそばをすする。横丁の店であげたての油条と豆乳と粥を食べ上海ビールを飲みながらボケーと往来の人通りを眺めている。缶ビールを何本か持って揚子江の中州にある焦山に登ってひねもす揚子江の流れに目をやったり、うたた寝をしたりしている。20年来一緒に行っている同学たちと鎮江の知人や郊外のお茶農場の人達を尋ねたり、後述する中国漫才(相声)を演じる時を除けば、鎮江にいる一週間は大体そんなものである。 |
だから恋愛感情といっても20年もたつとむしろ穏やかな気持ちになり、中国の空気の中にいられればそれで十分幸せだという程度のものになっている。 |
周囲からは中国をよく知るために欧米にも行ってみたらどうかと勧める者もいる。余計なお世話である。自分の好きな女性を良く知るために他の女性とつき合う必要などはないしそんな暇もない。次回には上に述べました中国漫才(相声)について私の中国迷(中国バカ)ぶりをお話したいと思います。(つづく) |
新人時代の終わりに |
「痩せた?」 |
弁護士の仕事を始めてから、家族や知人によく尋ねられる。実際のところ、体重や体型はそれほど変わっていないと思うが、たしかに顔が細くなった。時にやつれていると見えることもあるようだ。 |
平成14年10月、それまで社会人経験もなかった私は、いきなり弁護士というあまりにも責任の大きな仕事に就いた。当初は電話1本の会話でも全く気の抜けない緊張の日々だった。 |
喉元を過ぎて熱さも忘れかけてきたが、今でも記録の背表紙を見るだけで苦闘の日々が思い出されるような事件もあった。国選の否認事件(恐喝)、被告人の重すぎる期待をギラギラと感じながら被害者証人を尋問したことや、相続事件で一族が傍聴席に陣取った中での証人尋問。そういった修羅場に臨んで、心労を重ね、また自分の未熟さを責めるうちに、いつしか頬の肉が削げ落ちていったのではないかと思う。 |
だが、重圧にあえぎながらも、一つ一つの事件に精一杯手をかけるなかで、依頼者や関係者から評価・感謝してもらう喜びを味わうこともできた。そのような経験と、頼りにされているという自覚が、私を今日まで動かしてきたのだと思う。 |
弁護士の仕事も3年目に入って、「新人」ともなかなか呼ばれなくなった今、弁護士の仕事、特に頭を使って事件の先の展開を読み、良い解決点に事件を導くためのアクションをあれこれと考えることが、楽しいと思えるようになってきた。少しずつ積み重ねてきた経験が、私に自信と余裕を与えてきているのかもしれない。 |
そして、これから長年続いていくであろう弁護士人生を思うとき、不安も多々あるものの、他方で楽しみに思っている自分がいる。 |
心の中まで痩せてはいないのだ。 |
第14回三庁対抗囲碁大会が、2月19日、総勢36名(Aクラス18名、Bクラス18名)の参加を得て当会会館5階で行なわれた。当日は、朝から底冷え厳しく、前日の雪が薄っすらと残り、更に風邪気味の参加者が多いという大会であったが、いざ試合開始となると途中まで暖房を入れ忘れるほどの熱戦が繰り広げられた。Aクラスは、裁判所A1チーム(大野英治、岡田武義、村上有克の各氏)が優勝候補と目されていた検察庁チームを決勝で破り優勝した。検察庁チームの主将斉藤良雄6段に勝利した大野英治主将の健闘が光った。準優勝は検察庁チームであった。Bクラスは、層の厚い検察庁B1チーム(鈴木福壽、夏苅宗春、斉藤隆美の各氏)が実力通り優勝した。準優勝は、弁護士会Bチーム(中村文也会員、中野勇夫会員、松本幸男会員)と裁判所B1チームが2勝1敗で並んだが、惜しくも裁判所B1チームに準優勝をさらわれた。 |
(柴野 眞也 会員) |
お悔やみ申し上げます | |||
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いろいろな相談にお応えします。 | |||||||||||
横浜弁護士会総合法律相談センター | |||||||||||
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編集後記 | ||||||||||||||||
横浜弁護士会新聞に司法改革関連記事の載らない月はないようになりました。刑法、民法、刑訴、民訴といった主要な法律も改正されました。法律家も変わるほかないようです。ただ、どう変わればいいのか方向性が不透明です。先が良く見えない霧の中を皆が走っているようです。 | ||||||||||||||||
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3月号1面、小口千惠子副会長の紹介記事に以下の通り誤植がありました。お詫びのうえ訂正いたします。 | ||||||||
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